コロナ禍という事態が起こったことをきっかけに、社会全般でオンライン化やデジタル化が促進されてきました。これをきっかけに企業の採用活動においてもオンラインを活用した面接や説明会が開催されるようになっています。
そして、現在の社会に追い付くために短時間で情報を伝えやすい採用動画を取り入れる企業も増えていますが、何がトレンドなのかわからない企業もあるでしょう。ここでは、2024年の採用トレンド動画の特徴やメリットをご紹介します。
採用動画の最近のトレンド
採用動画は、企業の採用活動において用いられる動画です。動画の種類や活用方法などについては様々ですが、効果的であるという点から多くの企業で取り入れられるようになりました。
採用動画は、写真や資料以上にわかりやすくて見やすいことから、豊富な情報を相手に伝えられます。動画の性質を最大限に活かせることから、多くの企業で積極的に取り入れられているのです。
その中にもトレンドがあり、最近ではインタラクティブ動画が注目されています。インタラクティブ動画とは、視聴者と企業の双方がコミュニケーションを取りやすくなった動画です。
インタラクティブ動画とは何か
インタラクティブ動画は、映像の中の視聴者がタップやクリックなどのリアクションができる動画です。今までは企業の特徴や魅力を一方的に伝える動画が主流でしたが、インタラクティブ動画なら、視聴者のクリックやタップなどのリアクションで動画の内容を変えられるのが特徴です。
クリックなどのアクションでストーリーや結末が異なるなど、動画の展開に視聴者が参加できることが大きな特徴です。これまでテレビでも動画でも、視聴者が参加することはできませんでした。
しかし、インタラクティブ動画にすることで顧客のタップするものに合わせた情報の表示や、ストーリー分岐が可能になるなど、触れてリアルな体験までできるのはインタラクティブ動画の大きな特徴となるでしょう。
インタラクティブ動画の6つのメリット
インタラクティブ動画には、どのようなメリットがあるのでしょうか?ここではインタラクティブ動画で得られる6つのメリットをご紹介しています。
SNS経由で興味や関心を持ってもらいやすい
企業の採用活動において、インタラクティブ動画を活用すれば応募率のアップが期待できます。現在はSNSや企業のホームページなどからでも簡単に動画をシェアできます。
企業自体がSNSでのアカウントを取得していれば、多くの人の目に触れることができます。その結果、SNSから興味を持って応募してくれる方が増えていくということです。
採用のミスマッチが防げる
インタラクティブ動画のメリットとして、求職者とのミスマッチが減ることが挙げられます。これまでのように、文章や写真だけでは判断しにくい内容も、インタラクティブ動画の効果によって入社後の自分の姿がイメージしやすく、企業の文化が自分に合っているかを確認しやすいです。
このような内容から、求職者が自分に合った職場かどうかを確認しやすくなるため、採用後のミスマッチが防げるでしょう。
記憶に残りやすい
動画は活字や画像と比較すると、短時間で多くの情報に触れることができます。テレビなどと同じように視聴者が受動的になってしまうため、単純にコンテンツの視聴だけで終わる可能性もあるでしょう。
そこで、インタラクティブ動画を用いれば再生中に視聴者からの操作ができるだけでなく、動画に参加できるようになります。このようなアクションの記憶から、視聴者にインパクトが与えられるのです。
応募率アップ
インタラクティブ動画は、企業の採用活動に大きな貢献が期待できます。アメリカの求人情報サイトである「CareerBuilder」の調査では、動画を使った求人広告とそうでない広告を使った場合では、応募率の向上が認められた例もあります。
アメリカの調査では応募率が34%向上し、さらに広告のPV数を増やしつつ、広告での説得力が食われば結果的に応募率のアップが見込めます。
ユーザーの操作が改善に役立つ
インタラクティブ動画は、ユーザー自体が操作をすることで他にはない展開やストーリーとして進んでいきます。この内容を知ることで、企業は動画のポイントとなる部分において、ユーザーの反応や関心、興味などを知ることができ、操作においての反応の規模を知ることで比較検討もできるのです。
企業はユーザーの反応などをデータとして取得や確認できるため、よりよいコンテンツ制作に役立てることができます。これまでの動画では、アクションまで知ることができませんでしたが、データの取得や蓄積があることで、インタラクティブ動画のメリットを最大限に生かせるでしょう。
双方のコミュニケーションが活発になる
インタラクティブ動画の特徴は、視聴者の行動によって動画を変えられる点です。これまで、企業の動画では流すものを見てもらうというスタイルだったため、企業の一方的なコミュニケーションが主流でした。
