イベントを企画する際、当日の様子をビデオ撮影して動画にして残しておきたいと考える方もいるでしょう。イベントを動画に記録することで、ただ思い出を振り返れるだけでなく、別の用途に用いることもできます。
そこで今回は、イベント動画の撮影方法や上手に撮るためのコツ、撮影した動画の活用方法などをご紹介します。イベントを計画する上で動画の撮影も検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
イベント動画の撮影前の下準備
イベント動画はただ当日に撮影すれば良いというわけではありません。きちんと下準備を進めておくことでクオリティの高いイベント動画を撮影できます。
撮影前に行っておきたい下準備は以下のとおりです。
・企画・スケジュールはしっかり決める
・必要な機材を用意する
・カメラは電源をつないだまま使用する
・カメラマンは複数名配置する
・会場は事前に下見する
企画・スケジュールはしっかり決める
単純にイベント当日の様子をただビデオ撮影するだけだからと、企画やスケジュールなどの準備を疎かにしてしまうと、失敗に陥る可能性があります。そのため、当日はどのように動けばいいのか、事前に何を準備しておけばいいのかなどは決めておくことが大切です。
また、イベントの中でもどのシーンを中心に撮影するかを決めておけば、撮影後の編集作業もスムーズに行えるようになります。質の高いイベント動画を制作したい場合は、きちんと編集後の映像のことも考えて計画していきましょう。
必要な機材を用意する
イベント動画を撮影する際には、必要な機材を前もって準備しておく必要があります。「スマートフォンで撮影すればいいだろう」と考える方もいるかもしれませんが、イベント動画のクオリティを求めるならビデオカメラなどを準備した方が良いです。
また、用意する機材は長時間の撮影やトラブルにも対応できるものを選ぶことが大切です。イベント動画として仕上げた際には5~10分程度と短くなっていても、どこを切り抜くかなどは編集時に決まります。実際の撮影はイベントと同じ時間、数時間程度になるケースも少なくありません。そのため、機材は長時間撮影にも対応できるものを用意しておきましょう。
具体的に準備しておきたい機材は以下のとおりです。
・ビデオカメラ
・静止画用のカメラ
・三脚
・マイクロホン
・編集ソフト
ビデオカメラ
動画を撮影する際はビデオカメラが必須です。スマートフォンでもある程度画質の綺麗な映像は撮影できますが、ビデオカメラと比較するとどうしてもクオリティが落ちてしまいます。
会場の規模がそれほど大きくない場合は、家庭用として用いられているビデオカメラを利用しても問題ありません。ただし、会場の規模が大きい場合はズーム機能を使っても画質が落ちないカメラを選んだ方が良いです。
ビデオカメラの購入を検討している際は、機能性や画質、予算なども考慮した上で選ぶようにしましょう。特に会場の規模が大きく、複数台ビデオカメラの設置を検討している場合は予算オーバーにならないよう注意が必要です。
静止画用のカメラ
ビデオカメラは映像用として用いられますが、イベントの写真を撮影するためのカメラも用意しておくと安心です。写真もたくさん撮影しておくと、イベント動画の中に差し込んだり、インパクトのあるサムネを用意できたりします。
静止画用のカメラでよく使われているのは、一眼レフカメラやミラーレスカメラ、コンパクトデジタルカメラなどです。一眼レフカメラはプロも愛用するカメラで、綺麗な写真を撮影することが可能です。センサーサイズが大きいことで高画質を実現しています。また、選べるレンズの種類も豊富で、撮影シーンに合わせて変えられます。
ミラーレスカメラは一眼レフカメラの内部にあるミラーがなくなったカメラで、内部の構造がシンプルになった分、一眼レフカメラよりも小型かつ軽量です。コンパクトデジタルカメラはカメラ本体とレンズが一体になっており、レンズを交換はできないものの格安で手に入れることが可能です。
予算によっても異なりますが、おすすめは手ブレ補正機能がついたカメラです。手ブレ補正機能があると写真も失敗しにくくなります。
三脚
イベントが長時間に及ぶ場合、ずっとカメラを手持ちで撮影するのは大変です。そこでイベントのビデオ撮影には三脚も活用しましょう。
三脚があればカメラが固定され、ブレる心配もありません。いくらビデオカメラにも手ブレ補正機能が付いていても、撮影に慣れていないとカメラが揺れてしまい、見にくい動画になってしまいます。三脚があれば高さを固定でき、左右の動きだけリアルタイムで調節していけば比較的綺麗で見やすい動画が完成します。
