自治体プロモーション動画の事例15選!メリット・デメリット、制作のコツも紹介 | 動画制作・映像制作会社のグローバル・ジャパン・コーポレーション

自治体プロモーション動画の事例15選!メリット・デメリット、制作のコツも紹介

各地域にはそれぞれ特色や魅力があり、うまくアピールすることによってインバウンドの集客効果や地域の認知度向上も期待できます。アピールする方法にも様々なものがありますが、中でも近年注目されているのが「動画」です。

今回は、自治体のプロモーション動画について、実際の活用事例と共にメリット・デメリットや制作のコツをご紹介します。動画を活用して自治体のプロモーションを成功させたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

自治体プロモーション動画とは

 

そもそも自治体のプロモーション動画とは、具体的にどのようなものを指すのでしょうか?近年制作されている自治体のプロモーション動画は、特定の地域について知らない人や知っているものの魅力まで伝わっていない人に対して、特色や魅力を発信するための動画です。プロモーション動画を制作する目的は自治体によって異なりますが、特に認知度の向上や観光客の誘致、産業の活性化などを目的としているケースが多いです。

プロモーション動画に関しては、以下の記事もぜひ参考にしてください。

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自治体プロモーション動画の事例

 

現在、多くの自治体がプロモーション動画を制作し、地域の魅力を発信しています。中にはSNSなどで大きな話題となったケースもあります。ここでは、自治体が実際に手掛けたプロモーション動画の事例についてご紹介しましょう。

東北6県合同

東北6県合同で制作されたPR動画は、「東北の秋」をテーマに雄大な自然と伝統工芸品の魅力を伝える動画になっています。撮影には最先端の6Kシネマカメラや4Kドローンが採用されており、東北の美しい自然を高画質で表現されています。

「秋」をテーマにした動画というと、物静かで落ち着いた印象を持つ傾向にありますが、こちらの動画は日本らしい原風景を映し出しながら、壮大で力強い雰囲気も感じられる動画に仕上がっているのが特徴です。最先端の撮影機器を使用することで、まるでその場にいるような感覚に浸れるのもポイントとなっています。特に川や海の水面に映る光と周りの風景まで動画に表現できるのは、高解像度だからこその質感です。

こちらの動画は既に2,700万回以上も再生されています。国内はもちろんですが、世界中から「日本の美しい風景」として取り上げられ、大きな注目を集めました。この動画をきっかけに、東北地方を訪れたいと感じた方も多いでしょう。

自治体青森県、秋田県、岩手県、山形県、宮城県、福島県
再生回数(2024年11月時点)約2,794万回
動画の特徴ドローン撮影
注目を集めた理由東北の美しい風景を最先端の6Kシネマカメラや4Kドローンを使用して撮影

長野県小諸市

長野県小諸市は、長野県東部に位置する都市です。浅間山や高峰高原、小諸城址・懐古園などがあることで知られ、自然と歴史の残る街並みが広がっています。

そんな小諸市のプロモーション動画は、脚本から撮影、編集、キャストに至るまで、すべて小諸市役所の職員によって制作されました。市長も積極的に動画内に参加しているのも特徴です。職員によって制作されたことから、その制作費はわずか9,500円にまで抑えられています。

プロモーション動画では市のマスコットキャラクターでもある「こもろん」が主役となって展開していきます。浅間山の火口付近から悪の集団が飛び出し、近くで中継していたアナウンサーがさらわれてしまいました。

悪の集団によって小諸市内が荒らされていく中、悪の集団に立ち向かっていったのは、小諸市で地産地消を推進するゆるキャラの「こもろん」だったのです。こもろんは悪の集団に対して小諸市の特産品をプレゼントすると良心が戻っていくというストーリーになっています。ラストには衝撃の事実が発覚するため、最後まで見逃せない動画です。

コストを抑えつつ、ストーリー性によってSNSで大きな話題を集めることに成功しています。小諸市ではこの動画をPR動画の第一弾として公開しており、その後も公式チャンネルで様々な動画を発信し続けています。

