映画館に行った際、本編上映前に流れる動画広告を「シネアド」といいます。この記事では、シネアドとはどのようなものか、特徴やメリット・デメリットを解説するとともに、効果的に活用するポイントやシネアドの成功事例をご紹介します。
シネアドについて知りたい方はもちろん、シネアドの活用を検討中の方は、ぜひ最後までお読みください。
シネアドとは何か
シネアドとは、映画館で本編上映前に流れる動画広告のことです。「シネマアドバタイジング」の略称であり、シネマ広告、映画CMとも呼ばれています。シネアドは映画を見に来る観客の属性に合わせてターゲティングできるため、高い訴求効果が期待できます。
また、映画館の巨大スクリーンに広告を流すため、視聴者の注目を集めやすい、印象に残りやすいといった効果もあります。シネアド以外にも、広告表現や広告メディアは複数ありますが、広告体験を最大化するには、目的に見合った表現やメディア選びを行うことが大切です。
シネアド以外の広告表現や広告メディアについて知りたい方は、下記リンク先もチェックしてみてください。
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シネアドの特徴とメリット
シネアドの特徴を理解し活用することで、様々なメリットを得られるでしょう。以下では、シネアドの特徴やメリットについてより詳しくご紹介します。
ターゲティングしやすい
シネアドのメリットとして、ターゲティングしやすい点が挙げられます。映画館という多くの人が訪れる場では、ターゲットを絞って広告を展開するのは難しいと思われがちです。しかし、幼児向けキャラクターの映画ならファミリー層、恋愛ものの映画なら若年層といった具合に、作品やジャンルによって客層が異なります。
そのため、高いプロモーション効果が発揮できる映画館や作品、ジャンルを絞り、ターゲティングすれば、より高い訴求効果を得ることができるでしょう。ファミリー向けに自社プロモーションを展開したり、若年層向けにイベントやプロモーションの広告を流したりと、客層に合わせて作品を絞って放映することも可能です。
印象に残りやすい
インパクトが大きく視聴者の印象に残りやすい点もメリットとして挙げられます。シネアドは、映画館の巨大なスクリーンや音響設備を活用し、プロモーションを行います。せっかく画質や音質にこだわり、クオリティの高い動画を作っても、流す媒体によっては解像度が落ちてしまうことがあります。十分なポテンシャルを発揮できなければ、期待する効果を得るのは難しいでしょう。
しかし、シネアドなら映画館ならではの音響設備や巨大スクリーンを使った効果的なプロモーションができるため、他の動画広告に比べてインパクトが大きく、1度の視聴でも印象に残りやすいです。
最後まで見てもらいやすい
シネアドは、最後まで集中して見てもらいやすい点もメリットの1つです。YouTube広告などの場合、長時間の動画広告は最初の数秒は広告を見るよう促せても、途中からスキップできるようになります。そのため、最後まで視聴してもらうには、インパクトを残したり、クオリティにこだわって作ったりする必要があります。
しかし、シネアドは映画の上映前という、ほぼ全員がスクリーンに注目している状況で流すことができるほか、他の動画広告のようにスキップもできません。そのため、30秒、60秒といった長時間の広告でも最後まで集中して見てもらうことができ、視聴者の印象に残りやすいです。
イメージアップが期待できる
映画の本編上映前に流れるシネアドは、映画館ならではのワクワク感や本編への期待感も相まって、悪い印象が持たれにくく、高いブランディング効果が期待できます。映画の満足度が高いほど、広告のイメージアップにつながります。
また、高画質・高音質の環境は、動画広告をより魅力的に見せる効果があります。認知度アップやブランドイメージの向上はもちろん、普段なら購買意欲につなげるのが難しい顧客に対しても、効果的にアプローチし、訴求効果を高めることができるでしょう。
エリアを絞った上映も可能
シネアドは、1つの映画館、1つの作品から上映でき、映画館があればどのエリアでもプロモーションを行うことが可能です。特定のエリアにだけ広告を出すこともできるため、地域密着型のサービスを提供している企業に最適です。
また、シネアドは上映するエリアや作品を選べるため、将来の全国展開に向けて、まずは主要都市で配信し様子見したい、効果を試したいといった場合はもちろん、限られた予算で効果的に広告を出したいと考える企業にもおすすめです。エリアを絞ったターゲティングが可能な点もシネアドならではのメリットといえるでしょう。
