マーケティングにおいて企業の商品やサービスを世に広めるためには様々な方法がありますが、幅広いターゲット層に働きかけるためにはテレビCMの活用も欠かせません。しかし、テレビ局の放送枠を購入しても、CM用の映像を制作しなければ放送は不可能です。
そこで今回は、テレビCM制作の主な流れについて解説していきます。制作の期間や費用の目安についても解説していくので、自社の商品やサービスの打ち出しを検討している方は、ぜひチェックしてみてください。
また、CM制作の費用を抑えるポイントも一緒にご紹介していきます。費用を抑えてCM映像を作りたい方も、当記事をぜひ参考にしてみてください。
テレビCM制作の主な流れ
テレビCMを制作する際、大まかな流れとしては以下の6ステップに沿って作られていきます。
①オリエンテーション
②企画・コンテ作成
③PPMで広告主のチェック
④CM撮影
⑤仮編集・本編集
それぞれのステップの詳細を詳しく解説していきましょう。
テレビCMとインターネット動画広告の相乗効果を知りたい方は、下記のリンクをチェックしてみてください。
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オリエンテーションで課題や狙いを共有
CM制作を開始する前に、テレビCMを作るスタッフを招集してオリエンテーションを行います。オリエンテーションは、ブリーフィングと呼ばれることもあり、以下のような内容を話し合っていきます。
・CMでユーザーに伝えたいこと
・CMでアピールしたいこと
・ターゲット層の年齢や属性
・広告主による企業や商品に関する価格や詳細の説明
CMでユーザーに伝えたいことは目的となり、商品やサービスに対する「認知」や「獲得」が一般的です。CMを流すのであれば、商品を認知させて多くのお客様から購入してもらいたいと考えますが、すべての願いを叶えようと制作をしてしまうと、内容が伝わりにくいCMになってしまいます。
テレビCMは15秒~30秒程度しかありません。詰め込み過ぎれば結果的に何も伝わらないCMとなってしまうため、目的を明確にしてから制作をしていきましょう。
企画・コンテ作成
オリエンテーションで話し合った内容を企画に落とし込みます。企画は、クリエイティブディレクターやCMプランナー、アートディレクター、コピーライター、制作ディレクターなどによって作られ、CM映像の流れやストーリー、時間やスケジュールなどを「企画書」と呼ばれる書類にまとめます。広告主は提案された企画書を確認し、目的が正しく表現されているか、ターゲットにきちんと伝わる内容になっているかなどを確認していきます。
また、広告主によっては1つのCM制作会社だけではなく、複数の会社に企画のプレゼンテーションを実施してもらう形式を選択するパターンもあります。様々な会社の企画を見て、ベストなものを選んで発注できる点がメリットです。
そういったCMを制作するかが決まれば、絵コンテの制作に進みます。絵コンテは、CMを絵で説明したものを指し、CMの設計図とも言われています。映像の骨格となる部分になるため、制作会社と打ち合わせを重ねてブラッシュアップしていきます。
複数案を提出してもらうと様々な絵コンテの中からイメージに合ったものを選択できるだけではなく、複数の案から良い要素を組み合わせて最適なものを作り出すことも可能です。絵コンテの段階ではまだ融通が利くので、イメージ通りの案が出来上がるまで何度も話し合いを重ねてください。
PPM(Pre Production Meeting)で広告主がチェック
PPMは、「プリプロダクションミーティング(Pre Production Meeting)」の略語で、広告主や制作会社が集まって映像を撮影する前に行う最終的なミーティングのことを言います。
・企画、制作意図
・演出プラン
・出演者
・セットデザイン
・ロケをする場所
・使用する衣装
・小道具
・音楽
・スケジュール など
広告主と制作会社との間にズレや疑問が生まれないよう、細部まで説明することが求められ、承認されれば次のステップへと進めます。
CM撮影
PPMが承認されればCMの撮影に入ります。ただし、撮影前には準備が必要で機材の用意やカメラマン、スタジオ、ロケーション場所を押さえる必要があります。また、タレントを起用する場合はキャスティングを実施してスケジュールの調整も行います。
すべての準備が整えばCM撮影です。屋内で撮影をするスタジオ撮影や屋外で撮影するロケーション撮影、スタジオではなく既存の部屋や建物を活用するロケット撮影などの方法があります。
広告主は立ち合いをし、それぞれ事前に決められた役割でスタッフが撮影をしていきます。撮影時には、監督から出演者の表情や顔の角度、声のトーンなど、編集できない部分の判断を求められるケースもあります。納得のいくCMを制作するためにも、要望はしっかりと伝えていきましょう。
基本的に撮影の日数が1日で終了することが多いですが、こだわりのあるCMの場合は数日間に渡って撮影が実施される場合もあります。スケジュールどおりに進めていくためにも、最初に立てた目標にそって進んでいるか、チェックし続けることが大切です。
仮編集・本編集
