老若男女、国内外を問わず多くの方が利用しているSNSでは、ここ数年で動画広告数がかなり多く配信されるようになりました。
これまで広告というと資金に余裕のある大手企業が新聞やテレビなどのマスメディアを使って広告を配信していましたが、現在はSNSを活用することで、多くの方に対しマスメディアでの広告よりも格安で宣伝することができるようになっています。
そのため、中小企業でSNSへの動画広告配信に力を入れているところも少なくありません。
そんなSNS上での動画広告ですが、マーケティングとして成功させるにはどうすれば良いのでしょうか?
今回はSNSで動画広告を成功させるために知っておきたいポイントをいくつかご紹介していきます。
これから動画広告の制作を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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まずは動画・映像広告の目的を明確にする
動画広告を制作するよりも最初に決めておかなくてはならないことがあります。
それは、目的とターゲットです。この2つは動画広告だけに言えるものではなく、動画マーケティング全般にも言えます。
動画マーケティングで目的をどこに設定するのかによって制作する動画内容も異なってきます。
消費者が商品を購入するまでに、5段階のステージがあると言われています。
関心
理解
納得
判断
購入
最初の「関心」は、商品を知ってもらい関心・興味を持ってもらうことが重要となります。
商品を知らなければマーケティングの流れを始められません。
商品に関心を持ってもらうようにするためにも、動画広告は商品やサービスのブランディングやティザー動画などが有効です。
ブランディング動画はその商品や企業に対するブランド力を高めるための動画となります。
また、ティザー動画はあえて商品やサービスに対して強くアピールするのではなく、消費者の興味をとにかく引き立てるための内容で制作されます。
ブランディングやティザーはどちらかというと動画広告から訴求を狙うというより、興味を持ってもらうことで認知度を高めること、または興味を持った消費者が検索して公式ホームページにたどり着くことを狙っていきます。
「理解」は商品・サービスを知ってもらうことが目的となるため、上記の「関心」よりも商品・サービスを使うとこんなメリットがあるということをアピールする動画広告を制作する必要があります。
マーケティングとしては、この「理解」から動画広告を制作したり、「理解」を目的とした動画広告のみを制作したりするケースもありますが、ここで制作された動画広告だけでは訴求アピールが強すぎてしまい、消費者の購入につながらないこともあるので注意が必要です。
「納得」は、商品やサービスに関する理解を深めてから、商品価値を納得してもらうための材料を動画広告で提供する必要があります。
例えば、商品の良い部分は「理解」を目的とした動画広告で制作していますが、具体的な活用方法だったり、他社の類似商品とどのような違いがあったりするのかは「納得」を目的とした動画広告で制作していきます。
「理解」を目的とした動画広告の理由付けとして、「なるほど」と思わせるのが「納得」を目的とした動画広告になります。
続いての「判断」は、商品やサービス購入の一歩前にある消費者の不安を取り除くことを目的としています。
この不安が取り除かれれば商品やサービスを購入するという判断ができ、購入につながるのです。
動画広告の内容としては、利用者の声や事例紹介などが効果的と言えます。実際に利用したことがある人の感想を聞くことで、自分が使用した際のイメージを思い浮かべやすくなり、不安も解消しやすくなるでしょう。
アメリカでの調査となりますが、動画広告の中で一番活用されている動画の内容が事例やケーススタディであったという結果も出ています。
最後の「購入」は単純に購入してもらうためを目的としているのではなく、1回の購入からリピーター・ファンにするということが目的になります。
そのため、動画広告は商品を購入した人にとって有益な内容にしなくてはなりません。
「よくある質問」や「アップデート情報」などを細かく提供していくことでリピーターにつながります。
上記のいずれかの目的を設定することが重要となりますが、SNSで成功する動画広告の多くは、「関心」「理解」で、中でも「関心」を目的としている動画広告がほとんどです。
「関心」を目的としている動画広告が多いのは、SNS上の動画広告は多くのユーザーにとって不快感を示しやすいものだからです。
例えば、Xをしている時にタイムラインに動画広告が表示された際、その読み込み時間が長かったり、フォローしている人の動画だと勘違いして見ていると動画広告で、時間がもったいないと感じたりする人もいます。
不快感を抱かれやすいのに、商品紹介の動画広告や商品を深く知ってもらうための動画広告を配信しても逆効果となってしまいます。
しかし、「関心」を目的としたブランディングやティザー動画は訴求を狙うより認知度を向上させることが目的なので、動画内容によっては不快感につながらないように制作することも可能なのです。
今ではSNSでもターゲティングをあらかじめ設定して動画広告を配信することができるので、比較的興味が起きやすい人に対して配信することができるのですが、それでも不快感を抱く人はいるので「関心」を目的とした動画広告を制作した方が良いでしょう。
成功する動画広告・映像広告はどんな形式で作成する?