実店舗につなげやすい
実店舗や自社サービスにつなげやすい点もシネアドならではのメリットといえるでしょう。エリアや映画館によって多少違いはあるものの、映画館とショッピングモールが併設されているケースは多いです。そのため、ショッピングモールに実店舗が入っている場合、シネアドでインパクトを残すことができれば、そのまま実店舗やサービスのほうへ誘導しやすくなります。
また、シネアド独自のキャンペーンを展開したり、映画館で試供品を配布したりといったプロモーションキャンペーンと併用して行えば、より実店舗につなげやすく、より高い集客効果が期待できるでしょう。シネアドなら、実店舗のあるショッピングモールに併設した映画館にだけ、広告を出稿することも可能です。
コスパが良い
シネアドは、コストパフォーマンスが良いというメリットもあります。もちろん、エリアやスクリーン数、内容によって異なる部分はありますが、15秒のシネアドなら都内で2週間放送したとしても、1スクリーン当たりの費用相場は15~25万円前後です。大阪なら7~25万円程度、地方なら、数万円~15万円程度で広告を出すことができます。
映画やエリアに合わせて細かくターゲティングを行えば、100万円以下の予算でも実施可能です。豊富なメリットがあるだけでなく、やり方によっては低予算に抑えつつ、十分に高い効果を発揮できる点がシネアドならではの魅力です。
シネアドのデメリットとは
シネアドには様々なメリットがある一方で、作品によって単価が変わる、上映順を指定できないといったデメリットも存在します。以下では、シネアドのデメリットについて詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
リーチ単価が変動する
シネアドは、映画作品の興行成績や動員数によって1,000人にリーチするためにかかった平均コスト、いわゆるリーチ単価が変わります。例えば、大ヒットするのではと言われた作品でも、実際に上映してみたら思っていたほど興行成績が伸びなかったケースも少なくありません。
反対に、あまり話題になっていなかったのに動員数が伸びたケースもあります。映画がヒットするかによってリーチ単価が変動する点は、シネアドのデメリットとして挙げられます。
上映順の指定は不可
シネアドを上映する順番は、映画館側が決めます。そのため、「1番最初に上映して欲しい」「最後が良い」など、上映順を指定することはできません。
ただし、映画館によってはシネアドの上映枠に特別枠を用意しています。特別枠の場合、通常枠の後、ワンクッションを置いてから流れるため、より視聴者の印象に残りやすくなるでしょう。
その場でアプリやホームページへの誘導ができない
SNSやYouTubeを活用した動画広告では、視聴後そのまま自社サイトや商品ページへ誘導することができます。しかし、シネアドの場合、映画館ではスマホ操作が禁止されていることもあり、動画広告を視聴からそのまま自社サイトやアプリに誘導できない点がデメリットとして挙げられます。
シネアドの効果をより高めたいなら、印刷物や試供品を配布するなど、プロモーション活動を並行して行うのが望ましいです。
シネアドを効果的に活用するポイント
ここからは、シネアドの効果を高めるために、押さえておきたいポイントをご紹介します。
シネアドをより効果的に活用するためにも、ぜひチェックしてください。
ターゲティングを明確にする
シネアドを効果的に活用するには、ターゲティングを明確にすることが大切です。ターゲティングとは、自社が狙うべきターゲットを選定することです。シネアドをはじめ、効果の高い広告を活用しても、ターゲティングをきちんとしていない場合、している場合に比べ平均以下の効果で終わる可能性があります。
しかし、広告を出稿する映画館の立地や作品の客層など属性でターゲティングし、狙うべきターゲットに確実にアプローチすることができれば、広告効果を最大限に高められるでしょう。そのためには、どの映画館や作品を指定するのか、客層や上映スケジュールを把握した上で判断することが重要です。
集客につなげられるよう動線を設計する
シネアドはSNSやYouTubeなどを活用したWEB広告のように、ワンクリックで自社サイトやサービスに誘導することはできません。そのため、シネアドから集客につなげるには、視聴後にスマホから検索したり、実店舗に足を運んだりと行動に移すよう仕向けることが大切です。
