動画編集を副業として、大きな稼ぎを得たいと考える人は年々増えてきています。初心者でも簡単にできると考えられていることから、男女を問わず多くの人が動画編集に関心を持っています。
しかし、動画編集には膨大な時間がかかり細かい作業なども多いため、人によっては挫折してしまうこともあるでしょう。今回は、動画編集をやってみたい・クリエイターになりたい人向けに、動画編集に必要なスキルやおすすめのソフト、スキルの身に付け方などをご紹介します。
動画編集に必要なスキル【作業編】
動画編集で行う作業は多く、高いクオリティを求めるのであれば、どの項目も必要不可欠です。まずは、動画編集に必要な作業スキルを詳しくご紹介しましょう。
動画のカット
基本的には1つの長い動画から必要な部分や見てほしい部分を選び、必要な部分が決まったら、必要のない部分を切り取っていきます。それぞれのシーンをつないで1つにまとめることもカット作業の1つです。視聴者に最後まで見てもらえるかは、このカット作業にかかっていると言っても過言でないほど重要な作業です。
カット自体は初心者でもできる簡単なものですが、動きのあるシーンや喋っているシーンなども突然カットしないようにするなど、注意すべきポイントの多い作業となっています。また、動画を最初から最後までチェックしなければならないため、時間がかかることもカット作業の特徴です。
ノイズの除去
動画の見やすさや音声の聞きやすさをアップさせる作業です。動画を撮影した時に入ってしまった風の音や空調音、物音を除去したり、映像にモザイクのようなノイズが入ってしまったりした時に行います。
除去といっても完全に消すのではなく、気にならない程度までノイズを抑えることが目的の作業です。ノイズ除去機能は基本的に、動画編集ソフトに備わっていることが多く、作業自体はとても簡単です。
動画編集の定番ソフトでもあるPremiere Proにもノイズ除去機能が備わっているほど、基本的なスキルとなっています。ただし、過剰な補正によって不自然になってしまうこともあるので、違和感のない動画にするには技術が必要になります。
色調補正
2台以上のカメラでの撮影になると、カメラによって映り方が異なることから、つなげた時に不自然になってしまいます。そんな違和感を改善するための作業が色調補正です。
また、映像をイメージどおりの雰囲気に調整することもできるため、動画のコンセプトによって雰囲気をコントロールすることが可能です。明るい雰囲気の動画にしたいのか、暗い雰囲気を演出したいのかなどによって明るさやコントラストの設定値が変わります。イメージどおりの動画を作りたい、動画によって雰囲気を変えたい場合には、色調補正のスキルが欠かせません。
BGMや効果音の挿入
BGMや効果音の挿入も動画編集で必要不可欠なスキルです。動画の雰囲気やイメージを変えられるのはもちろん、聴覚に刺激を与えられるので、より分かりやすく楽しめる動画が作れます。特に効果音は、有名YouTuberも多く取り入れており、1秒に1回使用していることもあるほど重要な要素です。
BGM・効果音を挿入する作業では、適切なタイミング・雰囲気・音量バランスを見極めるスキルが必要です。他にも、テロップと同時に効果音を出す・人や物の動きに合わせて音を出すなど、多くのポイントがあるため、難しい作業の1つでもあります。
テロップの挿入
タイトルや字幕を挿入する作業を、テロップ挿入と言います。動画の内容がわかりやすくなるだけでなく、視覚的な刺激を与えられるため、途中離脱防止効果が期待できます。
しかし、誤字や脱字があると、視聴者へ違和感や不信感を与えてしまうケースもあるでしょう。テロップの挿入は、長い動画であるほど大変で、忍耐力に加えて集中力も必要となる作業なので、苦手とする人も少なくありません。他にも、動画の雰囲気に合わせてデザインを考えたり、人物によってカラーを変更したりするなど、考えなければならないことが多いです。
エフェクトの挿入
テロップに動きを付けたりする作業で、テロップの挿入と同様、動画の内容がわかりやすくなったり視覚的な刺激を与えられたりと、多くのメリットがあります。クオリティの高い動画を作りたい、視聴者の印象に残る動画を作りたい場合は、エフェクト挿入のスキルは必須です。
