TikTokは、若者が多く利用しているSNSというイメージを持つ人が多いでしょう。確かに以前までは、踊ってみた動画が多く投稿されていたため、登録者の年齢層は若いと思われやすい状況にありました。しかし最近は、ビジネスや飲食店の情報を発信する人も増えています。
そのため、TikTok広告も注目を集めています。今回は、TikTok広告について詳しく解説していくのでご参考ください。
そもそもTikTokとは?
TikTokは、中国のバイトダンス社によって提供されている動画投稿SNSです。世界的に見ても利用者は非常に多く、10億人にも達しています。ユーザーの好みに合わせてTikTok側が選択した動画を流すレコメンド機能を搭載し、ランダムで動画再生が行われるので長く見ていても飽きません。
TikTokに登録している年齢層は10代~20代がメインです。しかし最近では、平均年齢が34歳と上昇傾向にあります。平均世帯年収も646万円となっていて、新たなサービスやツールに興味を持つ人が多いといった特徴が挙げられます。
10代や20代といった若いユーザーが多いSNSであることに変わりありません。しかし前述したように、ビジネスなどで利用する人も増えたため、平均年齢は以前よりも高くなっています。
参考:日本の TikTok ユーザーは平均34歳、博報堂調査が示す実態 |DIGIDAY
TikTok広告の種類、費用は?
https://tiktok-for-business.co.jp/archives/4083/
TikTok広告は、予約型の純広告と運用型広告の2つに分類されます。純広告は、Top View・起動画面広告と呼ばれるアプリを開いた時に出てくるものです。運用型広告は、インフィード広告・ハッシュタグチャレンジ・ブランドエフェクトの3つがあります。
Top View・起動画面広告
https://ads.tiktok.com/help/article/tiktok-reservation-topview?lang=ja
Top View・起動画面広告は、ユーザーがアプリを起動した時に表示される広告を指します。1日2社限定となっています。必ずユーザーの目に留まるので、認知度を高めるために効果的です。
費用相場は約500万円で、事前決済と申し込みが必須です。3秒~5秒経過した後に自動でフィードへ移行します。1日最大5回までの表示となっているため、ユーザーが感じるストレスを軽減できるというメリットもあります。
インフィード広告
https://www.tiktok.com/business/ja/solutions/ads
インフィード広告は、おすすめフィードに表示されるユーザーの投稿の間に出てくるものです。TikTokのコンテンツに溶け込んでくれるので、自然に広告を見てもらえるという強みがあります。
コストを抑えた広告の運用ができる点も、広告主にとって大きなメリットになります。広告主はメールアドレスや電話番号、住所、決済情報などを入力するだけなので簡単にスタートできるでしょう。最低出稿金額は1ヶ月あたり42万円となっています。
ハッシュタグチャレンジ
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ハッシュタグチャレンジは、ユーザー参加型の広告です。インフィード広告と比べると2.5倍ものエンゲージメントを誇るという点が大きなメリットです。しかし、費用相場は1,000万円と高めになっています。
企業とTikTokの公式が打ち合わせを行い、期間を決めたらハッシュタグチャレンジがスタートします。その後、クリエイターや広告を使って告知していくという流れです。次に、ユーザーがハッシュタグチャレンジを知り、コンテンツを投稿していきます。
ブランドエフェクト
https://www.tiktok.com/business/ja/solutions/ads
ブランドエフェクトは、2Dや3D、ARなどを活用した企業独自のエフェクトを作り、ユーザーに体験してもらうという広告です。発売予定の化粧品の色パターンをTikTok上で再現し、体験してもらうなどの方法があります。動作に対応したクリエイティブを実現できるのが大きな魅力です。
費用相場は380万円となっています。ハッシュタグチャレンジと組み合わせることによって、より高いエンゲージメント率を得られると言われているので、試してみる価値は大いにあるでしょう。
広告ターゲティングの種類は?
参考:Ad Targeting
TikTokでは、独自の設定に基づいたターゲティングが可能です。設定項目が細分化されているため、ペルソナに合う広告を打ち出せます。
TikTok広告の広告アカウントの作成方法は?