試供品を配布し自社サイトへ誘導する、映画館内のショップに商品を置くことも有効な方法の1つです。QRコードを記載したパンフレットを配るのも良いでしょう。ただし、ここで重要なのは、動画広告のターゲットと合致しているかという点です。集客導線を設計する際は、どのようにすればターゲットの集客につながるのか、見極める必要があります。
上映スケジュールを把握する
シネアドを効果的に活用するには、上映スケジュールを把握することが大切です。なぜなら、映画は作品によって客層が大きく異なるからです。同じアニメーション映画であっても、作品によって小さい子どものいる家庭向けのものもあれば、大人向けの内容のものもあります。
子ども向け商品を展開している企業の場合、後者のアニメーション映画を選んだとしても期待する効果を得るのは難しいでしょう。シネアドをする際は、自社の求める客層に合った作品を狙う必要があります。
子ども向け商品に関するシネアドを配信するならば、親子で見る内容か、最も来場者数の多い時間帯はいつなのか、上映スケジュールを把握した上で、時間を絞ってシネアドを配信するのが効果的です。
シネアドの成功事例
ここからは、シネアドの成功例ともいえる事例を3つご紹介します。特徴やメリットについても詳しく解説するので、シネアドを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
東大阪市保健所 母子保健・感染症課様
エイズ啓発活動に関する動画です。人はプラスになるよりも、マイナスになりたくないという欲求のほうが強いと言われています。この動画は、そんな人間の心理をうまく利用し、問題の提示→問題を煽り立てる→解決策を提示するという「PASONAの法則」を取り入れた構成となっています。
大阪府では2日に1人エイズ感染者が出ているというセンシティブな内容を、15秒という短い動画にしっかり収めた上で、検診や検査をしたい場合にはどうすれば良いのかが盛り込まれています。
特徴 | ・エイズに関する問題提起作品 |
メリット | ・エイズ問題を提起、啓発している ・無料かつ匿名でエイズに関する相談や検査ができることを伝えている |
上記動画についてもっと詳しい内容を知りたい方は、下記関連リンクをチェックしてみてください。
関連リンク
子ども服通販サイトdevirock様
子ども服通販サイトdevirock(デビロック)様のシネアドです。こちらの動画は、子ども向け映画に同伴している保護者をターゲットにしたものです。洋服の価格やデザインをテンポよく紹介することで、飽きることなく、動画を最後まで見ることができます。
また、子どものモデルたちが画面いっぱいに元気よく動き回る様子は、服装の動きやすさをアピールするとともに、一緒に見ているお子様の興味を惹く効果も期待できるでしょう。
特徴 | ・子ども向けプチプラブランドの紹介動画 |
メリット | ・服の価格やデザインを効果的にアピールできる ・映画に同伴している保護者にアピールできる |
国連WFP「Feed Our Future」様
国連の食糧支援機関によるシネアドです。映画のワンシーンのような映像の中、世界が抱える問題を提起することで、視聴者にインパクトを与え、アプリのインストールを促しています。
この広告は世界25カ国以上の映画館で上映された国連WFPのグローバルキャンペーンCMです。
特徴 | ・アプリのインストールを促す動画 |
メリット | ・1分という長時間動画を最後まで視聴してもらうことができる ・独自の世界観に視聴者を引き込むことで印象に残りやすい |
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まとめ
今回は、映画の本編上映前に流れる広告、シネアドの特徴やメリット・デメリット、効果的に活用するポイントや制作事例をご紹介しました。シネアドは、ワンクリックで誘導できない、作品によってリーチ単価が変動するなどデメリットもある一方で、ターゲティングしやすい、印象に残りやすい、長時間の動画も最後まで見てもらいやすいなど、豊富なメリットがあります。
また、コストパフォーマンスも優れているため、できるだけ価格を抑えて広告を出したいと考える方にもおすすめです。GJCなら業界トップクラスの制作コスパで、目的に沿った動画制作が可能です。シネアドを検討している方は、ぜひGJCまでお問い合わせください。