静止画用のカメラにも使えることから、最低でも1つは用意しておくと良いでしょう。ただし、大きいサイズの三脚を購入してしまうと、移動時に大変なので脚が伸縮するタイプの三脚を選んでおくと安心です。
マイクロホン
カメラにもマイクは搭載されているため、音声も一緒に収録されますが、あまり綺麗な音質は期待できません。音割れが発生したり、喋っている声が聞き取りづらかったりすると、映像自体も見にくくなってしまいます。イベント動画でよりクリアな音質を求めるなら、マイクロホンも用意しておきましょう。
イベントのビデオ撮影に適しているのは、ガンマイクです。ガンマイクは離れた場所の音も拾いやすく、指向性が高いガンマイクなら人が多くうるさい場所でも使用できます。
一人ひとりの声を拾いたい場合はピンマイクもおすすめです。例えばセミナーに登壇する際やインタビューを行う際などはガンマイクで広く音を拾うよりも、その人の声を集中的に取った方がどんなことを話しているのかわかりやすくなります。
編集ソフト
イベント当日の撮影が終わったら、見やすい動画にするために編集作業を行います。PCにはデフォルトで動画編集ツールが入っているものですが、より高度な編集を行いたい場合には別途動画編集ソフトを購入・ダウンロードしておきましょう。
編集ソフトは使い勝手の良いものを選ぶのがおすすめです。編集ソフトの使い勝手を確かめたい時は、お試し期間の数日間だけすべての機能が使えるもので試してみてください。
編集ソフトに関しては機能性も重要ですが、あまりに機能を優先しすぎてしまうと操作が難しくなる場合もあります。まずは編集者のレベルに合わせて、使いこなせる編集ソフトを選ぶようにしましょう。
カメラは電源につないだまま使用する
イベントが始まってから終わるまで、すべてのシーンを撮影したい場合は長時間の撮影に対応できる機材を選ぶことも大切です。また、機材の選び方以外にも電源につないだまま撮影すると良いでしょう。
ほとんどのビデオカメラはバッテリーが内蔵されており、充電しておけばしばらくは撮影し続けることができます。しかし、イベントの時間が長いと途中で充電が切れてしまう可能性もあるでしょう。
イベントを余すことなくすべて撮影したかったにも関わらず、カメラの充電が途中で切れてしまうと、その部分だけ撮影ができなかったことになってしまいます。予備のバッテリーを用意しておくのも良いですが、バッテリーを交換している間は撮影できなくなってしまうので外部の電源につないだまま撮影するようにしましょう。
カメラの設置場所からコンセントまで距離がある場合は、事前に長尺のケーブルを用意しておくと安心です。電源につないだままならバッテリーの減りも気にならず、撮影に集中できます。
カメラマンは複数名配置する
質の高いイベント動画にするなら、カメラマンは1人よりも複数名配置した方が良いです。特にイベントの規模が大きいとカメラマン1人では十分な撮影素材が得られず、動画の仕上がりにも影響する恐れがあります。イベントの規模が大きい場合は最低でもカメラマンは3人用意しておくと良いでしょう。
カメラマンを3人用意した場合、1人は会場全体の様子がわかるように、三脚などでカメラを固定させて撮影を行います。この役割は基本的にカメラを動かす必要はないものの、場合によってはカメラを左右に動かします。
カメラマンのもう1人は動きのあるシーンを撮影するために、ハンディカメラを持って撮影に臨みます。色んな視点から撮影された映像は、動画のクオリティも高めてくれるでしょう。ただし、動きすぎてしまうとイベントに参加した人の邪魔になってしまう恐れもあるので注意してください。
もう1人もハンディカメラで動きのあるシーンを撮影するのも良いですが、カメラマンのサポートとして撮影進行を図る役割として用意しておくのもおすすめです。
会場は事前に下見する
時間などに余裕があれば、事前にイベント会場を訪れて下見を行っておくと良いでしょう。下見を行うことでカメラをどこに設置するか、カメラマンの動線はどの位置になるのか、会場に持って行く機材は何が必要なのかを把握できます。
また、すでにどのような動画を撮影するのかが決まっている場合は、構成に合わせてどこからどういったアングルで撮影するのかなどもシミュレーションしておくと安心です。現場で打ち合わせをした方が、当日の動きも明確になります。
会場によって音声の響き方も異なってくるため、音声の確認も行っておくと失敗も回避しやすくなります。
イベント動画の撮影方法とコツ
イベント動画を撮影する際は、以下の方法やコツを押さえておくと成功しやすくなります。
