Video「フリーズオフコート」紹介動画事例　前田道路株式会社様

動画制作の背景

前田道路株式会社様は、舗装工事・土木工事・アスファルト合材の製造販売を中心に、道路インフラの整備・維持管理を手がける総合建設会社です。今回紹介する「フリーズオフコート」は、塩化カルシウムなどの凍結防止剤を使わずに凍結を抑制できる、同社が開発した表面処理技術です。凍結防止剤の散布作業にかかる人員的・経済的負担、環境負荷、判断の難しさといった課題を抱える自治体の道路管理者に対し、その解決策としての認知拡大と導入促進を目的とした動画制作のご依頼をいただきました。

動画の内容

アニメーション表現をベースに、インフォグラフィックや比較図、施工の流れなどを視覚的にわかりやすく展開する内容です。全体を通じて、堅実かつ安心感のある印象を与えながら、「凍結抑制対策の新しい選択肢」としての魅力を訴求しています。

構成のポイント

この動画では、まず冬の道路管理において多くの自治体が直面している“凍結防止剤の散布作業”に関する悩みを明確に提示するところからスタートしました。塩カルを撒いても雪が降らなかった、急な降雪予報に振り回される、広範囲の対応が必要で人手が足りない…。こうした“あるある”をきっかけに、視聴者に共感してもらえる導入を意識しています。
そこから、従来の凍結抑制舗装との違いや、塩カルを使わずに効果を発揮するという『フリーズオフコート』の強みを、アニメーションとインフォグラフィックで視覚的に整理して展開しました。専門知識がなくても仕組みが理解できるよう、断面図や比較イメージなどを取り入れ、構造的な納得感を高めるように構成しています。
特に力を入れたのは、“使う現場のイメージ”をしっかりと描くことです。カーブや下り坂、交差点、日陰部など、視聴者が“ここにも使えそうだ”と自然に想起できるような具体的なシーンを挿入し、単なる製品説明にとどまらないよう工夫しました。また、施工の流れがシンプルでスピーディーである点や、凍結防止剤の判断が不要になること、既設舗装の打ち換えが不要な点など、導入側にとっての“嬉しいポイント”もテンポよくまとめています。
ラストでは、未施工箇所と施工済み箇所の違いをビジュアルで比較し、『フリーズオフコート』を事前に施工しておくことの安心感を印象的に伝えています。全体として、“これは現場で使える技術だ”と腑に落ちるような構成を意識しました。

デザインのポイント

デザイン工程では、インフラ分野にふさわしい“堅実さ”や“信頼性”をしっかりと担保しながらも、アニメーションならではの“親しみやすさ”や“見やすさ”を同時に感じてもらえるよう、全体のトーンを丁寧に設計しました。専門的な内容を取り扱う動画であることから、伝えたい情報が難解になりすぎないように、柔らかく馴染みやすいビジュアル表現を心がけています。
配色には、信頼感や清潔感を印象づけるブルー系をベースカラーとして採用し、視聴者に安心感を与えられるよう設計しました。また、登場する人物のイラストは、角のない丸みのあるフォルムで描くことで、無機質な印象にならず、誰でも入り込みやすい空気感を意識しています。
図解部分では、“見た瞬間に伝わること”を大切にし、構造や施工手順、仕組みなどを簡潔かつ的確に表現しました。特に、工程や構造を説明するパートでは、視覚的な流れを自然に追えるよう、アイコンや矢印を適切にレイアウト。複雑になりがちな技術的な情報も、アニメーションと図解の力で“直感的に理解できるデザイン”になるよう配慮しています。
結果として、インフラ関連の専門知識がない方でも動画の内容がすっと入ってくるような、誠実さと親しみやすさが共存したビジュアルに仕上げることを目指しました。

編集のポイント

編集時に意識したのは「問題提起」から「解決策の提示」への流れを、いかにスムーズかつ説得力を持って見せるかという点でした。
冒頭の凍結路面の危険性を伝えるシーンでは、少し暗めのトーンで緊張感を演出し、視聴者を引き込むことを狙いました。そこから製品「フリーズオフコート」の紹介パートに入っていきますが、製品のメリットが瞬時に理解できるよう、テロップの文字の大きさや表示するタイミングを調整しています。
特にこだわったのは、製品のメカニズムを解説する図解パートです。イラストの動きに合わせて、各要素がどのような働きをするのか、テロップや効果音を使いながら、専門的な内容でありながらも直感的に理解できるよう工夫しました。
また、効果を比較するシーンでは、画面を二分割にし、その差が明確に伝わるようにしました。実際の施工手順を紹介するパートでは、作業の簡便さが伝わるよう、各工程をテンポ良く見せることを意識し、カットを繋いでいます。
全体を通して、専門的な情報を分かりやすく、そして製品の信頼性が伝わるように、テロップの出し方や画面の切り替えのタイミングなど、細部にわたって調整を行いました。