日本は世界でも有数の「アニメ大国」として知られています。
しかし、アニメーションの世界は単にアニメ番組だけを指すものではありません。
例えば動画広告としてアニメーションを用いることも多いです。
実在する人を使うよりもキャッチーでありながら、企業のロゴやキャラクターまで存分に活用できます。活躍の幅が広いアニメーションは、どのような流れで制作されているのでしょうか?
今回はアニメーション制作の流れについて詳しくご紹介していきます。
種類やメリットをはじめ、費用相場や工程、専門用語についても解説していきますので、今後動画広告にアニメーションを取り入れたいと考えている方もぜひチェックしてみてください。
そもそもアニメーション動画とは?
アニメーション動画は、イラストや写真、文字などの静止画に動きを与えた動画のことです。複数の静止画を1コマずつつなぎ合わせて動かすことで、なめらかな動きを表現することができます。
動画制作では、イラストやグラフィックだけで構成される動画をアニメーションと呼びのが一般的です。また、今では紙に描かれたイラストや立体物のコマ撮りだけではなく、コンピューターを使ったCGアニメーションも普及しています。
アニメーション動画の主な種類
アニメーション動画といっても、イラストアニメーションやモーショングラフィックスなど表現方法は多岐にわたります。主なアニメーション動画の種類と特徴をご紹介します。
①イラストアニメーション
2Dのイラストを使用した動画です。一般的にアニメーション動画というと、イラストアニメーションを連想する人が多いでしょう。
複雑な情報もデフォルトされた2Dイラストによって、わかりやすく伝えられることがメリットです。また、イラストを使ったアニメーションは、視聴者に親しみを与えられることから商品・サービスの紹介動画と親和性があります。尺の長さやクオリティにもよりますが、制作期間が比較的短く、コストを抑えて動画制作ができるのも魅力です。
②ホワイトボードアニメーション
白いホワイトボードや黒板に絵や文字を描き込んでいく過程を映像にまとめたアニメーションです。説明と同時に絵が描かれていくので、視聴者は「次は何を描かれるのか」と見ていてワクワクした気持ちになれるので、途中で離脱されるリスクを抑えられる動画にできます。
伝えたいことを順に表現できるので、ストーリー性があり、内容を理解しやすいメリットがあります。また、手書き風の可愛らしいイラストによって親しみのある動画にできるのも魅力です。
③モーショングラフィックス
写真・図形・文字・ロゴなどの静止画に音や動きを与えたアニメーション動画です。身近なもので言えば、テレビ番組で表示される番組タイトルやコーナータイトルがモーショングラフィックスに一種に当てはまります。
テキストや図形などに動きが加わることで、動画でも視聴者の注意を引けることがメリットです。また、ただの静止画と比べて楽しさや激しさなどを動きで表現でき、シンプルな動画も華やかな印象になります。
④タイポグラフィ・アニメーション
文字に動きを与えたアニメーション動画で、モーショングラフィックスの一種になります。文字一つひとつに動きを与えることで、視聴者にメッセージを直感的に伝えることが可能です。
文字のみでも情緒的な表現が可能ですが、BGMを上手く活用することで視聴者を世界観に引き込める動画になります。独特な表現手法であるため、注目を集めつつ、視聴者にメッセージを伝えたい時におすすめです。
⑤ストップモーション・アニメーション
微妙に動きが異なる静止画をつなぎ合わせて被写体が動いているように見せる手法です。いわゆるコマ撮りのアニメーション動画を指します。
ストップモーション・アニメーションは、2Dイラストを使ったアニメとはまた違った、ユーモアかつインパクトの強い動画にできます。また、コマ撮りが必要となるので、視聴者は完成した映像から制作サイドの熱意や努力を伝えることができます。視聴者から制作が大変というイメージを持たれやすいので、興味をひく動画になることも魅力です。
⑥インフォグラフィック動画
グラフ・図表・写真などを取り入れたアニメーション動画です。数値などの定量的な情報をわかりやすく伝えることができます。また、数字を用いて訴求ができるため、企業や商品・サービスなどの信頼性の高さを強くアピールすることが可能です。情報の視認性に優れているため、視聴者の印象が残りやすく、SNSでの拡散にも期待できます。
⑦3Dアニメーション
立体的なイラスト・グラフィックを使ったアニメーション動画です。3D映像は実写に近いリアル感があり、さらに被写体を様々な角度で映すことができるので、視聴者は動画でありながら実態を把握できます。