・撮影の目的を明確にしておく
・ターゲットに見せる動画であることを意識して撮影する
・カメラは「オート機能」に設定しておく
・本番前にテスト撮影を行っておく
・質の高い動画を求めるならプロに依頼するのもおすすめ
撮影の目的を明確にしておく
イベント動画の撮影に限らず、動画を撮影する際は「なぜ撮影するか」という目的を明確にしておくことが大切です。目的が決まっていないと動画のテーマやコンセプトがわからず、カメラマンもどこを撮影した方が良いのかわかりづらくなってしまいます。
動画撮影の目的としてよく用いられているのは、以下の4種類です。
・ブランディング
・認知拡大
・集客や販売促進
・社員のエンゲージメント向上
どのようなイベントであるかも動画撮影の目的に影響してきますが、例えば新商品のお披露目イベントならブランディングや集客・販売促進を目的に、自社の商品やサービスがよく見えるように撮影することが優先されます。また、社内のみで開催されるイベントなら社員のエンゲージメント向上につながり、採用活動などにも活用できるでしょう。
このように、撮影の目的を明確にすることでイベントでは特に何を重視して撮影すれば良いかが認識しやすくなります。
ターゲットに見せる動画であることを意識して撮影する
イベント動画は会場へ足を運んだ方だけが見るものではありません。実際に行きたくても行けなかった人はもちろん、動画の目的に合わせて視聴者も変化します。動画を撮影する場合、この動画を視聴する人がいることを意識することも大切です。
そのためには動画の目的を明確にしておく必要があります。目的が決まったら動画を見てもらいたいターゲットを決め、その人に寄り添った動画を制作していきます。
例えばイベントの撮影動画を通して企業のブランディングを図り、採用活動に役立てたい場合は、動画から企業の一体感などが演出できるようにすると、企業の魅力も引き立ちます。この一体感やイベント会場の雰囲気を伝えるためには、撮影の段階から一体感や雰囲気が伝わるようなアングルを意識することが大切です。
カメラのモードは「オート」に設定しておく
撮影に使うビデオカメラは種類によって様々な機能が搭載されている場合もあります。特にモード設定はその時の状況に合わせて切り替えることで、どのような状況でも見やすい映像が撮影できます。
ビデオカメラの種類によっても異なりますが、例えば標準・人物・夜景・風景・モノクロなどがあります。ただし、撮影しながら状況に応じてこれらのモードを切り替えるのは、操作に慣れていないと難しいでしょう。ビデオカメラは事前にオートに設定しておくと、自動的に撮影モードを切り替わり最適化してくれるので、余計な操作をせずに済みます。
本番前にテスト撮影を行っておく
イベント当日にいきなり撮影に臨むと、カメラの扱いがうまくいかず撮影に失敗する恐れがあります。このようなトラブルを未然に防ぐためにも、本番前のテスト撮影は重要です。
リハーサルの時点で会場に撮影で必要な機材を設営しておきます。この時、カメラの位置だけでなく機材の状態や配線なども確認しましょう。カメラも一度実際に撮影してみて、映像に不具合が発生していないかチェックしてみてください。
また、会場の中を動き回って撮影する場合、あらかじめ本番と同じように動いておくと、イベント本番でスムーズな撮影ができるようになります。
質の高い動画を求めるならプロに依頼するのもおすすめ
イベントの撮影や動画のクオリティを高めるには、プロの動画制作・映像制作会社に依頼するのもおすすめです。実際、自社だけで撮影から編集まで行おうとすると、かなりの手間がかかってしまいます。一から撮影機材を用意する必要がありますし、動画のシナリオや構成を意識した上でイベント本番の撮影に臨む必要があることから、ノウハウがない状態だとクオリティも下がってしまう可能性があります。
プロの場合、機材もプロ仕様となっていますし、撮影の技術も持っています。撮影技術はすぐに身に付けられるものではありません。こうした理由から、動画制作・映像制作会社への依頼も検討してみると良いでしょう。
撮影したイベント動画の活用方法と事例
撮影したイベント動画は、色んな場面で活用できます。ここで、イベント動画の活用方法と事例をご紹介しましょう。
①振り返りの動画
過去に同じようなイベントが行われていた場合、撮影しておけば振り返りの動画を作れます。当時の様子やどのような流れで行われていたのかなどもわかります。振り返り動画を次回の会場で流せば、過去にどういった盛り上がりがあったのかを参加している人にも理解してもらえるでしょう。
