Video乳がん患者様向け　商品紹介動画　株式会社ヌーブラジャパン様

動画制作の背景

株式会社ヌーブラジャパン様は、アメリカの医療機器メーカーの技術を取り入れ、日本人女性の体型に合わせた製品づくりを続けてきた実績を持つ下着ブランド「ヌーブラ」の日本総代理店です。今回新たに、乳がん手術後の女性のために開発された「貼り付けるタイプの人工乳房（ブレストケアヌーブラ）」を発売。とろけるような柔らかさと手軽さ、リーズナブルな価格が特徴です。今回は、医療従事者や乳がん患者、ご家族、メディアに向けてその意義と魅力を伝える、商品紹介動画の制作依頼をいただきました。

動画の内容

乳がん患者が直面する下着選びの悩みをイラストとナレーションで丁寧に描き出し、共感を得ながら「ブレストケアヌーブラ」の登場を自然に導く内容です。イラスト、写真、実写を組み合わせて展開され、視覚的にやわらかく、前向きな印象を持たせるデザインで構成されています。

構成のポイント

この動画は、乳がん手術を経験された方々に向けた新しい選択肢として“ブレストケアヌーブラ”を紹介するもので、まず大切にしたのは、“視聴者の心に寄り添う構成”にすることでした。わずか60秒という限られた時間の中で、商品スペックを伝えるだけではなく、“これは自分のためのものかもしれない”と自然に思っていただける流れを意識しています。
冒頭では、下着選びに不安や悩みを抱える乳がん患者様のリアルな気持ちをやさしいトーンのイラストで描き出し、共感を軸に映像へ引き込みます。そのあとで、“手術痕にやさしくフィットする”“温泉やプールでも使える”といった具体的な機能を、実際の使用イメージや動画素材を用いてわかりやすく紹介することで、視聴者が自然と自分の生活に重ねて想像できるよう工夫しました。
また、医療機器メーカーとヌーブラジャパンが共同開発したという信頼性のある背景を丁寧に見せることで、商品の説得力と安心感を高めています。画面全体の演出としては、草花のモチーフをあしらい、やさしさや希望を感じられるビジュアルに仕上げているのもポイントです。
ラストでは、“乳がん専用の下着に縛られず、自分らしいファッションを楽しめる”というポジティブなメッセージを込めることで、商品を通じて“前向きな気持ち”を後押しできるよう意識しました。単なる商品紹介ではなく、“生き方や気持ちに寄り添う選択肢”として自然に伝わる構成を目指しました。

デザインのポイント

この動画は、“展示会で目を引くこと”と“インパクトを重視したい”というご要望を受けて構成されたものでした。限られた時間の中でも、株式会社ヌーブラジャパン様のブランドイメージを大切にしながら、商品の機能性だけでなく“やさしさ”や“安心感”といった情緒的な価値までしっかり伝わるよう、デザイン面で丁寧に仕上げました。
ターゲットは乳がん手術後の女性であることを踏まえ、冒頭部分では、ファッションや日常に関心のある女性たちが“自然と視線を向けたくなる”ような、おしゃれでやわらかい色合いのイラストを採用しました。感情に寄り添うビジュアルで関心を引き込み、無理なく商品の説明へと繋げる導入を意識しています。
商品説明パートでは、実際の着用モデルの写真や撮影素材に、繊細な線画タッチのイラストを重ねることで、視覚的な柔らかさと親しみやすさを演出しました。このレイヤー構造により、医療向け製品でありながら“医療らしさ”にとらわれすぎない、前向きな商品イメージを構築しています。
また、「乳がん専用の下着だから仕方なく選ぶ」のではなく、「自分の好きな下着をまた選べる」「自分らしくいられる」といったポジティブな気持ちが自然と浮かび上がるようなトーンでまとめることを意識しました。視覚的な印象とストーリー性を両立させることで、展示会という多くの情報が並ぶ場面でも“しっかり目に留まる”“心に残る”動画になるようデザインしています。

編集のポイント

この編集で意識したのは、視聴者に訴求内容が分かりやすく伝わるようにテンポ良く、かつ丁寧に繋ぎ合わせることでした。
まず、製品の背景であるアメリカの医療メーカーとヌーブラジャパンの技術と経験に触れる部分 では、テロップやロゴの表示タイミングを少し長めに調整し、視聴者に「信頼感」がしっかりと伝わるよう意識しました。
製品の特長を説明するシーンでは、「とろけるような柔らかさ」というテキストは、イラストの動きに合わせてふんわりと表示されるようにし、視覚的な柔らかさを演出しています。また「一体感」を表現するカットでは、あえてカットを切り替えず少し長めに見せることで、製品の安定感が伝わるようにしました。 お悩みを解消するくだりでは、問題提起のカットから解決策のカットへ、スムーズかつ淀みないトランジション（画面切り替え）を用いることで、悩みが瞬時に解消されるような爽快感を演出しています。
最後のファッションを楽しむシーンでは、それまでの落ち着いたテンポから少しだけカット割りのリズムを速め、明るく前向きな気持ちになれるような、そんな映像全体の緩急を意識して編集作業を行いました。