自治体長野県小諸市
再生回数(2024年11月時点)約6.7万回
動画の特徴キャストや撮影、編集などはすべて職員によって制作されており、制作費は9,500円に収まっている
注目を集めた理由市のゆるキャラ「こもろん」を活用し、ストーリー性のあるプロモーション動画に仕上がったことと、ラストのオチにSNSで注目が集まった

栃木県日光市

栃木県日光市のプロモーション動画は、観光客の誘致を図る目的で制作されました。コンセプトとなっている「Re:」には“生まれ変わる”という意味のRebornや“刷新”を意味するRenovation、“資源”という意味のResourceなどが込められています。この動画によって観光地として有名な日光市はもちろん、四季の姿を通じて新鮮な日光の姿を紹介しているのです。

動画の中で紹介されている観光スポットと文化体験は、春・夏・秋・冬の指揮に分かれて紹介されています。その数は約40にも上っています。

ナレーションなどはなく、ドローンなどを使って撮影された映像とBGMによって動画は構成されていますが、ただそれだけでなく例えば逆再生や早送りなど随所に編集テクニックが垣間見れます。この編集によって視聴者は飽きずに約5分間の映像を楽しめるようになっています。

自治体栃木県日光市
再生回数(2024年11月時点)約16万回
動画の特徴約5分間の動画の中に約40の観光スポットや文化体験を四季に分けて紹介している
注目を集めた理由ドローンを駆使した映像とBGMのみで構成し、日光の美しい自然と文化を伝えることで注目を集めた

新潟県新潟市

新潟県の県庁所在地でもある新潟市は、新潟市の魅力を伝えるために「にいがた☆JIMAN!」という楽曲を制作し、プロモーション動画に取り入れています。この曲を歌っているのは、新潟県出身のご当地アイドルとして知られる「Negicco」です。Negiccoの3人が歌ってダンスを披露しているのですが、その後ろには新潟市民も参加しており、一緒になってダンスを楽しんでいる様子が見られます。

ご当地アイドルと市民が一緒になり、市内の様々な観光地や特産品をアピールすることで、新潟市の魅力を紹介していますが、さらに注目すべきなのは動画の後半から登場する新潟市出身の歌手・小林幸子さんです。

小林幸子さんがド派手な衣装に身を包み、ビルの横からひょっこりと姿を現したことでSNSなどでも話題を集めました。動画に大物歌手を登場させたことで、ただ魅力を伝えるだけでなく、きちんとインパクトに残るような動画に仕上がっています。

自治体新潟県新潟市
再生回数(2024年11月時点)約24万回
動画の特徴新潟市のPRソング「にいがた☆JIMAN!」に合わせ、ご当地アイドルや市民がダンスをする姿も楽しめつつ、新潟市の魅力も発信している
注目を集めた理由動画の後半から新潟市出身の有名歌手が登場し、その姿にSNS上で話題を集めた

埼玉県久喜市

埼玉県の北東部に位置し、茨城県とも隣接している久喜市では、一度聞くと耳から離れない特徴的なメロディーと誰でも楽しめる振り付けによって、総勢3,000人以上の市民が踊るプロモーション動画が制作されました。この楽曲はゴダイゴのメインボーカルとして知られるタケカワユキヒデ氏によって制作されており、ポップな印象が魅力の楽曲です。

誰でも参加しやすいようにつくられた振り付けは「1000人クッキーダンス」として紹介されており、この動画でも市内の様々な団体がダンスに参加しています。また、YouTubeなどに踊ってみた動画を投稿し、人気を集めている「まなこ」さんが動画に出演していることも、話題性につながったと考えられます。久喜市が投稿したプロモーション動画をきっかけに、他の人も踊ってみた動画を撮影し、投稿していることも再生数の多さにつながったと言えるでしょう。

さらに、この動画が投稿されてから音源の一般配信や踊ってみた動画のコンテストが開催されるなど、継続的なPRも行われています。

自治体埼玉県久喜市
再生回数(2024年11月時点)約69万回
動画の特徴単に久喜市の魅力を発信するだけでなく、その後のイベントや踊ってみた動画のコンテスト開催などにも活用され、継続的なPRにつながっている
注目を集めた理由有名YouTuberを起用していることや、楽曲が有名歌手によって制作されていることから、大きな話題を集めた