また、商品や機械の内部なども表現できるので、実写以上にわかりやすく説明できるのも魅力です。人体など実写では映せないシーンも、3Dならデフォルトされたグラフィックを用いて解説することができます。
⑧アイソメトリック
2D動画でありながら、3D動画のような立体感のあるアニメーション動画です。2Dと3Dの中間のような表現となるので、2.5Dアニメーションとも呼ばれています。
アイソメトリックは、2Dの空間を俯瞰的に表現するのが特徴です。そのため、キャラクターよりも空間を主体とした動画に適しています。
⑨フルアニメーション
映画に使用されるようなハイクオリティのアニメーション動画です。イラストを全て書き起こすため、動きが滑らかな点が特徴で、CGのような無機質さを感じることがなく、独自の世界観を表現しやすいです。
さらに、全篇通してアニメーションということもあり、柔軟なストーリー展開が可能なほか、視聴者の記憶にも残りやすいです。また、会社やブランドの魅力やイメージを伝えやすいため、ブランディング目的での使用にも効果的です。
加えて、共感を生みやすい、SNSでもシェアされやすいといったメリットもあるため、ストーリー性のある動画を制作したい場合におすすめです。
⑩線画アニメーション
線画で描いたイラストに動きをつけ、映像化したアニメーション動画です。イラストを線画で表現しているため、他のアニメーション動画に比べて、シンプルな仕上がりになります。
しかし、シンプルだからこそ動画全体の流れを把握しやすいといったメリットがあります。また、線画の一部に色を付けることで、視聴者に見てほしい部分を強調できるほか、訴求したいポイントのみを簡潔かつ明確に伝えられます。
ただし、線画は高度なスキルが必要であり、その分価格も高い傾向にあります。予算に余裕がある、訴求ポイントを明確にしたいと考える方におすすめです。
⑪キャラクターアニメーション
キャラクターを映像化したアニメーション動画です。企業やブランドのキャラクターを活用することで、視聴者に親近感を与えられる、共感を高められるといったメリットがあります。
また、キャラクターを活用すると、動画そのものが印象に残りやすくなり、企業やサービスに対して良い印象を持ってもらえる可能性が高まります。サービスや商品の紹介動画などに適しています。
アニメーション動画の制作メリット
アニメーション動画は、商品・サービス紹介や企業紹介など、様々な動画に用いられています。アニメーション動画を制作するメリットは色々あるので、詳しく見ていきましょう。
文章よりも伝わりやすい
アニメーション動画の場合、情報を視覚的に表現することができます。そのため、文章による説明よりも伝わりやすいことがメリットです。
アニメーション動画の場合、映像のみで内容をすべて説明できるので、視聴者に短時間で理解してもらえます。そのため、手法によってはテロップを最小限に抑えられ、スタイリッシュな動画にできます。
ソフトウェアやコンサルティングなどの無形商材は、文章だとなかなか特徴や魅力を伝えにくいです。アニメーションであれば、利用イメージやメリットを表現できるので、無形商材の訴求にも適しています。
実写ではできない表現が可能
実写では不可能な表現を映像化できるのもアニメーション動画のメリットです。例えば、架空のキャラクターを使って動画を作れるのは、アニメーションならではの魅力です。他にもビルの倒壊シーンや事故シーン、人体などショッキングな映像もアニメーションならデフォルトにした上で再現できます。
他にも、実写では表現が難しい過去・現在・未来の変化もアニメーションであれば、簡単に表現できます。商品・サービス紹介や企業紹介でビジョンを伝えたい時にも、アニメーション動画はおすすめです。
コスト削減になる
アニメーション動画は、実写と比べて少ないコストで動画制作ができます。実写の場合、撮影が必要となるため、人件費やキャストの出演料、機材費、スタジオ費などがかかります。ロケ撮影が必要であれば、撮影場所の下見や情報を収集するためのロケハン、移動のための交通費、連日撮影をする場合は宿泊費なども必要です。
一方、アニメーションは、イラストやグラフィック、写真などを用いて動画を作成します。イラストやグラフィックなどの作成する手間があるものの、撮影と比べてコストは少なく済みます。そのため、予算を抑えつつもクオリティの高い動画の制作が可能です。
軌道修正がしやすい
制作段階でも軌道修正しやすいこともアニメーション動画のメリットです。実写の場合、制作途中で軌道修正をする場合、素材の取り直しが必要になる可能性があります。その分、工数が増えるので納期が延長する恐れがあるでしょう。また、状況によっては再撮影自体できない場合もあります。