しかし、エフェクトは多い方が良いというわけでもありません。エフェクトをかけすぎると、伝えたい内容が伝わりづらくなってしまうかもしれません。やはり適切なタイミングや雰囲気に合わせたエフェクトを選ぶスキルが必要になります。
動画編集に必要なスキル【副業編】
次に、動画編集を副業にする場合に必要なスキルを細かく解説していきます。副業で動画編集を始めたい方はぜひチェックしてみてください。
営業能力
動画編集スキルがあっても仕事がなければ稼ぎにはつながらないため、営業能力は動画編集で稼いでいくために欠かせないスキルです。基本的には動画クリエイターや起業などにアプローチをかけ、自分で仕事を集めていきます。
アプローチ方法としては、動画編集の実績をわかりやすく伝えるためにポートフォリオを作成する、顧客が依頼したくなるような営業文を書くなどが挙げられます。もちろん価格交渉も自ら行っていく必要があるため、高単価の仕事につなげていくためにも、交渉力も必要です。
ただ高単価のために交渉するのではなく、時には譲歩しなければならないこともあるため、その押し引きが難しいと言われています。営業能力は、経験を積んでスキルを高めるのはもちろん、本やネットなどで簡単に学べるのも特徴の1つです。
コミュニケーション能力
動画編集の仕事を獲得できるかは、営業能力に加えてコミュニケーション能力も必要です。仕事を受注する時だけでなく、動画を納品しOKが出るまでの間は顧客とのやり取りが発生します。そのやり取りが今後の仕事獲得にもつながるため、スピーディーなレスポンスや言葉遣い、納期を厳守する誠実さなどが重要です。
連絡が遅かったり納期を守らなかったりすると、顧客が不安になり、不信感を与えてしまいます。最悪の場合、取引中止という事態になってしまうこともあるため、最低限のコミュニケーションスキルは持っておきましょう。
とはいえ、コミュニケーションを取る上で気を付けなければならないことも多いです。コミュニケーション能力に自信がない人は、相手の身になって考えて行動してみましょう。
マーケティング能力
顧客がどのような層に向けた動画を制作しているのか、視聴者はどれくらいいるのか、視聴者は動画に何を求めているのかなどの情報をリサーチしたり、分析したりするのがマーケティング能力です。
動画編集では、顧客だけでなく、その視聴者のニーズも汲み取らなければならないため、データ収集などの入念な準備が必要になります。動画編集のスキルが高くても、顧客が作ってほしい動画でなかったり、視聴者が求める雰囲気でなかったりすると、質の低い動画になってしまうのです。
継続的な仕事や単価上昇を狙うためには、いかに顧客と視聴者が求めるものを詰め込めるかにかかっています。マーケティングは本やネットだけでなく、オンラインスクールなどでも学ぶことが可能です。資格なども豊富なので、動画編集で大きな稼ぎを得たい人は挑戦してみると良いかもしれません。
動画編集に必要なスキル【応用編】
ワンランク上の動画を制作するために必要なスキルをご紹介していきます。仕事の幅を広げるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
情報収集スキル
動画編集作業では情報のアップデートも大切です。動画編集は変化が激しく、すぐに流行やトレンドが変わってしまいます。編集の際に使用するソフトウェアに関しても定期的に情報が更新され、最新技術を搭載したソフトが誕生するケースもあります。
そのため、昨日まで活躍していたノウハウや知識が使えなくなってしまうケースも少なくありません。常にアンテナを張り、世の中の流行に敏感な人間になりましょう。最新のトレンドを押さえた動画が制作できれば、多くの人の目に留まる動画を作れます。依頼される仕事量も増えるので情報集スキルは動画編集には欠かせません。
YouTubeを運営するスキル
動画編集者としてさらなる知識を求めるなら、YouTubeを運営するためのスキルを身に付けましょう。作成した動画はYouTubeを活用して配信する企業も多いです。そのため、YouTubeにアップする動画の企画や構成をはじめ、分析や改善にまで対応できるようになれば、自社で活躍できる人材へと成長できます。