しかし、インタラクティブ動画にすることで、企業の一方的なコミュニケーションになることはなく、視聴者が動画閲覧に対して能動的になれば視聴時間も長めになりやすく、お互いの間でコミュニケーション喪失になることもないでしょう。
インタラクティブ動画で見込める効果
実際にインタラクティブ動画を用いた場合、どのような効果が期待できるのでしょうか?ここでは、インタラクティブ動画で見込まれる効果についてご紹介します。
動画内の導線を意識する
インタラクティブ動画を活用することで、人材採用のために多くの応募者が集めやすいです。応募者が増えることで、企業が求める人材を採用しやすくなります。
しかし、視聴者から応募者になるには、企業に興味や関心を持ってもらうことが重要です。そのためには、採用媒体やコンテンツ制作を積極的に行うことが重要であり、視聴者にとってインパクトのある内容にする必要があるでしょう。
現在、企業の採用活動では多くのインタラクティブ動画が用いられています。そのため、動画内の導線を意識することが成果に繋がりやすくなります。
凝った内容にこだわるよりも、誰もが簡単にアクションできる内容にした方が気軽に使いやすくなります。
分岐点を意識する
インタラクティブ動画では、動画内にいくつもの分岐点を作り出せます。例えば「あなたは○○企業を知っていましたか?」などの質問に対して「はい」「いいえ」というボタンをクリックすると、選んだ内容によって異なる展開にできるのがインタラクティブ動画の特徴でもあります。
このような分岐点によって、視聴者が求めている情報を選びながら動画を勧められます。このアクションによって視聴者側も「この動画の結末はどうなるのか」と興味や関心を持ってくれたり引き出したりできるのです。
その結果、動画内で伝えたいメッセージが印象に残りやすくなります。視聴時間も興味や関心を持ってくれれば長くなる傾向となるでしょう。
ユーザーの操作を分析できる
インタラクティブ動画では、ユーザーの操作内容を分析できるのも特徴です。今までの動画では、取得できるデータ内容に限りがあったため、ユーザーの操作によって内容を変えることが簡単にできませんでした。
しかし、インタラクティブ動画においては平均的な視聴時間に加えて、流入経路やポップアップの滞在時間、どの部分が何回選択されたかなど総タッチ数についても取得できます。これらのデータを収集して分析すれば、より視聴者に対して興味を引く内容にできるでしょう。
他にも感覚ではなく、データを基にした内容を知ることで客観的な動画の改善点を知ることもできます。
採用動画の事例
インタラクティブ動画を採用動画に使う際には、どのように取り入れるのが良いでしょうか。ここでは、既にインタラクティブ動画を採用動画として取り入れている事例を含めてご紹介します。
また、今回ご紹介する事例以外にも採用動画について詳しく知りたい方は、下記のコンテンツも参照してください。
関連リンク
株式会社杉野技巧
https://suginogikou-recruit.com/
アニメーションをメインとしたポップな印象が特徴的なインタラクティブ動画です。入社後のイメージを「キャリアアップコース」と「独立コース」に分けて、将来性まで考えやすい動画となっています。
年齢から将来の目標に向けて何をすべきか、何が得られるかを一目で理解でき、そこで得られるメリットについてもわかりやすくなっています。自分自身の目標としても働きながら意識できる内容です。
全研本社株式会社
全研本社株式会社では、「人を知る」と「会社を知る」以外に「トーク動画」をアップしています。「人を知る」では、実際に働く社員の職種やインタビュー内容が記載されているので、社内での役割や仕事内容の他に会社の様子を知ることができます。
「会社を知る」では、会社の内容や職場環境、社員の情報などを知ることができるので、自分が入社した際のイメージが掴みやすいでしょう。
MIL株式会社
https://mil.movie/case/229.html
「新米エンジニアの1日」として動画が再生されていますが、その中でポイント部分にタッチすると異なる内容が再生されるインタラクティブ動画となっています。会社の雰囲気や様子がわかると同時に、実際に働いた場合の仕事内容もわかりやすくなっています。
コミカルな仕上がりになっていますが、誰もが共感できる内容になっているのが特徴です。
PHC株式会社
https://mil.movie/case/587.html
ヘルスケア企業のPHC株式会社では、新入社員を中心にヘルスケア企業で働いた場合の様子をインタラクティブ動画としてアップしています。社内の様子がわかりやすく、実際に仕事をしているかのようなリアリティも感じられる内容です。
