Videoアニメーション事業紹介動画　株式会社トヨタプロダクションエンジニアリング様

動画制作の背景

株式会社トヨタプロダクションエンジニアリング様（TPEC）は、自動車メーカー・トヨタの100％子会社2社が統合して2007年に設立された企業で、「製造準備」と呼ばれる領域を専門に担っています。これは、車の開発と製造の中間にあたる工程で、生産設備の設計やラインの最適化、改善提案などを通じて、よりよい車づくりを支える役割を担っています。
今回は、TPECがどのような仕事をしているのかを、小学生に向けて、難しい言葉を使わず、わかりやすく楽しく伝える事業紹介動画制作のご依頼をいただきました。特に「製造準備」や「デジタルエンジニアリング」といった普段あまり耳にしない分野に対して、子供たちが自然と興味を持てるような入り口をつくることが目的です。

動画の内容

親しみのあるキャラクターと明るい色調のイラストを用いたアニメーション動画です。専門性の高い内容であっても、「やさしい言葉で、順を追って、図解で説明する」という構成により、子供たちにもTPECの仕事を身近に感じてもらえるよう工夫しています。
TPECが担う「製造準備」という目に見えにくい仕事の価値を、やわらかいトーンと丁寧な構成で伝え、視聴後には「こんな仕事があるんだ」「自分もやってみたい」と感じてもらえるような内容です。

構成のポイント

この動画は、イベントで小学生に向けて上映されることを前提とした構成ですが、扱っているテーマは自動車づくりに関わる専門的な内容です。そのため、単に情報を詰め込むのではなく、できるだけ一つひとつの要素を丁寧に噛み砕いて伝えることを大切にしました。たとえば、シンプルに説明できそうな部分であっても、あえてシーン数を増やすことで視覚的な補足を加え、見ている子どもたちが自然と理解できるよう構成しています。
また、ナレーションの言葉やテロップに使う表現についても、言葉の難易度に気を配りながら、できるだけやさしい言い回しを選ぶようにしました。ただし、視聴するのは子どもだけではなく、保護者の方や教育関係者など大人も含まれることを考慮し、全体のトーンや演出が“子ども向けすぎる”印象にならないようにもバランスを取っています。
情報を分かりやすく伝えることと、視聴体験として心地よい流れを作ること。その両立を意識しながら、構成・演出ともに細部まで丁寧に設計していきました。

デザインのポイント

今回は“小学生にもわかりやすい動画”を目指して、ナレーションで伝えている情報や工程の動きなどを、できるだけ画面上のデザインにも反映させることを意識しました。ただ“説明を聞く”だけではなく、“見ているだけでも内容が伝わる”ことを目標に、視覚的なわかりやすさを重視しています。
ナビゲーター役のキャラクターを各所に配置し、ポップで親しみのある図解やアニメーションを多用することで、自然とストーリーに引き込まれるような画面づくりを心がけました。文字の大きさや色使いについても、小学生が直感的に読み取りやすくなるよう配慮しています。
特に「製造準備」という聞き慣れない工程については、一つひとつの流れを分解して見せることで、複雑になりすぎないよう注意しました。工程の順番や役割が段階的に理解できるように、動きのリズムや情報の出し方にも細かな調整を加えています。
また、全体を通して「車づくりってなんだか楽しそう！」と思ってもらえるよう、専門的な内容であっても難しく見えないようなデザインを意識しました。好奇心を引き出すことを大切にしながら、視聴後に少しでも“自分もやってみたい”と感じてもらえるような映像体験になるよう仕上げています。

編集のポイント

この動画では、かわいらしいアニメーションの絵柄や大きく見やすいテロップの特性を活かしながら、子どもたちにもすっと内容が伝わる映像づくりを目指しました。テロップやイラストにはリズムのある動きをつけて、見ていて楽しい印象を大切にしつつ、情報が頭に入りやすくなるよう編集しています。
また、音の演出についても、明るく元気な印象を与える効果音を取り入れ、画面の切り替えや情報の提示にテンポ感を持たせることで、最後まで飽きずに見てもらえるよう工夫しました。専門的な内容が多い構成だからこそ、映像そのものが心地よく流れていくことがとても重要だと考えています。
さらに、工場設備や機械の動きといった説明パートでは、アニメーションならではの強みを活かし、細かな動作にも一つひとつ動きを加えています。これにより、視聴者が実際の作業の流れを自然とイメージできるようになり、同時に映像としての完成度も高めています。
全体を通して、単に情報を並べるのではなく、“見て楽しい、見てわかる”動画になるよう、編集段階からひとつひとつの動きや間の取り方にまで丁寧に向き合いました。