宮城県栗原市

栗原市は宮城県北西部に位置する都市で、栗駒山や渡り鳥の聖地として知られる伊豆沼・内沼があることでも知られています。そんな栗原市を地元として県内で活動するバンド「パンダライオン」が、DA PUMPの楽曲「U.S.A.」の替え歌として、「I.N.K.~カモンベイベー栗原~」という動画を投稿しました。

栗原市ののどかな田園風景が流れつつ、田舎ならではのあるあるを歌詞と映像で表現し、思わず笑ってしまうPVに仕上がっています。また、自然豊かな映像とユーロビートの組み合わせに多くのユーザーが引き込まれ、中毒性のある動画としてSNSで話題を集めました。

こちらの動画は栗原市によって企画・制作されたものではないものの、地方自治体ならではの魅力を伝えられる動画です。特に若者へのアプローチにつながったと言えます。

自治体宮城県栗原市
再生回数(2024年11月時点)約369万回
動画の特徴有名楽曲の替え歌として、栗原市の田舎あるあるを紹介している
注目を集めた理由のどかな風景と都会的なユーロビートの組み合わせに多くのユーザーが引き込まれた

千葉県印西市

千葉県印西市は県北西部に位置する商業中心都市です。印西市と周辺2市に広がっている「千葉ニュータウン」があり、都心のベッドタウンとしての役割も持っています。そんな印西市で「移住者の増加」を目的に、プロモーション動画が制作されました。

この動画では印西市の「印」とインド(印度)の「印」をかけて、インドのボリウッド映画をモチーフに制作されています。インド人の主人公はインドだと思って来てみたら印西市だったというストーリーで進んでいきます。インド特有の音楽に合わせてノリノリでダンスする姿はインパクトも抜群です。途中で印西市市長も踊りながら登場し、ラストには印西市民120名が集まってインドダンスを披露するシーンもあります。

つい音楽とダンスに目が行きがちですが、きちんと印西市の魅力として「電車で成田空港と都内が乗り換えなし」「住みよさランキング7年連続No.1」などがアピールされており、目的に沿った動画になっていることがわかります。

自治体千葉県印西市
再生回数約22万回
動画の特徴インパクトのある世界観でありながら、きちんと動画の目的である「移住者の増加」に合わせて印西市の魅力をアピールしている
注目を集めた理由ボリウッド映画を彷彿とさせるBGMやダンス、ストーリー性と自治体のプロモーション動画を掛け合わせていることで話題を呼んだ

愛知県豊田市

愛知県豊田市は、日本最大の工業地域・中京工業地帯の中核を担う都市です。世界トップクラスの自動車メーカー・トヨタ自動車の企業城下町としても知られており、「車の町」というイメージを持つ人も少なくありません。

しかし、豊田市はサッカーが盛んで名古屋グランパスエイトのホームタウンであったり、香嵐渓や稲武温泉・笹戸温泉などの景勝地・保養地などもあったりするなど、車の町以外の側面も持っています。こうした側面をよりアピールしていくために、「こんな豊田市、知らなかった。」というタイトルでプロモーション動画が制作されました。

動画の中で自動車産業の歴史に加え、豊田市の観光スポットや文化、食などの魅力を伝えています。ドローンを駆使して町全体の風景を見せることで、自然や歴史もある都市なのだと視聴者に伝えているのも特徴です。また、動画は約6か国語のナレーションに対応しており、日本人だけでなく海外のユーザーにもアピールできるようになっています。

自治体愛知県豊田市
再生回数(2024年11月時点)約32万回
動画の特徴従来のイメージとは違う魅力を伝えるために、ドローンなどを駆使して多様な豊田市の魅力について触れている
注目を集めた理由ナレーションを6か国語に対応させることで、海外の人からも注目を集めた

岐阜県関市

関市は岐阜県の中濃地域に位置する都市で、日本のほぼ真ん中にあることでも知られています。そんな関市はドイツのゾーリンゲン・イギリスのシェフィールドと並び、世界三大刃物産地と知られるほど、刃物の町として有名です。そんな関市が「もしもこの世に刃物がなかったら」というタイトルのプロモーション動画を制作しました。

