若者を中心としてユーザーが多いTikTokをマーケティングに活用したいと考える企業が増えています。「TikTokプロモート」は、低額で始められる機能となっており、上手く活用できれ場顧客獲得やブランディングの向上に役立ちます。
しかし、2021年から導入された機能なので、中には詳しい内容が分からない方もいるはずです。そこで今回は、TikTokプロモート機能の基本情報に加え、活用するメリットやデメリット、利用するうえでの条件や費用などを解説していきます。
TikTokプロモートを活用して成功を収めた事例についてもご紹介していくので、活用を考えている企業担当者の方は参考にしてください。
TikTokのプロモート機能とは?
ショート動画を投稿、閲覧できるプラットフォームがTikTokで、中国の会社が運営を行っています。若者を中心に日本でも数多くのユーザーがTikTokを楽しんでいます。そのTikTok上で広告を打ち出すツールの1つがTikTokプロモートです。
広告と聞くとビジネスアカウントのみ実施できるサービスだと考える方もいますが、TikTokプロモートは個人でも運用可能となっており、アカウントを所有しているユーザーであれば誰でも活用できます。
・動画の視聴回数
・コメント数
・動画からコンタクトを取ったユーザーの統計
・動画からWebサイトへのアクセス数や人数
といったデータを取得でき、情報を精査すればフォロワーを獲得するためのアイデアの創出や認知度向上に役立つはずです。
TikTokのプロモート機能を活用するメリット
TikTokプロモート機能を活用すると、どんなメリットが得られるのでしょう。考えられる3つのメリットをご紹介していきます。
低予算で広告を配信できる
広告を配信するとなれば費用がかかると考える方もいるでしょう。しかし、TikTokプロモート機能は費用が抑えられているため、多くの予算をかけられない企業でも活用しやすい機能となっています。
1回の広告表示で0.1~0.2円かかるとされています。1日当たりの予算に加えて配信期間を決めることもできるため、予算に合わせた広告を配信できるでしょう。
ターゲットを絞って広告を配信できる
TikTokプロモートは、狙いたい層に絞って広告を配信できます。
・性別
・年齢
・興味のあるジャンル
など、細かく設定して配信できる仕組みです。それぞれの細かい設定は以下の通りです。
【年齢】
13~17歳
18~24歳
25~34歳
45~54歳
55歳以上
【興味のあるジャンル】
教育
車両&輸送手段
マタニティー・ベビー
金融
メークアップ・スキンケア
携帯電話・パソコン
ペット
旅行
デジタル家電
アプリケーション
ニュースデータ
ファッション・帽子・靴・カバン
ゲーム
飲食・グルメ
アウトドアスポーツ
例えば、ベビー用品の広告を配信する場合は、「女性、25~34歳、マタニティー・ベビー」と絞ることができ、学生向けの化粧品であれば「女性、18~24歳、メイク・スキンケア」と絞ることで、興味を抱くユーザーに自社の広告を配信できます。ターゲットを設定できれば、届けたいユーザーに無駄なく広告を配信できるので効果を発揮しやすくなります。
広告だと気付かれにくい
インターネット広告にネガティブなイメージを持っている方もいます。「毎回表示されるので不快に感じる」「邪魔」「欲しい情報以外はいらない」といった思いがあり、広告を配信したとしても視聴されずに終わるケースも少なくありません。費用を捻出して配信しても、観てもらえなければ購買にもつながらず、認知拡大にもならないため、配信した意味がなくなってしまいます。
しかし、TikTokプロモート機能で投稿した広告は、ユーザーのおすすめ欄に優先的に表示される仕組みです。「広告」と表示されますが通常の投稿と同じ表示形式なので広告だと分かりにくく、様々なユーザーに視聴してもらえる可能性があります。
ユーザーが楽しめるような動画が作れれば、避けられることなく自然と受け入れられる広告となるはずです。
TikTokのプロモート機能を活用するデメリット
狙っているユーザーに対して安価で配信できるTikTokプロモートですが、デメリットも存在します。ここでは、3つのデメリットをご紹介していきましょう。
売上につながるとは限らない