ここからは、実際に動画広告で成功するために押さえておきたい作成ポイントについてご紹介していきます。
前述したように、SNSでの動画広告利用率は年々伸びてきており、Facebookやインスタグラム、Xなどのタイムライン上にアップする動画広告は良く見られるようになってきました。
そもそも、視聴者自身が動画広告の内容を覚えていやすいのはSNS上のタイムラインに配信されるものが多いと言われています。
しかし、数多くの動画広告を目にするようになってきたからこそ、企業が無知な状態で動画広告を配信すると失敗する可能性もあります。
そういった事態を避けるためにも、予め動画広告のポイントを理解しておく必要があるのです。
宣伝したいメッセージは冒頭で
まず、1つ目に押さえておきたいポイントとして、企業が最も宣伝したい内容は動画の冒頭に持ってくるということが挙げられます。
それは、企業によって自社製品の魅力であったり、サービスの特徴であったりと様々です。
強く伝えたいメッセージを冒頭に持ってくることで、視聴者はインパクトを感じたり注目しようとして意識的に動画広告を観てくれたりするようになります。
逆に視聴者の興味を引くことができなれければ、そのほかのタイムラインへと移ってしまう可能性が高くなってしまいます。
動画の冒頭でいかにユーザーの興味を引くことができるかは大きなポイントになるでしょう。
統計データによると、最初の5秒で視聴されるか、スキップされるかが決まると言われています。
しかし、これはYouTube内で展開されている動画広告の話であり、SNSにはつながりません。
なぜなら、スワイプで違う投稿を見るまでに5秒もかからないためです。
SNSの動画広告を見てもらうなら、5秒よりも早くインパクトを与える必要があります。
字幕付きにする
動画広告に字幕を使うということについては、あまりピンとこない企業も多いのではないでしょうか?しかし、アメリカのメディア・エージェンシーによれば、動画広告のほとんどが無音で視聴されていることがわかっています。
ユーザーは、電車の中やバスの中などの移動中や就寝前などは、音を消して動画を観ることが多いと言われています。
では、作成した動画広告を音声オフで観た場合、どのような印象を受けるでしょうか?
音なしで観ている視聴者の多くは、「字幕があれば良いのに」という印象を受けることでしょう。
企業が独自に動画広告を作成する際には、音声をオフにしていても動画の内容が理解できるよう工夫する必要があるのです。
そのために、字幕は大きな効果をもたらすことでしょう。
シンプルなものにする
動画広告の適切な長さというのは、約60秒~90秒以内と言われています。あまりにも長い動画になってしまうと内容を作成するのも困難になりますし、ユーザーを引き留めておけるよう工夫しなければなりません。
長さだけでなく、動画広告の中でユーザーに伝えるメッセージは、シンプルにすることでより伝わりやすくなるでしょう。
ゴールを決める
動画広告における成功の定義を決めることも大切なポイントです。
成功の定義を踏まえ、その分析をどのように行うのかを考えることも重要と言えます。
動画の視聴者がどのように視聴したのかを解析することで、その後のゴールに向けた取り組みを勧めていくことができるでしょう。
スクエア動画・映像を利用する
Facebookやインスタグラム、XなどのSNSユーザーのほとんどは、パソコンからではなくスマートフォンから動画広告を観ることが多いと言われています。
そのため、違和感なくタイムラインに動画広告を表示することができるかも抑えておきたいポイントです。
スマートフォンにも違和感なく表示するためには、スクエア動画です。
スクエア動画はその名の通り正方形動画のことで、縦型のスマホ画面上で動画以外の情報をその上下に同時に発信することもできるのが特徴です。
スクエアタイプの動画広告・映像広告事例
上記でも触れましたが、約1分程度の長さが一般的な動画広告は、スマートフォンから視聴しても違和感のないよう正方形のスクエア動画として配信されていることが多いです。
スクエア動画は、企業の動画広告にも適していると言えます。
その理由は、尺が短く、内容をコンパクトにまとめた動画を作成することによって、新しい動画の形として適切に情報発信ができるからと言えるでしょう。
中でもスクエア動画は、従来の横型動画よりも視聴率が高く、動画を最後まで観る割合も高いとされています。
SNS上では、画面の占有率が高いスクエア動画はユーザーにインパクトを与えることができ、動画視聴へと引き付けられるポイントになっているのです。
実際に企業ではスクエア動画を採用している所もあり、SNSで視聴率を獲得していく上で効果的な方法であるとされています。
では、実際にスクエア動画を採用している企業の事例を紹介していきましょう。
LASH(ラッシュ)
ボディソープや入浴剤などで親しまれ、多くのファンがいるLASHでは、Facebook上でスクエア動画の投稿をしている企業の1つです。
スマホでFacebookを起動し動画を閲覧すると、いつでも公式サイトにアクセスできるようになっています。
IKEA(イケア)
インテリアから日用雑貨まで幅広い商品の販売を行っているIKEAでも、スクエア動画を採用しています。
IKEAのスクエア動画は、IKEAが販売している商品のプロモーション動画が多く、ある照明のプロモーション動画では、シーンに合わせてライトの使い方を変更できるという魅力を数十秒の動画にしています。
たった数十秒なので、無意識に手を止めて視聴するユーザーも多いでしょうし、インパクトもあり認知度を有効に上げることができるでしょう。
スクエア動画では、そのほかの動画広告と同じように商品の紹介やサービスの宣伝が多くなっています。
しかし、企業情報や期間限定のキャンペーンなどを紹介する目的でも、インパクトは大きいと言えるのではないでしょうか?
スクエア動画は、動画視聴率が比較的高く、動画の尺が短くなっているものが多いことや、スライドショーのような感覚で視聴しやすいということなどの特徴があり、それぞれが大きなメリットとなっています。
今回は、SNSで動画広告を成功させるために理解しておきたいポイントについて紹介してきましたがいかがでしたか?中でも、SNSユーザーからも注目されやすいスクエア動画はコンパクトにまとめられている動画にすることができるため、成功事例も出てきています。
ただ、まだスクエア動画を採用している企業は少なく、今後は活用する企業も増えていくことが予想されます。
スクエア動画は低コストで作成できる上、企業情報やプレリリースについてもスタートしやすいと言えるでしょう。
より自社商品やサービスの認知度を上げて支持してもらうには、動画広告で成功するポイントを理解し、実践していくことが大切です。