動画の冒頭から母親がにんじんを手刀で切ろうとするシーンや、父親がひげを処理するために顔にガムテープを貼って一気に抜くシーンなど、刃物なしで生活している姿が取り上げられています。シュールなストーリーと世界観によって面白さはもちろん、「刃物は生活になくてはならない」と思わせてくれます。

また、動画の中盤でアイドルが握手会を開催しているシーンが流れるのですが、ここで登場しているのは実際にアイドルとして活躍する「仮面女子」の窪田美沙さんです。アイドルを起用したことで話題性を集めつつ、動画のリアリティも高めています。

自治体岐阜県関市
再生回数(2024年11月時点)約10万回
動画の特徴「もしもこの世に刃物がなかったら」をテーマに、刃物のない世界を描き、最後に関市のアピールポイントである「日本一の刃物の町」を紹介している
注目を集めた理由刃物がない世界を表現したシュールなストーリーと、現役のアイドルを採用したことで話題を集めた

京都府宇治市

京都府南部に位置する宇治市は、10世紀に建築された仏教寺院・平等院や、日本最古の神社として知られる宇治上神社などがあることで知られる歴史の町です。そんな、宇治市ではプロモーション動画を制作するにあたって、宇治市をテーマにした観光アクションゲーム「宇治市~宇治茶と源氏物語のまち~」を開発し、YouTubeなどで活躍する人気のゲーム実況者・愛の戦士さんととりっぴぃさんに実況プレイをしてもらいました。

ゲーム実況は動画の中でも若者を中心に人気の高いジャンルということもあり、若者へのアピールにもつながっています。また、ゲーム自体が面白い仕上がりになっており、単純に宇治市の魅力をアピールするだけでなく、インパクトのある動画になっています。動画の再生時間は約20分と他のプロモーション動画に比べてかなり長いものの、それでも飽きずに視聴できる構成になっていることもポイントです。

なお、動画で登場したゲームは実際にリリースされており、スマホやPCから無料で遊べるようになっています。気になる方はぜひプレイしてみてください。

自治体京都府宇治市
再生回数(2024年11月時点)約17万回
動画の特徴宇治市の観光スポットや特産品をテーマにしたアクションゲームの実況プレイ動画に仕上がっており、20分の長尺でも多くの人に視聴されている
注目を集めた理由YouTubeなどで活躍しているゲーム実況者が実況を担当している
 

和歌山県紀美野町

紀美野町は、和歌山県北部に位置する町です。地方の都市は都会と比較すると「ない」ものが多くみられ、利便性が悪いというイメージを持たれてしまうこともあります。しかし、逆転の発想によって「ない」ことをアピールにつなげたのが、紀美野町のプロモーション動画です。

動画の中で冒頭から田舎のモノクロ映像を流しつつ、テロップで「電車はない、スーパーもない、ネイルサロンもない 何もない和歌山県紀美野町」と紹介しています。しかし、その次のシーンからは「ファミレスがない」とテロップで記載しつつ地元で有名なベーカリーやジェラート店が紹介され、「ゲーセンもない」を紹介しながら子どもたちが遊べる自然公園などを紹介しています。

さらに、生石高原のシーンでは「遮るものがない」、天文台から見える星空は「美しすぎて眠れない」など、デメリットからメリットにつながる様々な「ない」が紹介されているのです。元々観光PRムービーとして制作された動画ですが、移住を検討している方からも注目を集めています。

自治体和歌山県紀美野町
再生回数(2024年11月時点)約7.4万回
動画の特徴逆転の発想によって、何もないことで生まれる魅力をアピールしている
注目を集めた理由「何もない」という言葉のインパクトに加え、町の美しい自然や子どもが楽しそうに遊びまわる姿などが映し出され、観光だけでなく移住を希望する人からも注目を集めた

愛媛県松山市

愛媛県の県庁所在地として知られる松山市は、アニメーションを活用したプロモーション動画を制作しています。約9分間の短編アニメとして制作され、松山市を舞台に3人の子どもたちが冒険するストーリーとなっています。観光名所やご当地料理などをアピールしつつ、アニメとしても純粋に楽しめる動画に仕上がっているのが特徴です。

この作品は「つみきのいえ」で第81回アカデミー賞短編アニメ賞を受賞したROBOTというチームが制作しています。声優陣には本職の声優に加え、松山市出身の友近さんや白濱亜嵐さん、そして愛媛県出身の水樹奈々さんという豪華キャストを迎えているのも魅力の1つです。

