アニメーションはテレビCMをはじめ、YouTube、商品・サービス紹介、採用など様々な場面で活用されています。絵や文字などを動かして作られる動画であるため、実写のような撮影が不要な分、費用を抑えて制作することが可能です。
しかし、アニメーション動画の制作にどれだけの予算を用意すればいいのか、いまいち想像できない方もいるでしょう。そこで今回は、アニメーション動画の制作にかかる料金相場をまとめてみました。制作費用を抑えるコツやアニメーション動画制作の注意点なども解説しているので、ぜひ参考にしてください。
アニメーション動画の費用相場【種類別】
アニメーション動画には、スライドショーやモーショングラフィックスなど様々な種類があります。アニメーション動画の種類ごとの費用相場は以下のとおりです。
| アニメーション動画の種類 | 費用相場 |
| スライドショー | 10～30万円 |
| モーショングラフィックス | 30～200万円 |
| 会話劇 | 50～80万円 |
| ホワイトボードアニメーション | 50～100万円 |
| パラパラ漫画 | 80～150万円以上 |
| フレームバイフレーム | 300万円以上 |
| 3Dアニメーション | 300万円以上 |
| タイポグラフィアニメーション | 30～50万円 |
| モンタージュアニメーション | 80～90万円 |
| アイソメトリックアニメーション | 100万円 |
アニメーション動画の制作にかかる費用は、10～300万円以上と幅が広いです。シンプルなアニメーションであれば低コストで制作できますが、高度な技術や編集に手間がかかる動画は高額になりやすいです。
また、アニメーション動画によって特徴が異なり、活用方法も変わってくるでしょう。そのため、費用だけではなく、活用する目的に合わせてどのアニメーション動画が相応しいのか検討していく必要があります。それでは、種類ごとに詳しい特徴と費用相場を見ていきましょう。
①スライドショー
静止画のカットを連続で表示させて動きを表現するアニメーション動画です。商品・サービス紹介を目的に、15～30秒ほどの短いWeb広告やSNS広告として用いられるケースが多いです。
スライドショーの制作にかかる費用相場は10～30万円です。簡単なアニメーション効果や音楽・テキストを加える程度のシンプルな編集となるため、比較的低コストで制作できます。
また、制作期間も早くて1～2週間程度なので、すぐにアニメーション動画を活用したい場合にもおすすめです。ただし、他のアニメーション動画と比べてクオリティが低い点には注意が必要です。
②モーショングラフィックス
ロゴやイラストなどの静止画や文字に動きや音を加えたアニメーション動画です。静止画や文字に動きが加わることで、視聴者の注意を引き付ける効果に期待できます。製品の内部構造やインターネットサービスや教育といった無形商材など、言葉では説明が難しいものを紹介したい時に向いています。
モーショングラフィックスの制作にかかる費用相場は、30～200万円と幅が広いです。また、制作期間は1ヶ月半～2ヶ月程が平均となっています。求めるクオリティによって費用と制作期間は大きく変わります。特にオリジナルのグラフィック素材を作成する場合は、制作費用が高くなりやすいです。
③会話劇
映像に登場するキャラクターが話すアニメーション動画です。キャラクターが商品・サービスの紹介してくれるので、視聴者の耳に残りやすい動画にすることが可能です。キャラクターの表情やジェスチャーによって視聴者が感情移入しやすいのも特徴で、メッセージが伝わりやすいのも会話劇のメリットです。
会話劇は、教育や広告など様々な分野で活用することができます。自社のマスコットキャラを使った動画を制作したい場合にも最適です。
会話劇の制作にかかる費用は50～80万円が相場です。ただし、既存のキャラクターを使用する場合は使用料金が別途にかかります。さらに、キャラクターに声をあてる声優の起用にも別途費用が発生するため、100万円近くかかる可能性があるでしょう。また、制作時間は、1ヶ月半～2ヶ月程かかります。
④ホワイトボードアニメーション
黒板やホワイトボードに手書きでイラストや文字を描き、ストーリーを展開していくアニメーション動画です。ホワイトボードに描いている過程を映像化するパターンと、手書きのオブジェクトをソフトウェアで動かすパターンがあります。