TikTokプロモートは、他の広告と比較すると売上を伸ばすことが難しいと言われています。動画広告を配信すれば、ユーザーの興味を引いたり、認知度向上につなげたりすることは可能です。しかし、動画から直接商品の購入を促せるようなアクションを引き出すことは期待できないため、売上向上を目指しているのであれば他の手法と組み合わせて売上につながる動線を確保する必要があります。
例えば、TikTok広告はTikTokプロモートよりも上位と言えるので、組み合わせることで効果がより期待できます。目的に合わせて使い分けながら動画配信を行ってみてください。
ステマ扱いされる危険性
商品やサービスを広告だと気づかれないように宣伝する行為をステマ(ステルスマーケティング)と言います。ステマは2023年10月から景表法の不当表示の対象に追加されたため、違法行為となります。景表法の規制はテレビやラジオのみならず、インターネットやSNSも対象となり、もちろんTikTokも含まれています。
TikTokプロモートは、一見広告だと分かりにくいため、ステマと同様に扱われてしまう危険性を持っています。もし、ステマだとコメントに残されれば、ブランドのイメージや今後の投稿にも悪影響を及ぼしてしまいます。動画制作の際には、ステマだと思われないような工夫をすることも大切です。
動画広告が必ずバズるとは限らない
TikTokプロモートで動画広告を配信しても、必ずバズるとは限りません。動画がバズれば拡散され、ブランドの認知向上や売上アップにも繋がるはずです。しかし、魅力的な動画が作れなければ視聴してもらえず、拡散も期待できないでしょう。
広告費を無駄にしないためにも、ユーザーの心に刺さるような魅力的な動画を制作してください。また、配信後は分析も大切です。成果はアプリ内のインサイトでチェックできるため、分析に役立てて興味や関心を引き出せる広告作りをしていきましょう。
TikTokのプロモート機能を利用するうえでの条件
TikTokプロモート機能を活用するには条件があります。1つ目は18歳以上である点です。18歳未満であると機能が使えないので注意してください。また、TikTokプロモートの利用規約に同意していることも条件の1つとなります。利用したい場合は必ず利用規約を確認し、同意してから動画広告の配信を始めましょう。
TikTokのプロモート機能の利用にかかる費用
前述したように、TikTokプロモートは費用が抑えられる点が大きな魅力です。1インプレッションあたり、約0.1~0.2円となり1日の予算と配信期間は自分で設定できます。ただし、TikTokプロモートを利用するための費用は現金で支払うわけではありません。
TikTok内で使用できるバーチャルコインの「TikTokコイン」を活用して支払うのであらかじめ用意しておきましょう。TikTok コインは、1コイン=約1.85円がレートとなり、iOS・Android・TikTokウェブブラウザによって購入できるコインの枚数が異なります。
・iOS:25コイン~
・Android:5コイン~
・TikTokウェブブラウザ:70コイン
最低利用コインは24時間350コインまでなので、1日あたり647.5円~広告を配信できる仕組みです。
TikTokのプロモート機能を利用する方法
TikTokのプロモートを利用する方法を解説していきます。
- ビジネスアカウントに変更する
TikTokのプロモートを活用するためには、ビジネスアカウントに設定しなければいけません。画面右上にある「プロフィール」をタップしてプロフィール画面に移行しましょう。その後、画面右上にある3本線をタップして設定に移動し、「アカウント管理」へと進みます。「ビジネスアカウントに切り替える」を選択し、表示されている指示に従って操作していきましょう。
- 動画を投稿する
TikTokのプロモート機能を利用できるのは、既に公開されている動画です。そのため、プロモートを行う前に、動画を投稿する必要があります。
- プロモートを設定する
プロモートの設定方法は以下の通りです。
- プロフィール画面の右上にある3本線をタップしてクリエイタータップを選択する
- プロモートをタップ
- 設定する動画を選ぶ
- プロモートをする目的を動画視聴数増加・Webサイト訪問数増加・フォロワー数増加の中から選ぶ