ディレクションスキル
チームで動画編集を行えるよう仲間に案件を割り振る作業やスケジュール管理を行うことをディレクションと言います。動画編集は1人でも可能ですが、案件が増えてしまえば限界もあります。作業効率を高めたとしても思うように編集が進まない可能性もあるので、編集チームを作れば仲間と一緒に作業を行えるのでスムーズな編集が可能です。
YouTubeの運営スキルとディレクションスキルの両方を持っていれば、YouTubeの運営代行案件も獲得できるようになり、業務の幅も広げられます。
コミュニケーションスキル
動画制作ではコミュニケーションスキルも重要です。チーム制となって編集をするのであれば、仲間同士でコミュニケーションを取らなければミスの発生といったリスクがあります。
報告をしあいながら作業ができる、不安要素があれば相談するなど、基本的なコミュニケーション能力だけあれば十分なので、スムーズに動画編集ができるようコミュニケーションを意識しながら作業をしていきましょう。
デザインスキル
レベルの高いワンランク上の動画を作るためにもデザインスキルを身に付けることは有効な手段です。例えば、WEBデザインに関する知識があれば動画のサムネイル画像のデザインも自身で行えるようになります。
視聴者の目を引くようなサムネイルがデザインできれば、閲覧数アップが期待できます。動画経由での成約数が上がる可能性も秘めているので、ビジネスに大きな影響を与えるでしょう。
また、デザインスキルがあれば演出の幅も広がります。デザイン視点で動画構成や演出を考えられるので視聴者を惹きつけられるような動画編集が可能です。魅力的な動画制作ができるよう、WEBデザインスキルの獲得も検討してみてください。
動画編集で利用しておくと良いおすすめソフト3選
ここからは、動画編集で活用できるおすすめのソフトウェアをご紹介していきます。ソフトの使用スキルが高められれば、高評価が得られる動画編集が可能です。
Adobe After Effects
Adobe After Effectsは、動画編集の中でも素材に対して特殊効果を追加できるエフェクト機能を担当するソフトです。AIテクノロジーを使った動画編集も可能で、映像を解析して不要なものを塗りつぶす機能や、映像に合わせたエフェクトを追加することも可能です。
その他にも、マスキング機能やトラッキング機能で動きに合わせた映像の加工が可能です。テキストやグラフィックを回転させたり小刻みに動かしたりなど、平面デザインをアニメーション化することも可能で単調な映像でも動きのある動画に変化させられます。躍動感のある動画制作をしたい場合にはAdobe After Effectsのスキルを磨いていきましょう。
費用：2,728円/月（税込）
Adobe Premiere Pro
Premiere Proは世界中に愛用者がいる動画編集ソフトです。動画のカットやBGMの挿入、テロップの作成など、基本的な作業をAdobe Premiere Proを活用すれば実施でき、実際に有名YouTuberも活用しています。日本映画でもPremiere Proが使われており、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」や「シン・ゴジラ」などの作品で使用されていました。
プロ仕様のソフトなので「初心者では使いにくいのでは」と考える方もいますが、使いやすいのでおすすめできるソフトです。動画クリエイターによる組み込みのチュートリアルや使い方ガイドが掲載されているので、学びながら実践できる点も魅力です。
費用：2,728円/月（税込）
Adobe Photoshop
Adobe Photoshopは画像編集アプリです。動画編集には関係ないスキルだと考える方もいますが、動画内に挿入する画像やイラストを用意する必要があり、YouTubeのサムネイルを作るためには画像編集に関するスキルが欠かせません。
Adobe Photoshopでは、以下の機能が搭載されています。
・色や明るさ調整
・ぼかし
・画像の切り抜き
・傾き補正
・合成写真作成
・モノクロ写真のカラー化
・背景削除
