徐々に多くの企業で取り入れられてきている動画広告は、今もなお企業から注目を集めている市場です。そんな動画広告ですが、動画広告を作ったとしてもそれが拡散されていかなければ意味がありません。
一般的に“バズる”動画というのはyoutuberやSNS発信で話題となった動画など、拡散されていき認知が高くなった動画で、炎上の対象となっているものも少なくありません。
しかし、そんなバズるという現象を、企業の動画広告でも生み出すことはできるのでしょうか?
今回は動画広告をバズらせるためにはどうすればいいのか、その要因について探っていきます。
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動画広告・映像広告はますます市場規模を拡大してきている
若い人はもちろんですが、親世代から年配の方もyoutubeなどの動画サイトを見る時代になってきました。
その背景としてスマホやタブレットの普及、そして家電製品とネットを組み合わせた新しい家電の開発、そしてテレビによるネット社会の認知が拡散されていったことなどが考えられます。
また、逆に若い人は既に「テレビ離れ」が始まっていて、動画サイトが生活の中心になっている人も少なくありません。
このような現状がある中で、動画広告市場というものも規模は大きくなってきています。
例えば、動画広告市場が世界でもトップクラスの規模を誇るアメリカでは、youtubeでの動画配信プラットフォームはもちろんですが、SNSを利用した動画広告にも力を入れています。
アメリカの動画広告市場規模は、2015年時点で約78億ドルにも及び、2019年には約144億ドルにもなると言われています。
市場規模の成長は徐々に低下しているものの、それでも成長率が低下しているだけで、規模が縮小されてきているわけではないので、今後もアメリカの動画広告市場規模はより大きなものになっていくと予測されます。
特にyoutubeでの動画広告による売り上げが伸びており、アメリカの動画広告市場を大きなものにしている一番の要因と言われています。
レベニュー・シェアリングという動画を制作するクリエイターたちがその利益をあらかじめ決めていた配分通りに分け合うシステムによってクリエイターの技術が集結した質の高い動画によって動画広告にも影響が出ていると考えられているのです。
日本でもこれから動画広告市場規模は拡大していく
アメリカでも動画広告市場規模は伸びていますが、日本でも同じように動画広告市場規模は拡大していくでしょう。
その理由として考えられるのは先程も紹介した若者のテレビ離れが関連しています。
若者のテレビ離れは2000年以降から進んでおり、特に20代男性でテレビ離れが加速しており、テレビを見ている人は60%台にまで低下してきました。
そのため、残りの40%はテレビに広告を流しても意味がなくなってしまうのです。
例えば20代男性をターゲットに作った商品があったとします。
しかし、それをテレビ広告で流しても、例え20代男性のテレビを見る人全員が購入したとしても全体の6割しか購入されないことになります。そういった意味ではテレビを見ない消費者層、特に若い世代に対しての広告は、テレビだけではなく動画広告も利用することでターゲット層全体を賄うことができるのです。
他にも、日本よりも動画広告市場が発展、規模が拡大している欧米企業が日本でのマーケティングを行う際に動画広告を取り入れたことで、日本でも動画広告が広まり動画広告市場が拡大していったと言われています。
そのため、今後は日本の企業が海外の動画広告市場に乗り込むようなことがあるかもしれません。
逆に、もっと欧米企業が日本の動画広告市場を活用したマーケティングを行う可能性は十分にあり得るのです。
特にyoutubeでは、日本はもちろん世界各国で共通して見られるという利点があります。
この利点を活かし、公式チャンネルを作って動画広告を作成・配信していけば、日本だけではなく世界各国へのアピールにもつながるのです。
動画広告・映像広告でも“バズる動画”は作れる?
近年は爆発的な動画ブームを巻き起こしており、大勢の人々に取り上げられることを「バズる」と使われています。
youtubeでは様々なコンテンツで動画を配信するユーチューバーの存在が注目されており、また感動系やおもしろ系、かっこいい系などたくさんのジャンルから注目される動画も多数公開されているのです。
誰もが面白いと思う動画は数多くありますが、動画広告の場合はどうなのでしょうか。
動画広告は商品やブランド、企業の知名度を上げたり、商品やサービス購入を促したりすることを主な目的とした動画です。
人によっては見たいと思うものですが、関心のないジャンルであると見ることもほとんどないでしょう。
中には突然動画が再生されて鬱陶しいと感じる人もいるはずです。
しかし、最近は多くの人々に動画を見てもらうために、話題性の高い広告動画も多く登場し、注目されています。ただ注目されるだけではなく、実際にイメージアップや購入につながったという例も少なくありません。
なので、バズる広告動画は作ることができると言えます。
テレビCMではトライ&エラーが根付いていない
トライ&エラーとは試行錯誤のことです。
人は失敗からヒントを得て、何度も繰り返すことで成功や結果につながります。広告でも同様のことが言えるでしょう。
最初に作った広告が必ずしも成功するものではありません。
試行錯誤を繰り返すことで面白く、理解を深められるものとして完成されます。
広告といえばCM、CMといえばテレビCMと連想できますが、テレビCMではトライ&エラーが浸透していない現状と言えるでしょう。
テレビCMでは莫大な制作費が当てられて放送されますが、それをYouTubeに公開してもなかなか再生数がアップしないことが多いのです。
なので、テレビで放送される動画をネット上にアップするのであれば、ネットという媒体に適した動画に試行錯誤して公開することがバズる動画につながると考えられます。
例えば、テレビでわずかに放送されるCMもネットではロングバージョンや完全版、ネット限定CMなど設けるだけでも話題性がアップします。
広告動画は視聴する環境の変化で求められる要素も変わるので、トライ&エラーはとても重要な要素だと言えるでしょう。
広告であっても、コンテンツという認識を得られれば、誰もが見たいと思うバズる広告動画をつくりあげることができます。
広告動画はユーチューバーのように発信頻度を挙げることは難しいので、配信環境に適した工夫を施した動画制作が求められるでしょう。
バズる動画には要因が隠されている!
