
動画制作の背景
株式会社AIRDO様は、「北海道の翼」として、地域の航空インフラを支えながら、観光・ビジネス・帰省など幅広いニーズに応える公共性の高い航空会社です。今回は2作目となるAIRDOブランドの世界観を伝えるブランディング動画を作成したいというご要望をいただきました。
動画の内容
本映像では、各職種の社員がリレー形式で主役をバトンのように引き継ぎながら登場し、「つながり」を象徴するようなシームレスな場面転換を通じて、全社一丸となったサービス提供の実態を映し出します。映像は北海道室、営業部、旅客係員、客室乗務員、運航乗務員、整備士といった職種別に章立てされ、それぞれが語る仕事への想いや日々の業務風景を丁寧に紹介。インタビューの音声や、リアルな職場風景、社員が付箋に書いた「夢や目標」の演出などを交えながら、AIRDOに関わるすべての人の「想い」が未来へとつながっていく様子を表現します
構成のポイント
AIRDO様は「北海道の翼」として誕生し、その精神は今も社内で大切に受け継がれています。本映像では、そのスピリッツを次の世代につないでいく姿を、さまざまな職種のスタッフたちの姿を通して描いています。社員一人ひとりがまっすぐに歩いてくるシーンや、役割がシームレスにバトンタッチされていく演出は、それぞれの業務がつながり、支え合っていることの象徴です。
現場で働くスタッフたちのリアルな姿や表情、そしてその中で語られるインタビューを通じて、職種ごとに大切にしている価値観や日々の努力を丁寧に伝えています。その積み重ねが1便1便の運航を支え、多くの人々の思いを乗せて今日も空を飛んでいるという、AIRDOという組織の根幹にある「想いの連鎖」を、静かに、しかし力強く描いた作品です。
デザインのポイント
「つなぐ」という本映像のコンセプトは、単なる演出としてだけでなく、デザイン面にも一貫して反映しています。キービジュアルには、AIRDO様のコーポレートカラーであるブルーとイエローを効果的に使用し、色の“つながり”によって全体の印象を統一しました。さらに、空をイメージさせる柔らかなグラデーションや浮遊感のあるアニメーションを、テロップやキャッチフレーズの動きに組み込むことで、航空会社らしさとブランドの世界観をビジュアルで表現しています。
映像全体においては、各シーンが視覚的にも連続性を持ってつながるように意識し、社員の言葉や想いがただの字幕にならないよう、テロップのアニメーションにも細やかな工夫を施しました。キーフレーズは、視認性の高いレイアウトとともに、躍動感のある動きを加えることで、メッセージの強さと印象をしっかりと残す設計としています。
企業の顔として登場する社員一人ひとりの言葉に、デザインの力でしっかりとフォーカスを当て、見る人の記憶に残る映像体験となるよう仕上げました
撮影のポイント
今回の撮影では、前回のご依頼からの継続依頼ということもあり、現場への理解と信頼をベースに、さらに一歩踏み込んだ表現に挑戦しました。社員の皆さんがまるでバトンをつなぐように次々と登場していく構成に合わせて、映像に自然な流れと一体感を持たせるため、編集段階を見越した綿密なロケハンと計画をもとに撮影を進行しました。
現場では、働く人々の生き生きとした表情を逃さず捉えることを第一に、航空会社ならではのスケール感や臨場感を映像に落とし込むことも意識しました。特に、飛行機の存在感を際立たせるため、誘導路を移動するタイミングや動線、そして狙い通りの太陽光が差し込む時間帯や方角に至るまで、細部にわたって計算・調整を重ねました。
こうして積み重ねた一つひとつのシーンが、空の仕事に携わる人々の熱意と誇り、そして航空業界ならではのダイナミズムとチームワークの魅力を、画面越しにしっかりと伝える映像へ仕上がったと感じています。
編集のポイント
今回の編集では、映像全体のメッセージ性を明確に伝えるために、テロップの表現はあえてシンプルにまとめつつも、クライアントのご要望に応じて重要なキーワードやフレーズを効果的に配置しました。キーワードのテロップには緩やかなアニメーションを加えることで、映像のテンポやリズムに自然な抑揚を与え、視聴者の目線を適切に誘導しています。
また、ナレーション、インタビュー、映像、BGMといった複数の要素が重なる中で、情報が過剰にならないよう細やかなバランス調整を行い、映像としての一体感を大切に仕上げました。各カットの長さや音の入り方、タイミングにも丁寧に配慮し、映像全体のトーンが統一されるよう心がけています。
こうした編集の工夫によって、メッセージの伝わりやすさと映像としての完成度の両立を実現することができ、最終的にはクライアントにも非常にご満足いただける仕上がりとなりました。