TikTok広告を出すためには、アカウントの作成が必要です。続いては、作成方法について解説していきます。
1.アカウントの登録を行う
まずは、TikTokの公式サイトからアカウントの登録を行います。公式サイトを開くと、画面上に「いますぐ作成する」という項目があるので選択してください。そうすると、メールアドレスやパスワードを設定する画面になるので、入力したら「登録」ボタンを押しましょう。
メールアドレスやパスワードの登録を済ませると、国や会社、タイムゾーンなどの情報を入力するページが出てきます。入力が終われば、広告アカウントの登録が完了となります。
2.ビジネス情報を登録する
ビジネス情報を登録するためには、TikTok広告マネージャーを開きます。TikTok広告マネージャーでは、企業の公式サイトのURLの添付や業界の選択を行います。さらに、請求書に記載する住所や支払い方法も登録時に選択するので、口座番号などをすぐに確認できるようにしておきましょう。
クレジットカードやデビットカード、手動決済の場合はPayPalも利用可能です。カードの情報を入力し終わったらビジネス情報の入力は完了となります。
TikTok広告の入札方式は?
TikTok広告の入札方法は4つから選べるようになっています。続いては、それぞれの入札方法について解説していきます。
クリック課金型
計算の方法 | コストの総額÷クリック数 |
課金方法 | 1クリックごとに課金 |
広告を配信する目的 | トラフィック アプリのインストール コンバージョンの数 |
クリック課金型は、1クリック当たりの広告コストによる入札が行われます。クリックしてくれる可能性が高いユーザーへ配信されることも特徴です。
インプレッション課金型
計算の方法 | コストの総額÷インプレッションの数×1,000 |
課金方法 | インプレッションが発生するたびに課金 |
広告を配信する目的 | リーチ |
予算の設定により、リーチできるユーザー数が変動します。多く課金すればその分リーチしやすくなります。
最適化インプレッション課金型
計算の方法 | コストの総額÷インプレッションの数×1,000 |
課金方法 | インプレッションが発生するたびに課金 |
広告を配信する目的 | アプリのインストール コンバージョンの数 |
基本的にはインプレッション型と同じです。しかし、アプリのインストールをする可能性が高い、コンバージョンの数が多いユーザーを対象としているという違いがあります。
再生課金型
計算の方法 | コストの総額÷視聴回数×1,000 |
課金方法 | 2秒・6秒・最後まで視聴から選択して課金 |
広告を配信する目的 | 動画の視聴数 |
動画再生数1,000回あたりのコストで入札する方法です。予算によって動画の再生回数が決定するケースが多いです。
TikTok広告のメリット4選
TikTok広告を活用することで得られるメリットもあります。次は、どのようなメリットがあるのかみていきましょう。
受け入れてくれるユーザーが多い
Kantar社が実施した「消費者の広告に対する態度」に関する調査では、TikTokは広告好感度ランキングで1位を獲得しました。TikTokの場合は、スクロールすると広告をスキップできるようになっているので、ユーザーが煩わしいと感じにくいことが大きな理由です。
好きなタイミングで広告をスキップできるので、見たいと思った広告だけ見ることができます。すべての広告に興味がある人はいないので、好きなタイミングでスキップできるのはユーザーにとって魅力的です。
若い世代の認知度を向上させられる
TikTokに登録しているのは、比較的若い人です。平均年齢は上がっていますが、それでも若年層が多く登録しているアプリであることは確かな事実です。
若い世代は、テレビよりもSNSやYouTubeなどに費やす時間が多くなっています。そのため、そのような世代における認知度を高めるために、SNSの活用は必要不可欠です。TikTok広告を出せば、必然的に10代や20代へのアプローチができると考えられます。
広告に反応してもらえる
TikTok広告は、ユーザーから「いいね」やコメント、シェアといったエンゲージメントが得られます。コメント自体がコンテンツになっているといったパターンもあるので、それを加味したクリエイティブ作りを意識することも重要です。
若いユーザーは、XやInstagramなど他のSNSも運用しているケースが多いです。他のSNSにシェアしてもらえれば、さらなる認知度の向上につながります。
実際の行動につながるケースが多い
TikTokで見つけた商品を購入したり、サイトを訪問したりするケースは珍しくありません。「TikTok売れ」という言葉が注目されていることからも、それだけ実際に行動につながるパターンも多いと考えられます。お菓子などちょっとした買い物だけではなく、高級車まで幅広い商品がTikTokをきっかけとして売れています。
