動画の内容
この動画は、観光プロモーション映像における撮影・演出クオリティをお伝えすることを目的に企画した、自主制作のサンプル映像です。実在の観光地を舞台に、ロケーション選定から構成設計、撮影体制の組み立てまでを一貫して行い、観光案件を想定した形で制作しました。
舞台として選んだのは、鎌倉・江ノ島。鎌倉の「歴史ある和の情緒・豊かな緑」と、江ノ島の「開放的な海・リゾート感」という対照的な2つの魅力を融合させることで、現地を訪れてみたいと思わせるような映像美に溢れたPR動画を目指しました。
構成のポイント
今回の構成では、ナレーションをあえて使わず、音楽と映像だけでエリアの魅力を伝える設計にしています。言葉で説明するのではなく、視聴者が自分の感覚でその場の空気を受け取れるようにしたいと考え、このアプローチを選びました。
冒頭から鎌倉の寺院や自然のカットを入れることで、落ち着きのある雰囲気や歴史の深さを感じてもらう流れを意識しています。竹林や苔庭、お地蔵様といった細部のカットも織り交ぜることで、ただ名所を見せるだけでなく、その場所で過ごす時間の心地よさまで想像できるように工夫しました。
その一方で、後半に向かうにつれて江ノ島エリアの海や空の広がりを見せていくことで、空気感が一気に開けていくような流れをつくっています。歴史ある鎌倉の静けさから、江ノ島の開放感へと移り変わることで、同じエリアでありながら異なる楽しみ方ができることを自然に伝えられる構成にしています。
また、江ノ電のカットを要所に差し込むことで、それぞれのスポットが点ではなく線でつながっている印象を持ってもらえるようにしています。移動の風景を見せることで、実際に旅をしているような流れを感じてもらえるようにしたかった意図があります。
全体としては、情報を詰め込むのではなく、「行ってみたときの体験」を想像してもらうことを重視しています。映像のリズムや見せ方を通じて、鎌倉と江ノ島の魅力が自然と心に残るような構成を目指しました。
デザインのポイント
今回のデザインでは、まず「映像そのものをどう引き立てるか」という点を軸に考えました。鎌倉や江ノ島の風景は、それ自体に十分な魅力があるため、テロップが主張しすぎてしまうとその良さを損ねてしまう可能性があります。そこで、色は白を基調にし、配置も控えめにすることで、あくまで風景の中に自然に馴染むような設計を意識しています。情報を伝える役割は持たせつつも、視線を奪わないバランスを探りながら調整していきました。
フォントについては、和の雰囲気をどう表現するかを重視しています。鎌倉の寺院や街並みが持つ落ち着きや歴史を感じてもらうために、細めの明朝体をベースに選定しました。強さやインパクトを出すというよりも、上品さや静けさがにじむような見え方になるように整えています。
また、この動画は海外の方にも見てもらうことを想定しているため、日本語表記だけで完結させないようにしています。各スポット名にローマ字を添えることで、言葉が分からなくても場所を認識できるようにし、自然と受け入れられる見せ方になるよう工夫しました。情報量を増やしすぎず、シンプルなまま理解できる状態を目指しています。
さらに、タイトルや一部のコピーには縦書きを取り入れています。横書きだけで構成することもできますが、あえて縦の流れを入れることで、日本らしさや旅の雰囲気を感じてもらえるようにしたいと考えました。雑誌の表紙のような見え方も意識しながら、画面に少し余白やリズムが生まれるように設計しています。
全体としては、情報を足していくというよりも、どこまで削ぎ落とすかを意識したデザインにしています。風景と文字がぶつからず、ひとつの空気としてまとまるように整えることで、見終わったあとに余韻が残るような仕上がりになるよう工夫を重ねました。
撮影のポイント
今回の撮影では、鎌倉と江ノ島それぞれが持つ空気の違いを、できるだけそのまま感じてもらえるように意識しました。特に鎌倉の寺院や竹林のシーンでは、光の入り方や影の出方を大切にしながら、静けさや落ち着いた時間の流れが伝わるような画づくりを心がけています。強い演出を加えるというよりも、その場にある自然の雰囲気を丁寧に拾っていくような撮影を意識しました。
一方で、江ノ島の海や空のカットでは、開放感をしっかり感じてもらえるように、広がりを意識したアングルや動きのあるカメラワークを取り入れています。特に上空からのカットや海岸線のシーンでは、視点が一気に広がるような見せ方を意識して、鎌倉パートとのコントラストが自然に出るように工夫しました。
また、江ノ電のシーンについては、ただ電車を撮るのではなく、街並みや海と一緒に収めることで、このエリアならではの風情が伝わるようにしています。車窓の動きやトンネルを抜ける瞬間なども取り入れることで、実際にその場を移動しているような感覚を持ってもらえるように意識しました。
全体を通しては、観光地としての「情報」を押し出すのではなく、その場所に身を置いたときの感覚を映像で表現できるようにしたいと考えています。そのために、光・風・奥行きといった要素を丁寧に捉えながら、見る人が自然とその場を想像できるような撮影を目指しました。
編集のポイント
今回の編集では、観光地を紹介するというよりも、「実際にその場を巡っている感覚をどうつくるか」を軸に組み立てていきました。そのために意識したのが、鎌倉と江ノ島それぞれの空気の違いを、編集の流れで自然に感じてもらうことです。前半は寺院や竹林など落ち着いたカットを中心にゆったりとつなぎ、時間がゆっくり流れているような印象になるよう整えています。そこから江ノ電のカットをきっかけに、後半は海や空の広がりを感じるカットへと切り替えることで、同じエリアでも違う楽しみ方ができる流れになるように意識しました。
つなぎに関しては、できるだけ編集の存在を感じさせないようにしています。派手な切り替えは使わず、カット同士が自然につながっていくような構成にすることで、視聴者が映像の中に入り込めるようにしたかった狙いがあります。場面が変わっても違和感が出ないように、動きや構図の流れも見ながら細かく調整しています。
音については、BGMの流れに合わせてカットのリズムを組んでいます。音が静かになるタイミングでは落ち着いたカットを置き、広がる場面では引きの画を入れることで、音と映像が自然に重なるようにしています。説明がなくても感情の起伏が伝わるように、このリズム設計は特に意識した部分です。
色味についても、撮影素材をそのまま使うのではなく、少しだけ整えることで全体の統一感を出しています。鎌倉のシーンでは落ち着いた緑の深みを、江ノ島のシーンでは明るさや爽やかさを感じられるように調整し、場所ごとの空気感がより伝わるようにしています。
全体としては、情報を増やすのではなく、どこまで削ぐかを大切にしています。ナレーションや細かい説明をあえて入れないことで、見る人が自分なりに感じ取れる余白を残すようにし、その結果として「行ってみたい」という気持ちにつながる流れになるように仕上げていきました。
関連動画
物件紹介ルームツアー動画制作事例
AIRDOブランディングムービー第2段
コーヒーサイネージ用商品動画制作事例