動画広告においてバズる動画を作ることができるということをご紹介してきましたが、ではバズる動画を作るためにはどのようなものを作らなくてはいけないのでしょう?
なかなかわかりにくい部分ではありますが、バズる動画を見ていくとどんな部分がバズる要因になっているのかがわかってきます。
バズる要因とはどんなものなのか、ご紹介していきましょう。
バズる要因その1・伝えたいことは1つに絞る
動画広告では、短い時間により多くの情報を詰めようとして結局何が言いたいのかわからない動画になってしまったというものが意外と多くみられます。
動画広告を見ているユーザー的にも、「つまり、何がいいのか」という基本的な部分が明らかになっておらず、結局見なくても良かったと感じてしまう動画広告になってしまう恐れがあります。
そのようなことが起きないように、動画広告を作るなら決められた時間の中でいかに一番伝えたいことを伝えられるかという部分を大切に、動画広告を作ることが重要なポイントとなります。
ストーリー性がある・ない、どちらにせよ伝えたいことは1つに絞った方が、誰が見てもわかりやすい動画になりやすいのです。
バズる要因その2・CMだけでも面白い
商品・ブランドアピールを意識しすぎて、CMを見てもあまり楽しめない動画広告はバズる要素を持っていない動画広告と言えます。
例えば面白いCMというのは決してそれが商品購入につながらなくてもバズったことでブランドの認知度が高くなり、結果的に集客につながる可能性も高いです。
しかし、目先のことだけを考えてしまい、面白さよりも商品やブランドに偏ってしまうとバズる要因がなくなってしまいます。
面白いと言ってもそれは笑う面白さだけではなく、驚きや感動も含めてCMは面白くないとバズることは難しいのです。
バズる要因その3・子どもや動物は安定する
既に飽和状態のようになってきてはいるものの、やはり子どもや動物が出演している動画広告は面白いものも多いです。
子どもや動物は可愛さというビジュアルからも人気を集める要因となっており、バズった広告の中には子どもや動物を起用しているところは少なくありません。
バズる要因その4・オチが想定外
動画広告だけではなく、CMでもよく想定外のオチが待っていたというものがあります。
動画広告でも想定外のオチが待っていると、そのオチをもう一度見ようと再生するため再生数も上昇し、バズる動画になりやすいのです。
例えば、2015年に作成された宮崎県小林市のPR動画が良い例です。
この動画では、海外から小林市に訪れた男性が、市内を巡って良さをナレーションで伝えているという内容なのですが、そのナレーションがとても柔らかなイントネーションで、初めはフランス語を喋っているのかな?と思わせられるような心地よい口調が聞こえます。
しかし、動画の最後にそのナレーションがフランス語ではなく、宮崎県小林市で使われている方言をフランス語のようなイントネーションで話していることがわかるのです。
今までフランス語だと思って聞いていたものが、まさか日本語だったとは思わないため、多くの人が驚いたと思います。
2015年時点で既に100万回以上の再生数を突破したこの動画によって、宮崎県小林市の知名度は一気に高まりました。
このように、人は結果をある程度予測・想像してしまうものなので、突然想定外のことが起こってしまうと驚き、もう一度確認してみようという気持ちになります。
結果的にそれが再生数を伸ばし、拡散されていったのです。
オチを想定外にし、何度も見てもらえるような動画広告を作ることも重要だと言えるでしょう。
バズる要因その5・共感を得やすいテーマで作成する
バズる要因のポイントとして、上記のようなポイントを紹介してきましたが、これらの共通点として言えることは「明確であること」です。やはり、動画広告はわかりやすいテーマでなければいけません。
それにプラスして、共感を得やすいテーマで作成することも重視すると、よりバズる動画広告に近付くことができるでしょう。
例えば、ターゲットが主婦層だった場合、サラリーマンをテーマにした動画を作ってもなかなか共感を得ることはできません。
逆に同じ主婦をテーマにした動画にすることで、共感が得やすく主婦層に見てもらえる動画広告になります。
ターゲティングがしっかりとできていれば、動画広告のテーマを決めることができるのです。
また、ターゲティングを狙ったものではなく全体の層を狙っていくのであれば、どの年代でも共感できるようなテーマでなくてはなりません。
誰もが共感できるテーマと言うのは難しいですが、「家族」や「友情」などをテーマにするとどの世代からも共感を得やすい動画広告にすることができます。
バズる要因その6・商品やサービスよりも企業理念に共感を求める
動画広告というのは基本的に商品やサービスの売り上げを向上させるために活用するツールです。
ただ、バズっている動画の多くは本来アピールすべき商品やサービスの機能性などをアピールするのではなく、商品やサービスに込められた想いであったり、企業がこの商品を通して伝えたい理念であったりなどを伝えるような動画広告の方が、共感してもらえるのです。
動画広告によって商品やサービス手に取ってもらうことももちろん大切な部分ですが、そのバックにある理念まで共感してもらえると、その商品やサービスだけではなく会社自体に興味を持ってもらうことができます。
バズる要因を持った動画は、バズって商品・サービスの売り上げをもっともっと伸ばそうというよりも、理念や商品に込めた想いに共感してもらえるような作りにしたり、面白さを全面に押し出したりと、むしろ遊んでいるかのように作った動画広告の方が受け入れられてバズる可能性も高くなります。
バズる動画広告を作ることは難しいですが、市場規模が拡大している中でバズる動画を作ることは、自社のアピールにとって有意義なものになることは確信できるでしょう。