写真以外にも手描きイラストに色を付ける機能や、ペンタブを使用して絵を描く作業もできます。使い方次第で印象に残る画像が編集できるので、Adobe Photoshopのスキルを身に付ければより魅力的な動画制作が可能です。
費用：2,728円/月（税込）
なお、Photoshopに関するより詳しい機能については、以下の記事もチェックしてみてください。
関連リンク
その他関連リンク
初心者必見！動画編集スキルを身に付けるコツ
スムーズに効率的に動画編集を行うためにも編集スキルを身に付けなければいけません。しかし、動画編集スキルを身に付ける方法は複数あります。初心者でも挑戦しやすい学習方法を解説していくので、自身に合った方法を見つけ出すためにも参考にしてください。
本・書籍で学ぶ
独学でのスキルアップには書籍がおすすめです。書店に行くと編集ソフトの運営会社による書籍や映像クリエイターによる書籍など、動画編集に関する書籍が複数あります。基本的な内容から応用編まで様々な内容が記されているのでゼロから学びたい時には有効な手段です。
情報量の割には価格も1冊1,000円からと安いので手軽に学べる点も魅力です。ただし、自分が使いたい機能や気になる機能について調べる際に手間取ってしまう可能性もあります。書籍を購入する際には内容をしっかりと確認し、調べたい情報が掲載されているかチェックしましょう。
YouTubeで学ぶ
独学での勉強法ではYouTubeの活用もおすすめです。書籍ではイメージしにくい内容でも動画で説明されれば操作方法を目で見て覚えられるので初心者でもわかりやすい特徴があります。カットやテロップの挿入、BGMや効果音の挿入など、基本的なスキルに関しても実際の編集画面を見ながら学べます。
YouTubeであれば費用をかけずに学べるので、他の方法と合わせて活用するのもおすすめです。書籍だけでは理解できなかった部分もYouTubeを活用すれば知識を増やすことにつながります。
前述したAdobe Premiere Proを使った編集方法も多数紹介されているので、Adobe Premiere Proの操作方法を学びたい方にもおすすめの勉強法です。
オンライン学習サイトで学ぶ
オンライン学習サイトでも動画編集に関するスキルをアップできます。学習サイトによって初心者から上級者までカリキュラムがあるので、自分のレベルに合わせた学習が可能です。
例えば、世界最大級の動画学習プラットホームとして知られるUdemy（ユーデミー）では、配信している動画を流しながら実際に自分でも編集ソフトを操作できます。実践的な学習をしたい方にとっては最適な勉強法です。
学習サイトによっては質問ができるところもあるので、わからない部分はすぐに解決できます。ただし、学ぶためには費用がかかります。サイトによって費用に違いがあるので、あらかじめ確認しておきましょう。
スクールに通う
「書籍やYouTubeを使った学び方ではスキルの習得に自信が持てない」と感じるならスクールを受講しましょう。スクールであれば、動画クリエイターによる指導が受けられるので疑問はすぐに解決でき、挫折せずに学び続けられます。
ただし、独学と比較すると費用がかかる点がデメリットです。受講料だけではなく入会金が必要になるスクールもあるため、数万円～数十万円程度の費用が発生します。学べる内容でスクール選びをすることも大切ですが、予算の範囲内で通えるスクールを選ぶと長く続けられます。
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まとめ
動画制作はソフトを活用すれば誰でも編集が可能です。しかし、編集するためには必要な機材を揃えるだけではなく、スキルが必要になります。スキルを身に付けるためには、書籍やYouTubeなどを活用すれば独学で学べ、不安であればスクールもあるので目的に合わせた学びが可能です。
しかし、初心者であれば「ソフトが使いにくい」「思うような動画が作れない」など、悩むことも多いです。そんな時には、動画制作や映像制作を実施する会社への依頼がおすすめです。
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