ライブ感のあるアニメーションなので、複雑な内容でも順序を追って説明でき、見る人を飽きさせません。また、図解や文字で視聴者の理解力をサポートすることができるので、商品やサービスの魅力、経営理念など企業の想いを伝えやすい動画にできます。
ホワイトボードアニメーションの制作にかかる費用相場は50～100万円です。制作期間は1ヶ月～2ヶ月程が目安になります。テンプレートを活用できる制作ソフトを使えば、費用を抑えて簡単に自作できますが、クオリティやオリジナリティを重視する場合は多少高くても制作会社への依頼がおすすめです。
⑤パラパラ漫画
何枚ものイラストを連続で切り替えて動きを表現するアニメーション動画です。手書きの柔らかいタッチが親近感を与え、ドラマチックなアニメーションができます。オリジナリティがあり、メッセージ性の強い動画にできるので、経営理念を訴求できる会社紹介や採用動画におすすめです。また、個人のブライダル動画にも適しています。
パラパラ漫画の制作にかかる費用相場は、80～150万円以上です。大量のイラストを描く必要があるため、その枚数が多いほど制作費用は高くなります。また、制作期間はBGMやナレーションの挿入といった編集もあると2～3ヶ月程かかります。
⑥フレームバイフレーム
1秒間に複数の静止画を連続で映し、キャラクターや風景などを滑らかに動かしたアニメーション動画です。テレビアニメや映画に用いられている王道の表現手法になります。アニメーション動画の中でも細かな表現ができることがメリットです。
フレームバイフレームの費用相場は300万円以上、制作期間は3ヶ月以上が目安です。有名なイラストレーターが作画を担当したり、有名なキャラとコラボしたりする場合は、タイアップ先によって価格差があります。また、長尺のアニメといった大作になると、1,000万円以上になること可能性もあります。
⑦3Dアニメーション
縦・横・高さのある3次元空間で人やものの動きを表現するアニメーションです。2Dのアニメーションよりも立体的で臨場感のある動画にすることができます。機械や商品の内部構造、作業風景など、実写では撮影が難しい動画もリアルに再現することが可能です。事故や人体など刺激が強い内容もマイルドに表現した上で、視聴者に重要なことを伝えられます。
3Dアニメーションの制作にかかる費用相場は300万円以上、制作期間は2～3ヶ月以上となることが多いです。3Dモデルの構築に高度な技術やスキルが求められるので、費用は高額になりやすく、動画の完成までにも長い時間がかかりやすい傾向にあります。特にリアルなオブジェクトを求める場合は、精密なモデリングが求められる分、制作費用が相場以上となる可能性が高いです。
⑧タイポグラフィアニメーション
テキストやロゴに動きを与えたアニメーション動画です。文字に動きを与えることで視聴者にインパクトを与えたり、重要な情報が頭に入りやすかったりする効果に期待できます。
タイポグラフィアニメーションをメインにした動画だけではなく、実写に組み合わせて使われるケースも多いです。無形商材の紹介動画やイベントの告知、インストリーム広告・インフィード広告といったWebCMに向いています。
タイポグラフィアニメーションの制作にかかる費用は、30～50万円が目安です。動画の尺やクオリティによって費用は変動します。また、制作時間は1ヶ月半～2ヶ月が目安です。
⑨モンタージュアニメーション
写真やイラストなどの静止画を切り抜いた素材を使ったアニメーションです。連続しないカットをつなげて、一つのストーリーを作り上げていく点が一般的なアニメーションとの違いになります。
例えば、自宅から電話をする人の切り抜きとオフィスで電話を受ける人の切り抜きを組み合わせれば、「消費者がコールセンターに相談し、スタッフがその対応している」というストーリーを表現できます。アングルやシーンの異なる複数の静止画を使えるので、無形商材やブランド・企業のコンセプトムービーを紹介する際におすすめです。
モンタージュアニメーションの制作にかかる費用相場は、80～90万円です。動画に使いたい素材を発注者が提供する場合は、相場よりも費用を抑えられる可能性があります。制作時間は1ヶ月半～2ヶ月が目安です。
