日本を訪れる外国人の数が増加し、企業や観光施設などが外国人を集客するための事業が盛んになってきました。このような外国人を集客、誘致する事業をインバウンド事業といいます。
多くの外国人が観光などに訪れた際には、日本のことをより知ってもらう機会があると、日本の良さに加えて伝統や文化などを理解してもらうきっかけになります。そのためには、動画制作が効果的です。
この記事では、インバウンド動画が何かに加えて効果や事例についてご紹介します。インバウンド動画を検討している方は参考にしてみてください。
インバウンド動画とは?
インバウンドは、外国から日本に観光に来ることを意味しています。そのため、インバウンド動画は日本を観光で訪れた外国人に向けて日本を紹介する動画という意味になります。
2024年4月の推計では、日本にインバウンドで訪れる外国人は前年比の同じ月と比較して約56%増加しています。新型コロナ禍前と比較して過去最高の推移を記録していていることがわかっています。
これまでは、日本での買い物を楽しむ外国人観光客が多くいましたが、現在は買い物よりも体験を重視する傾向です。同じインバウンドであったとしても日本に来る目的に変化が訪れていることから、日本独自の伝統や文化をアピールする機会が必要でしょう。
そのために必要になってくるのがインバウンド動画ということです。
インバウンド動画の効果
多くの外国人観光客から興味を持たれている日本は、インバウンド動画でより詳しくアピールすることで大きな効果を得られます。ここでは、インバウンド動画の効果について解説しましょう。
拡散力
インバウンド動画の効果として、拡散力の大きさがあります。そもそも動画とSNSの相性が良く、検索することなく多くの人に見てもらいやすいでしょう。
また、シェアや拡散されやすい特性もあるため、インバウンド動画は日本の魅力以外にも拡散されやすいです。日本の魅力が伝わる動画になった場合は、あっという間に拡散されて外国人から興味を持たれるでしょう。
訴求力
動画の場合、相手の資格に直接響く内容となるので、言葉の壁を越えた訴求力が生まれるでしょう。言葉で細かく説明しなくても、豊かで広大な自然を映した動画や地域の特性を紹介した動画などは、言葉では伝わらない感覚も伝えられます。
言葉で細かく説明すれば丁寧ですが、動画だけでも繊細さが伝わる内容と得られる効果でしょう。
インバウンド動画の事例
インバウンド動画は、日本の良さや魅力を伝えるのに有効な方法です。ここでは、インバウンド動画の事例をいくつかご紹介します。
地域・自治体の事例
ここでは、地域や自治体が作成したインバウンド動画の事例についてみていきましょう。
新潟県魚沼市
新潟県魚沼市では、観光プロモーション、自然、体験のテーマでインバウンド動画を作成しています。冬の厳しい寒さがある地域ですが、その分春や夏には環境の力強さを感じられます。
この季節の移り変わりを感じられるのは地域に住んでいる人の特権ですが、外国人にも知ってもらいたいという意味を込めた内容となっています。「素のチカラ、魚沼」として、この土地の素晴らしさが伝わる内容です。
神戸観光局
兵庫県神戸市では、神戸観光局によって魅力の詰まったインバウンド動画を発表しています。神戸の街並みを歩きながら紹介し、CMや広告の撮影などで利用されるレストランや雑貨店などを順番に楽しむ内容です。
セリフ、ナレーションなどをほとんど付けておらず、音楽を組み合わせたイメージビデオを楽しむような内容に仕上がっています。
山口県
山口県では、インバウンド向け観光PR動画を県のインバウンド推進室が発表しています。インバウンド動画なので英語、韓国語、中国語など様々な言語に対応した動画です。
「ふくの国」山口県として、日本最大級のカルスト台地「秋吉台」や、「秋吉台自然動物公園サファリランド」、白狐が見つけたとされる「湯田温泉」などを順番に紹介していく内容です。
一般社団法人加古川観光協会
兵庫県の加古川市では、一般社団法人加古川観光協会によってインバウンド動画がされています。2021年から加古川観光大使に就任した俳優の上野樹里さんが、加古川を巡る動画も公表されています。
他にも家族でみとろ観光果樹園などを中心にしたものや、外国人観光客を主役にした鶴林寺での思い出などを題材にしたものもあり、加古川に行ってみたいと思うような内容に仕上がっています。
愛知県