プロモーション動画は見応えのあるストーリーなどが話題を集め、第17回アジア太平洋広告祭(アドフェスト2014)プロモロータス ファイナリストやShort Short Film Festival & Asia第3回観光映像大賞特別賞、2014年全国広報コンクール広報企画部門入選など、国内外で数々の賞を受賞しました。

自治体愛媛県松山市
再生回数(2024年11月時点)約17万回
動画の特徴地元の魅力をアピールしつつ、見応えのあるストーリーが特徴で、国内外において様々な賞を受賞している
注目を集めた理由声優陣に松山出身のタレントや愛媛県出身の声優を迎え、豪華なキャスト陣を揃えており、またアカデミー賞を受賞した実績を持つ制作プロダクションがアニメーション制作を担当している

福岡県北九州市・山口県下関市

福岡県北九州市と山口県下関市が共同で制作したプロモーション動画です。関門海峡をPRするために制作されていますが、あまりのクオリティの高さに国内だけでなく海外にも広がり、約2億回以上の再生数を誇っています。

動画では、関門海峡に突然巨大な怪獣が現れ、町中がパニックになる様子が映し出されています。多くの人が逃げ惑う姿や子どもが泣いてしまう姿はリアリティがあり、本物の怪獣映画を見ているような感覚に浸れます。しかし、怪獣は関門海峡の潮流(最速9.4ノット)に足を取られ、そのまま転倒し流されてしまいます。関門海峡の特徴を取り入れつつユーモアに紹介する面白さも加わり、インパクトのある動画になりました。

制作を手掛けたのは「シン・ゴジラ」などのVFXを手掛けた映像チームであり、そのクオリティはお墨付きです。

自治体福岡県北九州市、山口県下関市
再生回数(2024年11月時点)約2億回
動画の特徴リアリティのある演出とストーリー性でありながら、コミカルな怪獣の面白さも特徴
注目を集めた理由映画のVFXを手掛けた映像チームが制作に携わっており、自治体のプロモーション動画とは思えないクオリティで国内外を問わず話題を集めた

佐賀県佐賀市

佐賀県の県庁所在地にあたる佐賀市は、これまでゆるキャラやご当地ヒーローを活用してプロモーションを手掛けてきました。しかし、飽和状態になりつつある状況を変えようと、佐賀市の有明海にしか生息していない魚「ワラスボ」を使ってプロモーション動画を制作しました。

ワラスボはハゼの仲間であり、佐賀県内ではよく食べられている魚です。しかし、うなぎのような見た目でギザギザの歯を持っていることから、まるでエイリアンのようにも見える生物です。そんな不気味でインパクトのある見た目が特徴のワラスボをテーマに、SFホラー映画のトレーラー映像のような編集で動画が構成されています。

あくまでワラスボをテーマにした動画となっているため、佐賀市を強くアピールする内容にはなっていません。しかし、それでも動画のクオリティの高さから大きな注目が集まり、40万回以上も再生されています。その結果、ワラスボの知名度が向上しただけでなく、佐賀市のプロモーションにもつながりました。

自治体佐賀県佐賀市
再生回数(2024年11月時点)約41万回
動画の特徴ワラスボという有明海にしかいない魚を主役に据え、SFホラー映画のトレーラー映像のような構成が特徴
注目を集めた理由従来の自治体のプロモーション動画では見られなかったSFホラー仕立てになっていることと、動画としての完成度の高さにSNSなどで大きな注目を集めた

宮崎県小林市

小林市は宮崎県の南西部に位置する都市です。小林市では市への移住を促す目的として、「ンダモシタン小林」というタイトルのプロモーション動画が制作されました。

動画内ではフランス人男性が小林市の魅力を紹介しており、豊かな自然や食、人と触れ合う様子が映し出されています。ここまでは他のプロモーション動画とあまり変わりませんが、動画の最後にここまでフランス語に聞こえていたナレーションが、実は小林市の方言「西諸弁」で紹介されていたことが発覚します。地域の特色をきちんと紹介しつつも、多くの視聴者にインパクトを与えた成功事例とも言えるプロモーション動画です。