- 広告を視聴してもらいたいユーザーをデフォルト視聴者・カスタムから選択する
- カスタムは自分で設定できるため、性別やユーザー層の設定などを行い「セーブする」をタップし、確認後問題がなければ次に進む
- 予算と配信期間を設定する
- コインを購入、チャージをすれば動画が公開される
TikTokのプロモート機能の効力を向上させる方法
ここからは、TikTokプロモート機能の効果をより獲得するための方法を解説していきます。
目的の明確化
企業によってプロモート機能を活用する目的には違いがあります。
・自社サイトへの誘導につなげたい
・フォロワー数を増やしたい
・動画の視聴回数を伸ばしたい
などが考えられます。機能を使えば目的が達成するわけではないので、目的に合わせた動画制作を行いましょう。
ターゲットの明確化
プロモート機能では、ターゲットの設定を自分で行うことが可能です。前述したように、性別・年齢層・興味のあるジャンルと細かく絞れるので、動画の内容や商品、サービスに合わせてアプローチしたいターゲット層を選定しましょう。
TikTokを利用するユーザーは若年層がメインです。若年層を狙った内容であれば、視聴回数の増加が狙えるはずです。
効果的な動画を制作する
効果的な動画は共有・保存・コメントをしたくなるような要素を含んでいます。
・他の人にも紹介したくなるような興味を引く動画
・思わず保存したくなるほど関心のある動画
・コメントしたくなるような面白い動画
など、ユーザーが興味を抱く動画を制作する必要があります。例えば、ストレッチをしている動画の場合、ただ単にストレッチをしているだけでは興味を抱きません。自分もやってみたいと思えるような工夫をすることで目標につなげられます。共有や保存、コメントを残したくなるような動画制作を目指しましょう。
TikTokのプロモート機能の利用における注意点
プロモート機能を使うにあたっては注意点も存在します。あらかじめ把握してから機能を使っていきましょう。
著作権の侵害に注意する
プロモートでは、動画内で使用する楽曲に注意してください。著作権が保護されている楽曲については、プロモート機能で使用することができないため、商用利用が可能な楽曲もしくはオリジナルの楽曲に限られます。そのため、もし自社のオリジナル楽曲があれば動画で活用してみましょう。
商用利用可能な音楽素材については、TikTok内でも用意されています。動画を制作する際に「+」をタップし、上部にある「楽曲」を選び、「商業利用可能な音楽」を選択すると規制されていない楽曲を選択できます。
誘導先への動線を確保する
プロモートで成果を出すためにも、商品ページや外部サイトに誘導するための動線を確保する必要があります。動線がなければ気になる商品やサービスがあったとしても購入につながりません。ユーザーにとって分かりやすい動線を確保し、目標達成を目指せる動画を制作してください。
「○○についての詳細はプロフィールへ!」といったアクションを示すだけでも効果があるはずです。
離脱させないクオリティの高い動画づくりにこだわる
TikTokプロモートでプロモーションをしたくても、クオリティの低い動画では魅力を紹介できません。機能を使えば一定数のユーザーに動画を視聴してもらうことは可能ですが、多くのユーザーに認知してもらうためのバズりは引き起こせないでしょう。
動画は冒頭部分が最も大切です。冒頭部分で興味を抱いてもらえなければ、見続けずにスキップされる可能性が高いので、サイトへの誘導率や商品の購入率にも影響を与えるはずです。ユーザーが興味を引く高クオリティな動画を制作しましょう。自社での制作が難しいのであれば、専門の業者に依頼をすることでバズりを引き起こす動画が作れるかもしれません。
TikTokプロモートでの成功動画事例
ここからは、TikTokプロモートでの成功事例をご紹介していきます。
プロトコーポレーション
中古車情報メディアのグーネットによる活用事例です。これまでテレビを中心にマーケティングを実施していましたが、動画プラットフォームの拡大により、ネット広告にも注力し始め、その中でもTikTok広告に力を注いでいると言います。
テレビCMだけでは届きにくい層にもアプローチすることができ、結果的にはコスト削減と認知、利用意向を獲得する結果となりました。