動画の最中に選択する場面がいくつもあり、選択しなかった回答についても確認できるようになっています。
株式会社フォーイット
https://foritsaiyou.mil.movie/ixNkDx/
企業理念となる部分を尊重しつつ、分岐点を置くことで視聴者と主人公を同じ目線にしているのが特徴です。入社した際の会社の雰囲気や上司との関係性についても理解しやすくなっています。
過去の主人公の様子も含めているだけでなく、迷うであろう選択肢を用意していて、主人公に関わる人全てが関係してくるような内容なので、自分自身に置き換えやすくなっています。
採用動画制作のポイント
採用動画を制作する際には、どのようなポイントに注目して制作すると良いでしょうか?ここでは、採用動画制作のポイントについてご紹介します。
興味を持ちやすい内容や流れにする
インタラクティブ動画では、動画の流れを意識することがポイントです。誰もが自分自身に置き換えやすい状況を作り、選択肢なども客観的に考えることが重要です。
興味を持ちやすい内容にしないと、選択肢の部分まで視聴しにくくなってしまい、インタラクティブ動画のメリットを得ることができません。できるだけ客観的で操作性や視認性に欠けないように意識してみましょう。
また複雑な仕掛けを用いてしまうと離脱しやすいです。工夫を凝らしたいという考えが悪いわけではありませんが、わかりにくいのはおすすめできません。情報の詰め込みすぎにも注意しつつ、内容や流れを意識してみましょう。
明確な目的にする
インタラクティブ動画で採用動画を制作する際には、視聴者へ伝えたいメッセージではなく、どのような体験をしてもらうかを目的にするのが良いでしょう。体験にポイントを置くことで、シナリオやイベントを設定していくと、興味を持ちやすいインタラクティブ動画になります。
視聴者が選びやすい選択肢を2~3個程度用意するのがベストであり、これらの選択肢の数によってストーリー展開や別のシナリオを考えて制作しましょう。
よくある質問
ここでは、採用動画のトレンドに関する質問をまとめてみました。採用動画について気になる点がある方は参考にしてください。
採用動画はどこで配信できる?
採用動画は会社説明会などで使用できるだけでなく、自社のホームページや運営しているSNSなどにも配信できます。特にSNSはYouTubeやX(旧Twitter)などのプラットフォームでも利用でき、様々なSNSでの配信で求職者の目に留まる機会も増えるでしょう。SNSにおいては、求めている人材の年齢層に合わせて使うのがおすすめです。
採用動画を使いまわすとトレンドから外れる?
採用動画を制作した場合、何年も使いまわしているとトレンドから外れてしまうのではないかと不安になるかもしれません。しかし、特定の配信先に限定することでトレンドに合うケースもあります。他にも職種や配信先に合わせて異なるバージョンを制作するなど検討するのがおすすめです。
採用動画の制作はどれくらいの予算でするべき?
採用動画の制作費用は、おおよそで100万円~200万円程度と考えましょう。動画制作では、演出の方法や長さによって金額が変わってきます。
企画、シナリオ作成、撮影、編集の順番で完成するため、段階ごとに金額が変わるケースもあります。これらの作業を一括で行う動画制作会社への依頼で金額が抑えられるケースもあるので確認してみましょう。
動画制作・映像制作ならGJCへお任せください
採用動画を制作する際には、「要望したシナリオを元に考えて欲しい」「できるだけ予算の範囲内にしたい」「戦略に合った動画にしたい」などの考えがあるでしょう。これらの内容を踏まえた動画制作をしたい場合は、お気軽にGJCまでお問い合わせください。
GJCは動画制作、映像制作が可能なだけでなく、高いデザイン性と優れた制作技術により、動画制作満足度は96%となっています。クオリティと価格のバランスが良く、目標達成にも対応しています。
採用動画のトレンドを抑えた内容にしたい場合は、GJCにご相談ください。
まとめ
今回は、採用動画について解説してきました。採用動画にもトレンドがあり、近年はインタラクティブ動画を取り入れている企業が増えています。
インタラクティブ動画は、動画内でいくつもの選択肢が設けてあり、視聴者の考えによって動画の内容が選べるのが特徴です。SNSなどでも関心を持ってもらいやすいため、取り入れる企業も増えています。
しかし、インタラクティブ動画を取り入れるのではなく、視聴者に共感してもらいやすく、操作性のあるものにしなければなりません。効果のある動画にしたい場合は、予算とクオリティの高い動画制作に依頼してみましょう。