また、動画の最後にはYouTubeの字幕機能をオンにすることで、西諸弁のテロップが表示されるようになります。本当に日本語で喋っていたのかを確認するために、もう一度再生したくなるような工夫もなされている点も、このプロモーション動画の大きな特徴と言えるでしょう。

自治体宮崎県小林市
再生回数(2024年11月時点)約333万回
動画の特徴小林市の豊かな自然や食、人の温かさを紹介しつつ、実はフランス語ではなく方言を話していたことが後からわかる動画になっている
注目を集めた理由フランス人男性が話していた言葉がフランス語ではなく、小林市の方言「西諸弁」が使われていることで、視聴者に大きなインパクトを与え、テレビでも取り上げられた

自治体プロモーション動画のメリット

 

自治体プロモーション動画を制作することで、様々なメリットを得られます。ここでは、主なメリットを3つご紹介していきましょう。

地域の魅力を多くの人に発信できる

自治体プロモーション動画を制作することによる大きなメリットとして、地域の魅力をより多くの人に伝えられるという点が挙げられます。これまで地域の魅力を発信するために、ホームページやパンフレット制作などに取り組んできた自治体も多いでしょう。しかし、ホームページやパンフレットは元々その地域に対して興味を持っている人に対してアピールできるものの、そもそもその地域があること自体知らない人にはあまり見てもらえないという課題があります。

しかし、動画の構成やストーリーなどを工夫すれば、特にその地域に対して興味がない人でも動画を視聴する機会が増え、そのまま興味を持ってもらえるようになる可能性が高いです。特に動画をよく視聴する若年層に向けて地域の認知拡大ができる点は大きなメリットと言えます。地域の魅力を発信しつつ、ブランディングにもつながるため、自治体のプロモーション動画制作はおすすめです。

海外にも地域の情報を伝えられる

自治体の魅力が詰まった動画を投稿することで、観光客の増加も期待できますが、これは国内だけに留まらず、海外観光客へのアピールにもつながります。海外に発信する場合は英語などで翻訳する必要もありますが、翻訳がなかったとしても美しい映像に仕上げることで言語の壁を越えて地域の魅力を発信することも可能です。

特に近年は訪日外国人の数が非常に増えており、インバウンド効果も期待できます。日本政府観光客(JNTO)による調査では、2024年9月の訪日外国人数は約287

2,200人を達成しており、1~9月までの累計ですでに2023年累計の約2,500万人を上回っていることがわかっています。今後も多くの外国人が日本に訪れる可能性が高く、またリピートで訪れた外国人観光客は地方に訪れる可能性も高まるため、地域の情報を発信できる動画を使ってアピールするのがおすすめです。

移住者の増加も期待できる

自治体のプロモーション動画というと、観光客向けというイメージがありますが、実際には観光客だけでなく移住希望者に対するアピールにもつながります。移住者に向けて地域の魅力を発信する場合は、観光客向けとは異なり目的を押さえた動画づくりが必要です。

例えば子育て世帯の移住を促すなら、子育て世帯にとって魅力的なポイント(遊べる場所が多い、子育てのサポートが充実しているなど)を紹介します。また、若年層に対しても自然が多く、アウトドア系のレジャーを楽しめる点や都会にアクセスしやすい、仕事がしやすい点などもアピールポイントにつながるでしょう。

動画ならSNSと組み合わせてより広く魅力を拡散できるため、移住者の増加も期待できます。子育て世帯や若年層の移住者を増やし、地域活性化につなげたい場合にもぜひプロモーション動画を活用してみましょう。

自治体プロモーション動画のデメリット

 

自治体のプロモーション動画には様々なメリットがありますが、その一方でデメリットになる部分もあります。どのようなデメリットがあるのか、事前に把握しておきましょう。

動画を制作するのに多額のコストがかかる場合もある

自治体ごとにプロモーション動画を制作するための予算は事前に決められているものです。そのため、いくらプロモーション動画にこだわりたくても、できることが限られてしまうケースも少なくありません。