一方、アニメーションは、イラスト・グラフィックの修正や差し替えによって対応することができます。今はデジタル環境で動画制作が行われているので、修正やフィードバックもスムーズに行うことが可能です。
キャラクターが使用できるため印象に残りやすい
企業やブランドのマスコットキャラクターやイベントのオリジナルキャラターなど、独自のキャラクターを使用することで、視聴者の印象に残りやすい動画を作ることができます。
また。キャラクターがあることで視聴者は感情移入しやすくなるといったメリットもあります。オリジナルキャラクターがいない場合は、動画制作を機に新しくキャラクターを作るのもおすすめです。
変化や流れを表現しやすい
アニメーション動画では、実写では難しい表現もイラストやアニメーションを用いることで、視覚的にわかりやすく伝えることが可能です。そのため、使商品やサービスを利用する場合のビフォー・アフターなどの変化や流れのアピールにも適しています。
また、アニメーション動画は、種類や技法を変えれば目的に応じたカットを作成できるため、理想に近い動画を制作できます。
アニメーション動画の事例
アニメーション動画は、サービスのように無形の商材でもビジュアル化できるため、メリットや特徴をわかりやすく伝えることが可能です。さらに、実写に比べ表現の幅も広いため、インパクトを残しやすい、撮影が不要な分制作コストを下げやすいといったメリットもあります。
GJCでは、キャラクターアニメーションやアイソメトリック、インフォグラフィックや線画など幅広いアニメーション動画の制作が可能です。もっと詳しく事例を知りたい方は、ぜひ下記リンクをご覧ください。
アニメーション動画の費用相場とは
アニメーション動画を制作する上で、気になるのは費用でしょう。費用相場はアニメーション動画の種類や内容によって異なるため、10万円~と低コストで制作できるものもあれば、高度な技術や緻密な編集作業により300万円以上かかるものまで幅が広いです。
下記関連リンクでは、アニメーション動画の制作事例やかかる費用をはじめ、安く抑えるコツを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
関連リンク
自分で制作できる?アニメーション動画を自作するメリット・デメリット
アニメーション動画は、イラストやグラフィックなどの素材と動画編集ソフトがあれば自主制作もできます。自分でアニメーション動画を作ることにはメリットがある一方、デメリットがあることも理解しておきましょう。
メリット
自分でアニメーション動画を作るメリットは、制作にかかる時間や費用を抑えられることです。自主制作であれば、企画を立てるところから修正をするところまで、やりとりは社内のみで済むので、時間がかかりません。外注だと担当者とのやりとりが生じるため、その分のタイムロスが生じます。
他にも、制作会社は修正回数の制限を設けている場合があります。自主制作なら修正回数に制限はないため、納得できるまで修正することが可能です。また、自主製作で必要になる費用、アニメーション動画を作るためのソフト・ツールの購入費・使用料のみとなるため、最小限のコストで動画が作れます。
デメリット
自分でアニメーション動画を作るデメリットは、クオリティの高い動画を作るのが難しいことです。社内にアニメーション動画を制作するノウハウや経験が豊富な社員がいれば、クオリティの高い動画を作れるでしょう。
しかし、素人がアニメーション動画を作るとなると、外注と比べてクオリティが劣ってしまう可能性があります。クオリティが低いことで視聴者に注目されず、成果が得られなくなる恐れがあります。
また、動画の完成までに時間がかかりやすいこともデメリットです。動画制作会社は映像作りのプロであるため、比較的短期間でアニメーション動画を作ることができます。ところが、アニメーション動画の制作経験がない人は完成までに時間がかかりやすく、納期に間に合わないという可能性もあります。
アニメーション制作の流れ
アニメーション制作にはいくつかの工程に分けられます。
大きく分けると「プリプロダクション」「プロダクション」「ポストプロダクション」の3種類です。それぞれどのような工程になっているのか、細かく解説していきましょう。
①プリプロダクションについて
プリプロダクションとは、映像業界において撮影前の準備作業を指します。
1.企画 2.シリーズ構成 3.シナリオ作成 4.絵コンテ作成 上記4つの工程がプリプロダクションに分類されます。
もしも企業が動画制作会社にアニメーション制作を依頼した場合、制作会社はプリプロからスタートしていきます。
1.企画
プリプロの中でも一番初めに行われるのは企画作成です。