撮影が終了したら編集作業の開始です。編集は仮編集と本編集の2つがあり、仮編集では制作会社が簡単に動画編集したものを広告主にチェックしてもらいます。気になる点があれば指摘をして修正してもらうことが可能です。
仮編集がOKとなれば本編集作業に移ります。テロップやロゴなどを入れ込んでいき、映像を完成させるので、本編集後の修正は不可能です。本編集後に修正や変更がある場合は、追加で時間や予算が必要となるので後悔しないためにも、絵コンテや仮編集時にイメージを伝えきることが大切です。
また、編集が終わればテレビ局に考査をしてもらいます。考査とはCMが放送できるものであるかチェックしてもらうことを指し、放送を実施するテレビ局ごとに考査してもらいます。
テレビCMの制作期間の目安
テレビCMを作成するだけでも、多くの工程を踏む必要があります。すべて終了するまでの期間はどの程度になるか解説していきましょう。
静止画の場合
静止画にナレーションや音楽を付けるだけの簡単な映像素材による広告は、費用が抑えられる点がメリットです。加えて制作にも時間がかからないため、1ヶ月もかからずに制作できるケースもあります。費用を抑えたい、制作する期間も短くしたいなら、静止画の広告制作を検討してみましょう。
アニメーションの場合
イラストを活用したアニメーションによるCM制作も可能です。実写では表現しにくい場合もアニメーションであれば表現できる点が魅力で、タレントの起用やロケーション場所も必要ないため、費用が抑えられる点もメリットです。
ただし、凝ったものを造ろうとすれば時間がかかります。演出や品質にこだわりがあれば、実写よりもコストが高くなるケースもあり、制作期間も長くなってしまいます。約2ヶ月が制作期間の目安となりますが、それ以上かかる可能性もあるので、あらかじめ制作会社に相談して、どの程度の期間が必要になるのか確認しておきましょう。
アニメーション制作におすすめの動画制作会社や作り方のコツ、事例などを確認したい場合は、下記のリンクをチェックしてみてください。
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実写の場合
実在する人物が出演しているため、視聴者が感情移入しやすく共感を得やすいメリットがあります。商品やサービスをより深く訴求したい際に用いられることが多く、強い印象を残すことが可能です。
起用する人物は、俳優やタレント、モデルやスポーツ選手の他、有名人を起用しないCMもあります。有名人を起用しなければ費用を抑えられる点が魅力です。
実写CMの制作期間の目安は2ヶ月です。起用する人物が多ければ撮影する時間や日数も必要になるため、制作期間が長くなる傾向にあります。
テレビCM制作費とは何か?
テレビCMを制作する場合、費用について気にする方も多いはずです。CMを放送する際には、「制作費」と「放映料」の2つの費用が発生します。
制作費は、テレビCMを作るためにかかる費用を指しています。企画や撮影といった流れに沿ってCMは作られていきますが、その工程それぞれで費用が発生し、使用される機材やスタッフの人員の数によっても費用は変動します。
また、放映料はCMを放送するためにかかる費用です。CMが流れる放送局や視聴率、時間帯によって価格は大きく変動し、タイムCMやスポットCMによっても放映料の考え方には違いがあります。
タイムCMは特定の番組に出稿するタイプのCMで6ヶ月契約が基本です。スポットCMは番組や放映する時間帯は選べませんが、予算に応じた出稿が可能です。地方局であれば、リーズナブルな価格で放映できるメリットがあります。
タレントを起用するかどうかで費用が大きく変わる
CMの制作費に関しては内容によっても異なりますが、タレントを起用するかしないかでも大きく変わります。静止画によるCMやアニメーションであればタレントを起用していないので費用は抑えられます。
しかし、有名なタレントを起用すれば出演料がかかってしまうので、場合によっては多額の費用が発生する可能性もあります。事前にどの程度の費用になるのか、相談してから起用を検討していきましょう。
CM制作費の内訳
次に、CMを作る際に発生する費用の内訳を解説していきます。
企画費用
企画では、どんなCMを作るかを話し合いによって決めていきますが、CMプランナーやアートディレクターなど、様々な人物が集まり検討していきます。細かく計画を立ててCMの構成を決めていく作業です。構成が決まれば撮影場所の選定やキャストへのオファー、準備などを進めていきます。
企画に対しての費用が企画費となり、10万円~30万円ほどが相場です。
出演依頼費用
実写CMを作る場合は出演依頼費用が発生します。出演料に関しては、期限を設けて契約することが一般的となっており、1クール(3ヶ月)ごとの契約が基本です。起用するタレントや契約する期間によって費用に違いがあり、期間が長くなればなるほど、費用がかかります。
また、著名なタレントやスポーツ選手などを起用する場合は、コストも大幅にアップします。しかし、その分商品やサービスが認知されるきっかけになり、イメージアップにも影響を与えます。予算だけではなく、商品やサービスのイメージに合わせてタレントを選んでください。