また、逆に予算がある程度潤沢に確保できた場合、かなりコストをかけたにも関わらず、想定よりも動画を視聴してもらえず費用対効果が低くなってしまう恐れもあるでしょう。動画を制作する場合には、予算オーバーや費用対効果が低くなるなどのリスクもあるため、注意が必要です。

プロモーション動画の予算を決める際には、あらかじめ相場がどれくらいになるのか確認しておく必要があります。ただし、動画制作の費用相場は、どんな動画を作りたいのか、どこに依頼するのかなどによっても大きく異なるので注意が必要です。

炎上につながる恐れがある

動画を個性的なものにしようとした結果、社会的な常識・モラルから逸脱してしまうと炎上につながってしまう恐れがあります。SNSは拡散性が高く、より多くの人に地域の魅力を発信できるというメリットがある反面、一度炎上してしまうとその情報まで広く拡散されてしまうことから、デメリットの方が大きくなってしまいます。

また、炎上したことをきっかけにブランディングが難しくなってしまう点にも注意が必要です。かえって「あんな動画を出した地域には行きたくない」とネガティブな感情を抱かれてしまう可能性もあります。移住者はもちろん、観光客からも嫌煙されてしまうかもしれません。炎上してしまった場合は早急に動画を削除して、謝罪する必要がありますが、それでもしばらくはネガティブなイメージが付いて回るでしょう。

動画制作においてインパクトを出すことは重要な要素となりますが、度が過ぎてしまうと悪い意味でインパクトを与えてしまうことになります。ネガティブなイメージを持たれず、地域の魅力を発信していくためにも、内容には十分に注意してください。

効果的な自治体プロモーション動画を制作するコツ

 

効果的な自治体のプロモーション動画を制作するためには、以下のコツを押さえることが大切です。

・動画の目的とターゲットを明確にする

・地域の自己分析を行う

・思わず拡散したくなるような話題性を持たせる

・地域の魅力をハッキリと伝える

・SNSを活用する

各ポイントについて詳しくご紹介していきましょう。

動画の目的とターゲットを明確にする

まず動画を制作する前に重要となってくるのは、動画の目的とターゲットを明確にすることです。「地域の魅力を発信して多くの観光客が訪れる町にしたい」「移住希望者を増やして地域を活性化させたい」など、目的は各自治体によって異なるでしょう。この目的を明確にすることで、どのような動画を制作すべきか、どういった構成にした方が良いかなどが決まってきます。

また、ターゲットを明確にすることも大切です。ターゲットを決める際にはより具体的なペルソナを設定するとメッセージも伝わりやすくなります。ペルソナを決める際の項目は以下のとおりです。

・氏名

・年齢

・性別

・居住地

・家族構成、人間関係

・職種や役職

・年収

・趣味や興味のあること

・好きな場所、店など

・価値観

・情報収集方法 など

多くの人に共感を得たいからと言ってペルソナをあえて設定しないという方もいますが、多くの人から共感を得るコンテンツを制作するのは非常に難しく、メッセージ性が弱まってしまい印象に残りづらい動画に仕上がる可能性が高いです。そのため、ペルソナを設定し、具体的な人物像を設定しておくようにしましょう。

地域の自己分析を行う

地域の魅力を発信する上で、制作する側がきちんと地域の魅力を理解していないと意味がありません。特に主要な観光地などが多い都市部であれば、魅力紹介につながる動画を制作しやすいですが、そうでない地方自治体もあるでしょう。そんな時に行っておきたいのが、地域の自己分析です。自己分析を行うことで様々な魅力を改めて発見することもできます。

また、この自己分析によるデータを活用して、ターゲットが抱くイメージとどのようなギャップがあるかも調べておきましょう。例えば、地域では昔から知られているご当地料理が、他の地域からすると全く知られていなかったというケースなどもあります。このような場合、自己分析による結果とターゲットが抱くイメージのギャップを取り入れて動画を制作することで、「そうなんだ」「知らなかった」と感じてもらうことができ、地域に対する興味にもつながりやすいです。

意外な魅力が発見できる可能性もあるので、プロモーション動画を制作する前に地域の自己分析を行ってみましょう。

思わず拡散したくなるような話題性を持たせる

プロモーション動画を制作するにあたって、思わず拡散したくなるような話題性を持たせることも重要です。話題性のある動画を制作できれば、動画は広く拡散され、より多くの視聴者に地域の魅力を発信できます。