上記は株式会社システムインテグレータが2019年度のPRムービーとして制作したものです。社内イベントの様子が動画や静止画によって紹介されています。社員にとっても思い出を振り返れる動画になっています。
②メッセージ動画
イベントを主催する企業や代表者からのメッセージ動画も、イベントに参加してくれた人に対して感謝を述べるメッセージを流せば、イベント自体の期待度も高まるでしょう。また、イベント前にメッセージ動画を流すことでも期待値を膨らませることができます。イベント前にメッセージ動画を流す場合、事前に撮影・編集を行い、イベント当日が近くなったタイミングで流すと良いでしょう。
こちらはチームビルディング選手権大会が開催される前に公開された、主催者のメッセージ動画です。インタビュー形式の動画となっており、チームビルディングの重要性やどのような大会なのかを説明しています。
③オープニングムービー
オープニングムービーは、イベントの最初に流す動画になります。参加者の高まる期待感の中で流すため、盛り上がる映像を用意すると良いでしょう。また、オープニングムービーにはイベントのテーマだけでなく、企業のスローガンやロゴなども用いることでブランディング効果も期待できます。
上記のオープニングムービーはBIT VALLEY 2019のイベントで流れた動画です。最初にカウントダウンが入り、イベントの始まりと期待感を高めてくれています。その後イベントのテーマとなる「テクノロジーとクリエイティビティが交差する世界」を象徴するような映像を流し、イベントがどのようなものになるかイメージできるようになっています。
④アタックムービー
アタックムービーは、イベントの途中や表彰式などで流される動画です。イベントが進んでいく中で展開を変えるために使用されることが多く、参加者から注目を集めたい時に使用します。1日中行われるイベントだと途中で中だるみの時間が生まれてしまうこともありますが、アタックムービーを挟むことによって中だるみを回避してくれます。
なお、アタックムービーはオープニングで使用されることもあります。基本的に場面展開を目的としているため、30秒~1分程度の短い動画にまとまっています。
上記のアタックムービーはガゼル株式会社の社員総会で流れた映像です。オープニングに用いられており、現場で働く社員が次々と登場しており、働く上での喜びが伝わる映像に仕上がっています。
⑤ティザー動画
ティザー動画とは、イベントが開催される前に情報の一部だけを解禁し、イベント自体の注目度を高めるために制作される動画です。映画の宣伝にも用いられ、多くの方に興味を持ってもらえるような映像に仕上げていきます。ティザー動画の仕上がりによってはイベントの参加者を増やせるので、制作する際はクオリティを重視した方が良いでしょう。
上記はヘアカラーブランド・WELLAが初めてオンラインイベントを開催する前に公開されたティザー動画です。インタビューからオンラインイベントに関する情報を次々に公開していきます。映像だけでは詳しい情報まではわからないものの、概要欄で詳しい情報が掲載されているため、動画はあくまでも関心を引くためのものであることがわかります。
動画制作・映像制作ならGJCへお任せください
イベント前やイベント当日に流す動画は、事前に制作しておく必要があります。しかし、自社に動画制作のノウハウがない場合、クオリティの高い動画に仕上げるのは難しいかも知れません。特にイベント前や当日に流す動画は参加者の期待値を高めたり、ブランディングの効果が期待できたりすることから、クオリティの高さは重要と言えます。
もしオープニングやアタックムービー、ティザー動画などを制作したい場合は、動画制作・映像制作のプロ「GJC」にお任せください。GJCは独自の制作体制と効率的なオペレーションにより、業界相場の半額というコスパを実現しています。ご希望の予算に合わせて動画を制作いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
今回は、イベントにおけるビデオ撮影のコツや、イベント動画の活用方法をご紹介してきました。イベントの動画を撮影する際は、しっかりと準備を行った上で本番に挑むことが大切です。イベント自体は1回限りになるため、リハーサルなどで撮影の流れやシミュレーションなどを行うようにしましょう。
撮影した映像は次のイベントなどでも活用できます。せっかく次のイベントに映像を活用するなら、プロに動画制作を依頼してみましょう。GJCなら無料相談はもちろん、無料でお見積もりまでご提案することが可能です。イベント動画を効果的に活用したい方は、ぜひGJCへお問い合わせください。