アニメーションに限らず、動画広告を制作する場合は必ず企画を作り、土台を固めてから他の作業へ移っていきます。
アニメーション制作における企画では、キャラクターや絵柄などを決定する前に、どの層のユーザーを対象にしたいのか、アニメーションを掲載する媒体はどこか、アニメーションを活用してどのように収益を上げていくのかを決めていきます。
こうしたビジネス的な部分が決まったらプロジェクトとして始動し、他の企業やクリエイターとも協力しながら1つの作品を作っていくのです。
2.シリーズ構成
プロジェクトが決まったら大まかに予算を出し、制作の準備を進めていきます。
テレビやネットで配信される一般的なアニメの場合、脚本家が数人で各話を担当しますが、シリーズ全体がどういう流れで進んでいくか、どのような終わり方をするのか考えるのが「シリーズ構成」の仕事です。
シリーズ構成を担当する専門職はなく、脚本家もしくは監督が担当していることが多いです。
原作があるとシリーズ構成は不要のように感じるかもしれませんが、アニメ作品にアレンジしなくてはまとまらない可能性もあるので、必ずシリーズ構成は行われます。
ただし、動画広告でアニメーション制作を行う場合、何作も展開する予定であればシリーズ構成が必要となりますが、そうでなければ企画から次のシナリオ作成に移るケースもあるでしょう。
3.シナリオ作成
シナリオ作成はアニメーションの物語をどう展開させていくのか決める仕事です。
原作があればアニメの枠にはまるように脚本を変えていきます。
シナリオを作成する場合、前のシリーズ構成や企画をベースにしながら考えていかなくてはなりません。
構成に沿っていなければアニメーション制作する上での目的が達成できなくなってしまうためです。
4.絵コンテ作成
絵コンテとは、どのような映像を作っていくかを事前に設計し、スタッフ全員が共有できるようにしたものです。
絵コンテによって映像のつながりが見え、具体的にどのような流れで展開していくのかが見えていきます。
絵コンテという名前の通り、文字ではなく簡単なイラストで構成していきます。
そのため、登場人物が全員同じように見えたり、どう動くか矢印で指示が出ていたりするのですが、あくまでも意図を共有できれば良いので問題ありません。
絵コンテには物語の展開に加え、キャラクターの動きやカメラワークなども反映されます。
②プロダクションについて
プリプロダクションがアニメーション制作における土台であれば、プロダクションはアニメーション制作の肝となる部分です。
プロダクションでは主に、下記の6工程が行われます。
1.原画作成
2.動画作成
3.彩色(仕上げ)
4.背景美術の作成
5.撮影
1つずつ詳しく解説していきましょう。
1.原画作成
アニメ映像は一つひとつのコマ(イラスト)を素早く動かすことで、滑らかな動きを作れます。
原画作成はアニメーション制作においても非常に重要な作業の一つです。
テレビアニメでは1秒あたり24コマが使われており、CMなどを除いた約21分で2500~3000枚もの原画が必要だと言われています。
原画にも「第一原画」と「第二原画」があり、第一原画では大まかなレイアウトが書かれてそこに演出や作画監督が修正を入れていきます。
修正が完了したらその内容を反映して第二原画が作られるのです。
最終的にアニメーションで放映されるのは第二原画になるため、非常に丁寧に作り込まれていきます。
2.動画作成
30分のテレビアニメだと2500~3000枚の原画が必要となりますが、1コマと1コマの間をつなぐための中割作業が動画作成にあたります。
つまり、原画の枚数以上の中割が必要となってくるため、かなりの量をこなさなくてはなりません。
ただし、以前は動画用紙に原画をアナログでトレースして中割を作っていましたが、現在はパソコンを使いデジタルで中割を作っていくところも多いです。
デジタルの方が効率的かつ素早く中割の作成も可能となります。
一通り中割を描いたらパラパラとめくってみて違和感がないかチェックします。
アニメーションに不自然さを持たせないようにすることが、動画作成の重要な仕事です。
3.彩色(仕上げ)
原画・動画の段階ではまだ線画であり、ここから色を付ける作業に入っていきます。
彩色は「仕上げ」とも呼ばれており、元々色指定で決められていた色を塗ります。
他にも光や影を入れたり、質感が出るようにしたりして、1枚1枚仕上げていくのです。
4.背景美術の作成
アニメーションというとキャラクターや動くものに目が行きがちですが、それとは別に背景も用意しなくてはなりません。
通常、原画や動画には背景を描かず、メインとなるキャラクターを中心に描いていきます。
