Videoみんなの患者当事者参画プラットフォーム紹介動画事例　特定非営利活動法人 日本医療政策機構様

動画制作の背景

特定非営利活動法人 日本医療政策機構様は、医療政策に関する中立的なシンクタンクとして、行政・医療従事者・患者・企業など多様な立場の人々と連携しながら、より良い医療政策の実現を目指す活動を行っている団体です。今回制作する動画は、同機構が運営する「みんなの患者・当事者参画プラットフォーム（J-PEP）」の取り組みを広く知ってもらうために企画されたものです。

動画の内容

動画全体はイラストアニメーションで構成し、難しい専門用語を避けながら、やわらかいトーンでストーリーのように展開しています。登場する人物やシーンを通して、視聴者が「医療政策に関わる」ということを身近に感じられる内容です。

構成のポイント

この動画の構成では、専門的なテーマである「患者・当事者の医療政策参画」という内容を、専門知識がない人にも理解しやすく、かつ“自分にも関われる”と感じてもらえるようにすることを重視しました。J-PEPという新しい仕組みをただ紹介するのではなく、見る人が自然と「参加してみよう」と思えるような流れを意識しています。
まず、冒頭では医療政策に興味はあるけれど「何から始めればいいかわからない」という患者や当事者のリアルな悩みを描き、共感からストーリーを始めています。そこに対してJ-PEPが誕生し、情報共有や学びの場を提供していく流れをアニメーションで表現。難しい制度説明を避け、会話や比喩的なビジュアルを用いることで、直感的に仕組みを理解できる構成にしました。
中盤では、J-PEPの主要な機能を段階的に紹介。それぞれのシーンでは、アイコンや図形、吹き出しを使って情報がつながっていく様子を見せ、参加者・行政・医療関係者が連携していく姿を視覚的に表現しました。また、「パズルが組み上がる」「人と人が線でつながる」といったモチーフを取り入れ、ひとりの声が社会全体へと広がっていくイメージを演出しています。
終盤では、医療政策が一部の専門家だけのものではなく、誰もが関わりを持てる“共創の場”であることを伝えています。全体としては、説明動画でありながら温かみと希望を感じられるトーンを大切にし、J-PEPの理念である「一緒に医療をつくる」というメッセージが自然に心に残るよう構成しました。

デザインのポイント

デザインでは、専門的な内容を“やさしく迷わず”届けることを最優先にしました。全編をイラストで統一し、清潔感のあるブルー／グリーンを基調に、人物には淡い暖色を差して信頼と温かさのバランスを調整。画面は余白を広く取り、吹き出しやアイコンを視線の流れに沿って配置しました。テキストは短い見出し＋補助の二層で設計し、音がなくても理解できるようコントラストとシンボルで補強。関係性は、パズルや線でつながる動き、きらめきのアクセントで可視化しています。六つのカリキュラムコードは色と形で識別性を高め、アニメーションの“間”を丁寧に置くことで情報が滑らかに入るリズムを作りました。全体のトーンは希望を感じる明るさで統一し、「自分も参加できる」という実感を後押しする画面設計に仕上げています。

編集のポイント

編集では、専門的なテーマを誰にでもわかりやすく、最後まで自然に見てもらえる流れを意識しました。イラストアニメーションの動画なので、まず重視したのは「情報のテンポ」と「視線の導線」です。登場するキャラクターの動きやテロップの切り替えを一つひとつ丁寧に合わせ、聞くだけでなく“見て理解できる”テンポ感を作りました。難しい内容を扱っているため、アニメーションの動きを早くしすぎず、情報が整理されて伝わるよう間の取り方にもこだわっています。
ナレーションとテロップの関係も重要でした。音声が先行しすぎると視覚的な理解が追いつかないため、言葉のリズムに合わせてテロップをわずかに遅らせたり、強調部分をハイライトにしたりと、視聴者の集中が切れないよう細かく調整しています。BGMはやさしいピアノを基調に、全体に温かく落ち着いた雰囲気を維持。医療や政策という硬い印象を和らげ、安心して見られるトーンに整えました。
全体としては、情報を整理するだけでなく、“医療に参加することへの前向きな気持ち”が自然に伝わるように意識した編集です。見終えた人が「自分にもできそう」と感じられる、やさしいリズムと余白を大切に仕上げました。