VideoIR向け事業紹介動画事例　スター精密株式会社様

動画制作の背景

スター精密株式会社様は、「スイス型CNC自動旋盤」をはじめとする工作機械や、小型プリンターの製造・販売を行うメーカーです。日本国内に加え、アメリカ、イギリス、スイス、ドイツなど海外にも販売拠点を持ち、グローバルに製品を展開しています。
今回は、主力製品である「スイス型CNC自動旋盤」の技術や強みをわかりやすく紹介する動画のご依頼をいただきました。国内外の取引先や潜在顧客に対して企業の魅力をより深く伝えることを目的としています。また、社内で培われた「ユーザーのための機械づくり」という姿勢を通じて、ブランドへの信頼感を育てる目的もあります。

動画の内容

イラストとアニメーションによって製品の仕組みや特長をわかりやすく伝える構成になっています。実際の切削工程を図解やスライドで示したり、1ミクロン単位の加工精度を視覚的に強調したりすることで、視聴者が製品の性能や精度を実感できるよう工夫されています。演出としては、ポップアップやスライドアニメーションを取り入れ、情報の整理や理解を助けています。また、「剛性のスター」と呼ばれる企業のこだわりや、熟練技術者の技によって支えられていることを、工程紹介や職人作業のアニメーションで描くことで、信頼性や技術力の高さも印象づける構成です。

構成のポイント

今回の映像では、スター精密さんの製品であるスイス型CNC自動旋盤が、どのように私たちの生活を支えているのかを、できるだけかたくならずに伝えることを意識しました。最初は“工作機械って何？”というところから丁寧に入り、イラストやアニメーションを使って日常生活とのつながりを見せるようにしています。構成の初期段階から、視聴者が自然と興味を持てるように、工場の内部や加工の流れをなぞるような映像の運びにしました。
中盤では、スイス型CNC自動旋盤がどういった仕組みで動いているのかを、複雑になりすぎないよう図解で説明しています。たとえば“鉛筆削りのように”という表現や、1/1000ミリの加工精度を虫眼鏡で見せるなど、専門的な話でも身近に感じてもらえるよう工夫しました。また、24時間無人で動く工程や、削られていく部品の動きをテンポよく見せることで、機械の精度と生産性の高さを直感的に伝えられるようにしています。
終盤にかけては、スター精密さんが長年大切にしてきた“ユーザーのための機械づくり”という姿勢を、ものづくりへのこだわりや熟練技術者の手仕事を通して描いています。設計と加工の様子をアニメーションで丁寧に見せることで、視聴後に信頼感が残るような演出を心がけました。あえてナレーションは説明調に寄りすぎず、リズムのある構成にすることで、最後まで気持ちよく見てもらえる動画を目指しました。

デザインのポイント

デザインチームでは“機械の動きをどうすればわかりやすく見せられるか”という点を重視しました。中でも、スター精密さんが手がけるスイス型CNC自動旋盤の特徴や仕組みは、専門的な内容が多く含まれているため、専門知識がない方でもスムーズに理解できるよう、全体をやわらかな印象に統一しながら構成をさらに広げていきました。
機械の刃がどう動き、どのように素材を削っていくのかという部分は、実際の製品稼働映像を何度も確認しながら、アニメーションでできる限り忠実に再現しています。細かい動きや削り方にこだわることで、見るだけで仕組みが伝わる映像表現になるよう心がけました。
製品の種類や構造については、専門用語ばかりが並ばないように工夫しながら、イラストレーターと連携して分かりやすく、かつ親しみを感じられるタッチのイラストを作成してもらいました。複雑な構造をそのまま表現するのではなく、見る人が“なるほど”と感じられるようなデフォルメを加えてもらうことで、視覚的なストレスを減らすことも意識しています。
また、構成上の見せ場として、1日の製造工程を早送りで見せるアニメーションや、創業から現在までの歩みをなぞる沿革パート、そして機械が一つひとつ組み上がっていく様子を描いた工程シーンも盛り込んでいます。これらは情報を伝えるだけでなく、映像としてのリズムや見応えを持たせるための大切なパートだと考え、動きや展開のテンポにもこだわりました。
最終的に、専門性と親しみやすさ、そして視覚的な理解のしやすさを両立したデザインに仕上げられるよう、設計からアニメーション、仕上げまで一貫して丁寧に取り組んでいます。

編集のポイント

編集にあたってまず意識したのは、専門的な内容をいかにテンポよく、飽きずに最後まで見てもらえる構成にできるかという点です。工作機械やその仕組みについての説明が中心になるため、単調にならないよう、画面の展開やカメラワークのリズムには特に気を配りました。たとえば、工場内のラインを横にスライドさせながら工程を見せるシーンでは、視線の流れを自然に誘導できるよう、動きに緩急をつけて構成しています。
また、マシニングセンターや旋盤の仕組みを説明するパートでは、材料の動きや刃の回転がしっかり伝わるよう、カットの切り替えや拡大タイミングを細かく調整しました。刃が素材にあたる瞬間や部品がポップアップする流れなど、リアリティを感じられる編集になるよう、映像に合わせて音の演出やテロップの出現タイミングにも工夫を加えています。
中盤以降に出てくる“1日の製造工程”や“世界中の拠点紹介”といった場面では、情報量が多くなるぶん、見ていて疲れないテンポ感を意識しました。時計の針が進む描写や、地点を線でつないでいく演出など、動きに変化を持たせることで視聴者の集中力を保てるように編集しています。
終盤の沿革シーンでは、視覚的な積み重ねの印象を大切にしながら、これまでの歩みが“つながってきた”ことが伝わるようなカットのつなぎ方にしました。静と動をうまく切り替えながら、最後のメッセージに向けて自然と流れていくような編集を目指しました。
全体を通して、説明的になりすぎず、かといって伝えるべきことはしっかり残す。そんなバランスを意識して、一つひとつのカットのつながりを丁寧に組み立てていきました。