背景美術は原画・動画とは別の部署で作成するものであり、自社で制作するところもあれば背景美術を専門的に取り扱うスタジオへ依頼する場合もあります。
レイアウトや企画などを基にしながら背景を描いていくのです。
5.撮影
彩色した動画と背景美術、さらに必要であればCGも一つに合成していき、映像を作り上げていきます。
映像を作る前に一旦各種データの撮影出し(撮出し)を行い、問題がなければ撮影に入ります。
現在はデータを専用のソフトで合成できますが、以前まではセル画と背景美術を実際に重ね、1枚ずつカメラで撮影していきました。
3000枚以上の動画を撮影していくことになるので、原画・動画と同様に時間と手間がかかる作業です。
③ポストプロダクションについて
ポストプロダクションはアニメーション制作における最終工程です。
プロダクションの段階で1本の映像にまとめられましたが、これだけで完成とは言えません。具体的にどのような工程がポストプロダクションで行われるのかというと、
1.音響・ナレーション
2.編集
3.試写
の3つの工程が挙げられます。
1.音響・ナレーション
プロダクションまでで完成された映像は、目で見ることはできても一切音がない状態です。
アニメーションにはBGMやナレーションの存在も欠かせません。
そのため、ポストプロダクションではまず音響やナレーションを入れる作業を進めていきます。
映像に合った音楽を入れるために音響監督や製作担当者が打ち合わせを行い、映像に入れる音のイメージを膨らませていきます。
また、キャラクターの声やナレーションが必要な場合、誰が担当するのかキャストも決めなくてはなりません。
声を入れる時は映像に合わせて台本を見ながらアフレコしていきます。
アフレコの段階ではBGMや効果音なども入っていません。
キャラクターの口の動きやアニメーションが流れるテンポなどに気を付けながら声を入れます。
声撮りが終わると映像や展開に合うBGMや効果音を入れ、不自然になっていないかを確認していきます。
2.編集
映像と音の素材がそれぞれ完成したら、いよいよ編集作業に入ります。
編集作業では映像と音をミックスした後に、セリフ・BGM・SEのバランスが崩れていないか、聞きやすさは問題ないか、映像と音が合っているかをチェックしていきます。
映像制作で編集というと、無駄な部分はカットしてうまくつなげ合わせる作業を指しますが、実はアニメーションだと絵コンテですでに素材と尺の指示が出されているため、絵コンテ通りに作成されれば映像も完成します。
ただし、実際に完成した映像を見てみるとどこか違和感を覚える部分が出てきてしまうこともあるでしょう。
そういった時に編集の力で違和感をなくしていくのです。
3.試写
編集作業で完成したマスターテープは、納品される前に試写をして問題がないかチェックしていきます。
試写も大切なポストプロダクションの工程の一つです。
動画制作であれば依頼した企業と一緒に行ったり、DVDを送付して確認してもらったりします。
映像や音に問題がなければ完成したマスターテープを納品することになりますが、もしNGが出れば編集に戻って修正作業を行います。
アニメーション制作にかかる期間について
プリプロダクション・プロダクション・ポストプロダクションと、多くの制作工程によって作られるアニメーション制作ですが、実際に完成するまでどれくらいの期間が必要になるかご存知でしょうか?
一般的にテレビアニメ(30分)を制作する場合、約1ヶ月で完成されると言われています。
ただし、あくまでも目安であり、場合によってはそれ以上かかってしまうこともあるようです。
長編のアニメ映画では1~2年と、年単位でかかることも少なくありません。
一方、動画広告だとアニメーションの種類によって制作期間が異なります。
モーショングラフィックのような比較的簡単に制作できるものだと1ヶ月半~2ヶ月、テレビアニメと遜色ない動画広告や、3Dを用いたアニメーションになると3ヶ月以上かかってしまうことも多いです。
放映される時間に比例して長くなりますが、時間が短くても撮影に時間がかかったり(クレイアニメなど)、専門的な技術を必要とするアニメーションだったり(3Dアニメなど)すると、どうしても制作期間が長くなってしまうので注意が必要です。
アニメーション制作のスケジュール設定のコツについて
アニメーション制作のプロジェクトを進める際に重要となってくるのは、制作期間に合わせたスケジュール設定です。
1つの映像を作るのにはそれなりの期間が必要であり、予算内に抑えながら制作していかなくてはなりません。
アニメーション制作のスケジュールはどのように設定すれば予算内に抑えつつ、必要な時期までに完成させられるのでしょうか?