ただ商品を購入するだけではなく、その商品をTikTokで紹介するという流れも生まれているのです。それがさらなる広告効果を生むことになるでしょう。
TikTok広告制作のコツ3選
TikTok広告を製作する際、いくつか知っておきたいコツがあります。ここでは、3つピックアップしてご紹介します。
最初の数秒はインパクトを意識する
TikTokは、スクロールするだけで次の動画に移行できます。ユーザーに広告を見てもらうためには、最初の数秒が肝心です。できるだけインパクトがある内容を冒頭に盛り込むようにしましょう。
TikTokをチェックしている中で「続きを見てみたい」と思える動画の共通点を洗い出して、広告クリエイティブに当てはめていくという方法がおすすめです。タイトルで内容を示し、結果を早送りして見せるようなコンテンツは、続きを見たくなる動画だと言えます。
TikTokの音源に合わせる
TikTokに投稿されている動画は、TikTokの音源にマッチしたものになっています。音楽のリズムに合わせたり、使いたい音楽を使用した動画と似た構成にしたり、といった工夫が凝らされています。
多くの動画が音楽とマッチしているのに、間に流れる動画がミスマッチだと違和感を覚える原因になってしまうものです。それでは興味を持ってもらいにくくなるので、TikTokの音源に合わせることは意識すべきポイントです。
TikTok動画を作るような感覚で広告制作をする
TikTokに限ったことではありませんが、ユーザー同士が楽しんでいるところに企業がお邪魔しているという意識を持つようにしましょう。TikTokを見ているユーザーは、面白い動画を探しています。そのため、あからさまに広告だとわかるような動画を配信してしまうとすぐにスキップされてしまいます。
それでは意味がないので、TikTok動画を作るような感覚で広告制作をするという意識を持ってください。そうすれば、自然に広告を視聴してもらえる可能性が高くなります。
TikTok広告の成功事例4選
TikTok広告を活用して成功した事例はいくつもあります。最後に、4つの成功事例をピックアップしてご紹介します。
株式会社資生堂の日焼け止め・アネッサ
株式会社資生堂の日焼け止めブランドであるアネッサは、ブランドエフェクトを使用したハッシュタグチャレンジで大きな成功を納めました。2021年の上半期には7,600回以上の投稿があり、再生回数はおよそ2億5,200万回に達したのです。
アネッサのモデルになったかのような体験ができるブランドエフェクトは多くの人から注目されました。動画を撮影すると、肌がトーンアップする様子を体験できます。
株式会社BAKEの潮風レモンチーズタルト
株式会社BAKEは、お菓子の製造や販売、ECサイトの運営を行っています。潮風レモンチーズタルトという新商品の認知度アップや潜在顧客の獲得を目的とした運用型広告を取り入れました。その結果、目標のリーチ数を大幅に上回る70万リーチを獲得したのです。
多くの人の目に留まり、売上にもつながる可能性があります。その成功事例として株式会社BAKEの潮風レモンチーズタルトが挙げられるのも納得の結果です。
マッチングアプリDIN
マッチングアプリDINのTikTok広告は、生活感のある自然な動画と早口のナレーションを組み合わせたものです。スマホで撮影したテキストにナレーションを組み合わせることにより、サービスの特徴を見ている人にしっかりと伝えられる内容になっています。
アプリのインストールを促すための広告です。どのようなアプリか分かりやすい動画なので、マッチングアプリ探しをしている人の中には興味を持つ人も多いと考えられます。
イプサの化粧水
イプサの化粧水もTikTok広告を活用して宣伝しています。「私が最近ヌマった化粧水 イプサ」、「不思議すぎてヌマリました」という音声付きの映像からスタートするのでインパクトが大きいです。冒頭のインパクトがあるので、興味をもってもらいやすくなっています。ついつい見てしまうTikTok広告です。
この広告に対する「いいね」は48,000以上、コメント数は100以上となっています。商品の認知度アップにつながるきっかけになったと考えられます。
まとめ
TikTokは、幅広い世代が利用するツールになりつつあります。そのため、TikTok広告を活用するメリットも大きいと言えます。ユーザーから興味を持ってもらうためには、今回紹介したコツなどを把握した上で制作しなければいけません。
TikTok広告でバズりたいと考えているのであれば、GJCまでお気軽にご相談ください。目的に合わせた動画を製作できるようにサポートいたします。