愛知県は、オンライントラベルエージェントであるvoyaginと連携してインバウンド動画を作成しています。体験型旅行商品から複数ピックアップして、訪れた外国人が同じものを体験する内容です。
主に英語圏の旅行者に向けた内容になっていて、インバウンド動画と同じ体験ができるとして体験型旅行商品販売サイトも公開しました。事前に見たインバウンド動画と同じ体験ができることから、旅行者にとってはイメージが掴みやすい内容となっています。
愛媛県
愛媛県では、インバウンドを目的として「Experience Ehime Japan」というキャンペーンを開催しています。このキャンペーンの目的と同じように、愛媛県の魅力や美しさを感じられるように、インバウンド動画も公開しました。
台湾、韓国、シンガポール、オーストラリア、フランスが対象国となり、愛媛の魅力をサイクリングで感じられるように工夫されています。また外国人が魅力を感じやすい内容に仕上がっているので、愛媛を訪れるハードルも低くなりやすいでしょう。
岩見沢市観光協会
北海道岩見沢市の観光協会が発表しているインバウンド動画です。観光に訪れた外国人が、岩見沢市を順番に観光していく内容です。
岩見沢市の美味しい食事、景色、体験などを通じて楽しんでいく様子がわかります。これを参考に、観光モデルコースとして確立も可能です。
限られた日数でも、思う存分楽しめるのが特徴です。
わかやま観光
和歌山県には、広大な自然や観光地、そしてパンダといった和歌山県を知り尽くせる内容のインバウンド動画があります。高野山、熊野古道といった自然を楽しみたい方に向けた内容となっていて、歴史も文化も同時に知れるでしょう。
国内外で活躍するサイクリングフォトグラファーの辻啓さんとの旅では、より和歌山の美しさが伝わる内容となっています。
企業の事例
インバウンド動画は、地域や自治体だけが作るものではありません。ここでは、企業の事例についてみていきましょう。
株式会社i.JTB
株式会社i.JTBは、旅行商品をオンラインで販売する企業です。ここでは、外国人が旅行予約できる「japanican.com」のインバウンド動画を発表しています。
日本旅行で富士山を中心にランチしたり、景色を堪能したりする映像ですが、インバウンド目的なので英語のみで構成されています。外国人をキャストにしている部分が、自分自身に置き換えやすく、実際に旅行した気分になりやすい印象です。
ANAあきんど株式会社
ANAあきんど株式会社は、インバウンドの受け入れ態勢を整えて、市場拡大を視野に入れています。そのため、外国人にわかりやすいように情報をまとめたインバウンド動画を公開しているのです。
世界の航空ネットワークを生かして、日本の地域が持つ文化、歴史、体験などを含めた動画にして、インバウンド旅行者が分かりやすいようにしているのが特徴です。
JR東海
JR東海では、インバウンド需要に対応するために東海道新幹線の紹介動画をアップしています。新幹線の安全性、メリットなどをわかりやすくアニメーションで解説しています。
外国人を乗客と見立てて、実際に乗った時のイメージを掴みやすいように工夫されています。また新幹線で行ける観光地についても紹介していて、京都や大阪なども行けることをアピールしている内容です。
大阪観光局
大阪府では、大阪観光局からインバウンド目的の動画がアップされています。大阪の魅力が豊富で24時間大阪の変化を感じられる動画、どの季節に訪れても楽しめる大阪の魅力が詰まった内容の動画もあります。
また、大阪で日本らしさを感じられるインバウンド動画もあり、大阪の魅力を感じられる内容です。
その他の事例
地域や自治体、また企業からもインバウンド動画が公開されていますが、まだ他にも様々なジャンルの動画があります。ここでは、他のインバウンド動画事例についてご紹介します。
インフルエンサーによるインバウンド旅行動画
アメリカ在住のインフルエンサーであるJaychelは、彼女との日本旅行の様子を動画にアップしています。日本での旅行をまとめた内容になっていますが、日本人とは違った視点もあり、新しい発見ができます。
日本人が紹介するインバウンド動画とは異なり、外国人から見た日本の姿や面白さも感じられます。新たにインバウンド動画を作成したい場合は、このような動画は参考になるでしょう。
明治大学
明治大学がアップしているインバウンド動画です。海外から進学のために訪れる学生を対象にした内容になっています。