納期から逆算し、余裕を持ったスケジュール設定をする
アニメーション制作のスケジュール設定で重要なことは、「納期をいつに設定するか」です。
ゴールがなければそこに向けての時間の使い方も変化してきます。
アニメーション制作におけるスケジュール設定は、納期から逆算していくことが大切です。
納期から逆算していく時には作業内容を一覧にまとめておくと分かりやすくなります。
やるべきことを順番に並べ、一つひとつの工程に締め切りを設けましょう。
全体のゴールだけを決めただけでは作業が詰まってしまう恐れもあるためです。
もし一つの工程の作業量が多ければ、その工程に中間締め切りを設けてみましょう。
中間締め切りを作っておくと残りの作業量がどれくらいなのか、最終的な締め切りには間に合うかどうかが把握できます。
最終的な締め切りに間に合わなさそうなら調整していく必要があります。
中間締め切りに加え、見直し期間まで設けられると高品質なアニメーション制作につながるでしょう。
そのため、見直しする時間もスケジュールに組み込んだ方が良いです。
各工程にかかる時間を見誤らない
アニメーション制作は大まかにプリプロダクション・プロダクション・ポストプロダクションの3つに分かれることを上記でご紹介しました。
アニメーション制作のスケジュールを組む時は、それぞれのパートを完成までにどう配分するかが重要となります。
この時、各工程にかかる時間を見誤らないようにしましょう。
中でも時間を見誤りやすいのは、「ポストプロダクション」です。
ポストプロダクションはアニメーション動画の撮影が完了し、音響やナレーションを入れて編集する作業になりますが、特に編集の部分で見誤ってしまうことがあります。
よく見られるのが、素材の制作や撮影に時間をかけすぎて編集する時間が極端に短くなってしまうケースです。
最終締め切りまで残りわずかというところでようやく編集作業に入る場合もあります。
ほとんど加工しなくても良いアニメーションであれば問題ないのですが、クオリティを高めるためにも編集作業は必要不可欠です。
しかも、編集作業は簡単そうに見えて実は時間がかかってしまうことも少なくありません。
プロでも数分の動画を編集するために何時間・何日と時間がかかってしまいます。
これは技術の問題ではなく、編集作業によって動画の品質が決まると考えているためです。
そのため、アニメーション制作のスケジュールを設定する際はポストプロダクションにかける時間の割合も増やしたり、納期の設定をもう少し延ばしてみたりすることで、高品質なアニメーション制作につながります。
信頼できる制作会社に依頼する
当然のことではありますが、納期を守ってくれる信頼できる制作会社に依頼することもスケジュール設定において大事なポイントです。
信頼できる制作会社を選ぶ時は「実績」を確認してみましょう。
近年は動画制作を専門に取り扱う企業も増えており、そのような企業でも動画広告に使えるアニメーション制作を実施しているところもあります。
しかし、動画制作はまだ業界的にも始まったばかりで、中には時間とコストだけがかかってしまい、すぐに廃業してしまう企業もあるでしょう。
そのため、制作会社を選ぶ時は創業してから10年近くの実績を残しているところ方が安心して任せられます。
また、大手企業が直接契約した制作会社も信頼できると言えます。
大企業は制作会社と契約する際に調査を実施します。
例えば制作会社がどのような体制で仕事をしているのか、業界内で規模はどれくらいか、評判はどうかなどを調査するのです。
こうした調査があった上で契約がなされているということは、大企業から見ても安心して契約できる制作会社ということが分かるでしょう。
もしどの制作会社を選べばいいか分からなくなったら、大手企業との制作実績があるか確認してみてください。
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まとめ
今回はアニメーション制作の流れについてご紹介してきました。
アニメーション制作にはいくつもの工程があり、それぞれに多くの人が関わっているものです。
仕事量も多く、納期までに完成するようにと必死で作業を進めています。
もし今後アニメーション制作を依頼しようと考えているのであれば、今回ご紹介したスケジュール設定のコツもぜひご参考ください。
そして、信頼できる制作会社へアニメーション制作を依頼しましょう
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