エン・ジャパン
エン・ジャパンが展開しているサービスのエン派遣のプロモーションでTikTokが活用されています。人材業界でのWeb広告では、もともと静止画が活用されるケースが多かったのですが、TikTokを利用した動画広告を導入したことで他社との差別化を図ることに成功しました。
さらにCPAは約1/4、CV数は約4倍へとアップし、期待以上の成果が表れました。
日本テレビ
大人気アニメの「葬送のフリーレン」のプロモーション活動にもTikTokが使われています。地上波テレビの視聴者数は年々減少傾向にありますが、動画配信サービスを通じてテレビを視聴する習慣は世間で浸透しつつあります。テレビを観ない層に対してテレビ局のコンテンツをアピールするためにTikTokが活用されているのです。
エンターテイメント系のコンテンツに興味のある層はTikTokを利用するユーザーも多いです。そのため、アニメとの相性も良く、視聴者を獲得することに役立ちました。
TikTokプロモート機能に関してよくある質問
TikTokプロモートに関するよくある質問とその回答をご紹介していきます。
プロモート機能を使うと他の人にもわかる?
広告だとすぐにバレてしまうと、ユーザーによってはマイナスなイメージを抱き、視聴される前にスキップされる可能性があります。そのため、機能を使うのであれば、広告だと分かりにくい仕組みとなっているか気になる方もいるはずです。
TikTokプロモート機能を使うと、動画には「広告」と表示されます。しかし、それ以外は他の動画と変わりありません。そのため、広告だと気付かれにくい点がメリットです。しかし、同じ動画を何度もプロモート配信している、広告だと分かりやすい動画にしている場合は、広告だとすぐに分かってしまいます。
定期的に配信内容を見直し、内容の違う動画を制作して配信するなど工夫を施しましょう。
プロモートをすると動画の見え方は変わる?
前述したように、プロモートをすると動画には「広告」と表示が付きます。それ以外は一般的な動画投稿と何ら変わりはないため、広告が苦手なユーザーにも視聴されやすい点が魅力です。
プロモート配信の審査に落ちることはある?
運営の審査によってプロモーションが非承認となるケースもあります。承認されない理由としては、ガイドラインや広告ポリシーに違反している可能性が考えられるため、修正が必要です。
・出稿不可の商品を紹介している
・広告の最上級表現を使っている
といった事例がよく挙げられます。ガイドラインを再確認し、非承認される要素のない動画制作を行ってください。
TikTok広告ならGJCへお任せください
TikTokプロモート、TikTok広告の運用をお考えであれば、一度GJCまでご相談ください。「成果につながるような動画を制作したい」「バズるような動画を作りたい」などと考えても、動画制作に関する知識がなければ効果的な動画広告を作れません。
そんな時でもGJCにご相談いただければTikTokに合わせたユーザーが興味を抱く動画制作のサポートを実施いたします。GJCは業界でもトップクラスの制作実績を誇る動画制作会社です。これまでにTikTok広告を含めた様々な動画広告を制作しています。
成果にこだわった動画広告を配信するため、知識と技術を有するプロフェッショナルが運用代行を実施します。予算に合わせた動画制作を承っておりますので、TikTokプロモートでアップする動画広告制作でお悩みであれば、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
今回は、若者を中心に人気を博しているTikTokを活用したマーケティングに役立つTikTokプロモート機能についてご紹介してきました。抑えた価格で配信でき、広告だと気付かれにくく、ターゲットを絞った配信が可能です。効率的に動画配信が可能な点が魅力ですが、プロモート機能を活用したからといって全ての動画広告がバズるわけではありません。バズりを生み出すためにも共感や興味を引くコンテンツを作る必要があります。
GJCにご相談いただければ、TikTokプロモートで配信できる動画制作をサポートいたします。ご相談やヒアリング、ご提案は全て無料で行っているので、お気軽にご相談ください。