CMの素材の撮影料
撮影料は、CMの素材を撮影する時に発生する費用を言います。撮影を行うスタジオ代や人件費、使用する機材の料金などで合計され、相場は20万円~となっています。ただし、使用する機材のスペックによって費用に変動があります。
ドローンや高スペックなカメラを使用すると、高いクオリティの映像を制作できますが、その分コストがかかるため、予算内に収まらない可能性もあるでしょう。撮影を行うロケーションでも費用が変動するので注意してください。
また、アニメーションCMは出演料や撮影料は発生しませんが、素材を作るためのコストがかかります。凝ったCMにすればその分費用も上がるので、制作会社と相談しながら予算内に収まるよう最適なCMを検討してください。
編集費用
不要な部分をカットし、つなぎ合わせていく作業を編集と言います。テロップや音楽なども追加し、映像を完成させていきます。使用する音楽に関しては、JASRAC(日本音楽著作権協会)が管理をしている音楽を使用する場合は利用料も必要です。
相場としては、15万円~40万円となっています。
CM制作費の相場
CMを作る際、内容によって費用は大幅に変動します。起用するタレントや使用する機材によっては、思いのほか高額になってしまうケースもあるでしょう。ここからは、制作全体の相場について解説していきます。
通常のCM
通常のCMであれば、100万円~500万円ほどでCMを制作できます。撮影済みの素材を使う他、自社の社員を出演させて制作すると、出演料をカットできるので100万円台で制作できる可能性があります。
h3:クオリティの高いCM
ロケーションにこだわったCMや高性能な機材を使用したCM、著名なタレントを起用したCM、そして制作に時間の要するクオリティの高いCMを作ろうと考えているなら、500万円以上の費用が発生すると考えておきましょう。視聴者の記憶に残るCMを作れるメリットがあり、認知度や売上アップにつながる可能性が高いです。しかし、その分費用が発生してしまうので、予算を考えながら内容を決めることが大切です。
アニメーションを活用したCM
アニメーションを活用したCMの相場は50万円~となっています。出演するタレントもおらず、撮影をする手間がないので人件費を抑えられる点がメリットです。そのため、通常のCMの半値程度で制作できる可能性があります。
ただし、クオリティを追求するとコストがアップしてしまいます。写真やイラストといった静止画をスライドして構成するCMであれば、ナレーションやBGMを付けるだけなので制作費を抑えられます。30万円ほどで制作できるので、コストを抑えたい場合に検討してみましょう。
CM制作費を抑えるポイント
CM制作で製作費を抑えたい場合は、以下のポイントを考慮して制作を考えてみてください。
タレントを起用しないか、無名のタレントにする
著名なタレントを起用すると、視聴者の目を惹く魅力的なCMを制作できる可能性が高まりますが、タレントによっては高額な出演料が必要になるケースもあるので注意しなければいけません。費用を少しでも抑えたい場合は、タレントを起用せず、起用したとしても無名のタレントを採用することを検討してみてください。
タレントを起用しない場合は、自社の役員や社員を出演させることも可能です。実際に働いている社員であれば、「こういう社員が働いているのか」と安心感や信頼感を与えられます。
撮影はスタジオで行う
屋外での撮影にすると悪天候時には後日再度撮影を行う必要があります。タレントの出演料に加えて撮影場所の費用がかかってしまうので、予算オーバーしてしまう可能性もあります。
費用を抑えたい場合は、天候に左右されない室内での撮影がおすすめです。余分な費用をかけずに制作が可能です。
動画制作・映像制作ならGJCへお任せください
テレビCMの制作は、使用する機材や撮影をする場所、出演してもらうタレントによって費用が大きく異なります。費用を抑えたい場合は、タレントの起用を断念するか、ロケーションの場所を変えるなどしてコストダウンを図ってみてください。しかし、その分クオリティが低くなる可能性もあります。
そんな時には、GJCに一度ご相談ください。GJCはクオリティの高い動画を丁度良い価格で提供する会社です。これまでの制作実績は4,000社を超えており、制作した動画の本数は30,000本以上です。
3万円という低価格から動画制作が可能なので、予算や希望に合わせて最適なテレビCMの作成を行います。トップクリエーターによるハイクオリティな動画も制作しているので、まずはお気軽に下記のリンクからご相談ください。
まとめ
今回は、テレビCMの制作の流れや制作期間、費用の内訳や相場について解説してきました。商品やサービスの認知度アップ、売上アップのためにもテレビCMは有効です。しかし、CMの種類や起用するタレントの有無、機材の種類によって費用は大幅に異なります。
予算オーバーやイメージに合わないCMを防ぐためにも制作会社との打ち合わせは大切です。GJCは、これまでに多くの企業の動画制作を実施してきた実績のある会社です。費用
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