動画のメインになっているのは3人の留学生です。学校のキャンパス紹介だけでなく、周辺の観光スポットや日本ならではの光景なども映されています。留学生が進学を不安に感じないように工夫されています。
コラボ動画
日本の様々なスポットを紹介しているインフルエンサーと、東京ベイ潮見プリンスホテルのコラボ動画になります。ホテルの滞在記録の合間に日本の様子も含まれています。
日本の観光を堪能しつつ、外国人の興味深い視点もわかる内容になっているのが特徴です。
インバウンド動画を作成するポイント
インバウンド動画を作成するには、どのようなコツやポイントに気を付けると良いでしょうか。ここでは、作成のポイントについて解説します。
目的やテーマを決める
インバウンド動画を作成する際には、外国人が何を目的に日本に来たいのかを考えてみましょう。日本の美しい景色や環境が目的なのか、日本のアニメや漫画、キャラクターが目的なのかでアピールする部分が異なります。
ここで、目的やテーマがぶれてしまえば、まとまりのないインバウンド動画になってしまいます。目的やテーマを決めることで訴求内容が決まり、動画の方針も見えてくるでしょう。
その地域にしかない内容を含める
インバウンド動画としてアピールするなら、その地域にしかない内容を含めるこが重要です。ここでしか体験できない、味わえないという付加価値によって、視聴者に対して強い興味を持たせられるでしょう。
学校であれば、入学して得られることや学べることに加えて、海外の学校にゆかりがあるなどの歴史的な面も含めることで親近感が得られます。姉妹校や交流などの内容を含めれば、より親密に感じてもらえます。
音にこだわる
インバウンド動画を視聴する場合、必ず音が出せる環境であるとは限りません。特に最近はスマホで視聴するケースが多く、周囲に人がいる場合はミュートにして視聴するケースも増えました。
しかし、映画監督などは70%が音で決まるという発言をする場合もあり、動画もこれと同じだと考えれば音へのこだわりを忘れてはいけません。ミュートであったとしても、アピールしたい部分や内容が入りやすいように音を意識してみましょう。
シーンに合わせたBGMで、動画がスムーズに入るように工夫するのがポイントです。
SNSでの活用も大切
インバウンド動画をアピールするのは、公式サイトなどでは足りません。特に外国の場合はSNSを活用して目につくチャンスを増やすのがポイントです。
CMなどは日本国内限定になってしまうため、積極的なSNSの活用ができるかどうかで大きな差が出ます。インバウンド動画を広めたいなら、YouTube、Facebookをメインにするのが良いでしょう。
動画制作・映像制作ならGJCへ
インバウンド動画は、日本の良さや美しさ、歴史ある文化をアピールするために必要なものです。インバウンド動画によって、日本を訪れたいと考える外国人も増えていくでしょう。
しかし、日本人と外国人では視点が違ったり、求めているテーマが違ったりすればインバウンド動画としての効果を得られません。そこで重要なのが動画の内容や構成です。動画制作・映像制作のプロに依頼することが大きな成功に結び付くことは知られていますが、実績のある会社への依頼で結果が変わってきます。
動画制作・映像制作の実績豊富なGJCでは、導入企業実績も多く、お客様満足度も96%得ています。インバウンド動画の制作経験もあり、費用や内容に合わせた動画制作が実現できます。
インバウンド動画を検討しているもののどのような内容が良いかわからない、どんな視点から制作すればいいのか、など動画制作でお悩みの場合はお気軽にGJCにご相談ください。
まとめ
ここまで、インバウンド動画についてご紹介してきました。日本にインバウンドで訪れる外国人は年々増加傾向にあり、さらに円安が追い打ちをかけていることから、今後より増加傾向になると予想できます。
インバウンド動画は訴求力や拡散力が強く、これに興味を持った人が増えるとよりインバウンド需要が高まるでしょう。しかし、正しい動画制作をしなければ思ったような効果を得にくいです。
インバウンド動画の効果を得たい、インバウンドに期待したいという方は、動画制作や映像制作において実績豊富な会社に依頼するのがおすすめです。GJCでは、効果的なインバウンド動画の制作が可能なので、この機会に問い合わせてみてはいかがでしょうか。