話題性を持たせるコツとしては、視聴したユーザーが他の人にもおすすめしたくなる要素を取り入れるのがおすすめです。例えば観光客にとって有益な情報を盛り込むと、視聴したユーザーの記憶にも定着しやすくなります。

ただし、思わず拡散したくなるような動画にするためには、クオリティにこだわることも重要なポイントになってきます。例えばせっかく美しい自然を発信したくても、画質が悪ければ十分に良さは伝わりません。思わず拡散したくなるような動画を作るためにも、クオリティも重視するようにしましょう。

地域の魅力をハッキリと伝える

地域の魅力をハッキリと伝えることも、プロモーション動画を制作する上で重要なポイントです。単に面白い動画を作ったとしても、その地域の魅力がきちんと伝えられていなければ意味がありません。その地域の景色や文化、食事、伝統などをアピールし、その場でしか感じられないこと・体験できないことを中心にアピールしていきましょう。

また、特に移住希望者に向けたプロモーション動画を制作する際には、地域の人の声や日常を切り取ってみるのもおすすめです。実際にその地域に住んでいる人の声や生活の様子を確認でき、視聴したユーザーは親近感を持つことができます。

共感を呼ぶ動画構成にしたい場合は、ストーリー性を重視することも大切です。ストーリー性のある動画にすることで、視聴者は最初から最後まで飽きずに視聴を続けられます。ストーリー性を持たせるには脚本だけでなく、動画の構成力や演出力も必要です。

SNSを活用する

制作した動画は自治体のホームページだけに留まらず、動画配信のプラットフォームやSNSを活用して拡散させるのがおすすめです。地方自治体ですでにX(旧Twitter)やFacebook、Instagram、LINEなどを運用している場合は、自治体のアカウントから動画を発信していきましょう。また、YouTubeの公式チャンネルがある場合も同様に運用するのがおすすめです。

SNSやYouTubeなどの動画プラットフォームを活用すれば、多くのユーザーの目に触れられるチャンスが増えます。特に近年は検索エンジンからではなく、SNSから情報を収集ケースが増えています。特に10代・20代の若年層はSNSから情報を収集している人が半数以上いることがアンケート調査でわかっているため、若年層に向けてプロモーションをしたい場合にはSNSも上手に活用していきましょう。

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地方自治体でプロモーション動画を制作する場合、自治体だけで制作に取りかかることも可能ですが、動画制作のノウハウを持っていないとクオリティの低い動画に仕上がってしまい、せっかく制作しても拡散されにくくなってしまいます。プロモーション動画できちんと効果を出すためにも、プロの動画制作会社に依頼した方が良いでしょう。

動画制作・映像制作なら、これまでに4,000社以上・30,000本以上の動画制作に携わってきたGJCにお任せください。GJCなら業界相場の半額でプロモーション動画を制作することも可能です。柔軟な制作対応や無料修正にも対応していますので、クオリティの高いプロモーション動画を制作したい場合は、GJCまでお気軽にご相談ください。

まとめ

 

今回は、自治体のプロモーション動画についてご紹介してきました。プロモーション動画はすでに多くの地方自治体が手がけており、中には成功した事例も少なくありません。

動画は観光客や移住希望者に向けてアピールしやすく、より多くのユーザーに地域を認知してもらえるきっかけにもなることから、ぜひプロモーション動画を制作してみましょう。自治体のプロモーション動画を制作するなら、クオリティの高い動画を制作できるプロの動画制作会社に依頼するのがおすすめです。

 

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    クリエイティブ・ディレクター
    鬼塚 智己

    顧客の課題解決を第一とし、映像、デザイン、ビジネス視点を組み合わせたアプローチでゴールを目指します。

  • 平原 昌樹
    撮影技術責任者
    平原 昌樹

    予算が限られたなかでもハイエンドの撮影機材を使ったような撮影効果を出す方法を提案。価格以上の撮影クオリティを実現します。

  • 藤田 秀幸
    営業・制作進行責任者
    藤田 秀幸

    お客様の動画に対する要望を最大限実現するため、最適なお見積りとご提案、スムーズなプロジェクト進行でサポートします。

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