⑩アイソメトリックアニメーション
2Dを3Dのように立体的に見せたアニメーション動画で、2.5D動画とも呼ばれています。対象物を斜め上から俯瞰するようなデザインで製作されているのが特徴です。生活や社会の様子などを客観的な目線で表現できるので、事業内容や環境名所の紹介をする動画に適しています。
アイソメトリックアニメーションの制作にかかる費用相場は、1分尺の動画で100万円程です。動画の尺の長さによってはさらに高くなる可能性があるでしょう。また、アイソメトリックアニメーションの制作にはスキルや知識が求められるため、対応できる制作会社がそう多くないのも費用が高くなりやすい理由と言えます。
アニメーション制作におすすめの会社や動画制作の料金相場について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
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アニメーション動画の制作事例と費用
種類ごとの相場は把握できたものの、予算に対してどのくらいのレベルのアニメーション動画が作れるのかはイメージが難しいでしょう。ここでアニメーション動画の制作事例とかかった費用相場をご紹介するので、動画制作を依頼する際の参考にしてください。
【10～30万円】株式会社クロコのサービス紹介動画
株式会社クロコは、ビジネスマッチングサイトの登録者増加を目標にPR動画を制作しました。イラストアニメーションによって、サービスの理念や利用者が得られるメリットをわかりやすく表現しています。
動画に登場するイラストは手や目などが動く程度で、動きが少ない特徴があります。動きが少ないと描くイラストの数が少なくなるので、10～30万円程の予算で動画制作が可能です。少ないコストでも構成やビジュアルのクオリティなどに力を入れることで、メッセージ性や訴求力の高い動画にすることができます。
【30万円以上】伊藤忠エネクス株式会社の事業紹介動画
アスファルト事業を展開する伊藤忠エネクス株式会社は、ステークホルダー向けに事業の将来性や優位性をPRするために事業紹介動画を作成しました。カジュアルなデザインのイラストアニメーションにより、事業内容をわかりやすく紹介しています。
こちらの動画では、基本的に2Dアニメーションで表現していますが、一部は3Dによって2Dでは表現できないシーンを実現しました。3Dを使っているシーンも2Dの雰囲気を崩さないように注意して前後とのつながりや色を調整しています。
また、アイソメトリックアニメーションの要素も取り入れられているのも特徴です。30万円以上の予算をかけることができれば、様々な表現手法を取り入れたアニメーション動画の制作ができます。
【100万円以上】株式会社フォーバルの事業紹介動画
株式会社フォーバルは、商談や営業で活用する事業コンセプトを伝えるための動画を制作しています。こちらの動画では前半部分にホワイトボードアニメーションを採用し、社会が変化する中で同社の必要性を伝えています。そして、後半は会話劇のようなアニメーションによって、様々な事例を紹介する流れとなっています。
費用レンジは100万円からとなっています。100万円以上の予算を確保できれば、ホワイトボードアニメーションや声優の起用が必要となる会話劇のアニメーションを制作することが可能です。
【100～300万円以内】株式会社APパートナーズのサービス紹介動画
株式会社APパートナーズは、年齢診断と求人検索サービスのWeb広告用に動画を制作しています。博士と助手のキャラクターのコミカルなやりとりを通じて、サービスの特徴を伝える動画となっています。
会話劇の場合、一般的な相場は50～80万円ですが、こちらの動画の費用レンジは100～300万円以内です。キャラクターを滑らかに動かすためにイラストを多用しているので、クオリティが高い分、相場よりも高くなります。また、会話劇は声優の起用が必要になるのもコストアップする要素です。
【100～300万円以内】SFA Japan株式会社の商品紹介動画
SFA Japan株式会社は、排水圧送ポンプのPR動画を制作しました。こちらの動画では、3Dアニメーションを採用しています。社員が流しで困っている場面などを立体的に表現することで、当事者意識を持たせられる動画に仕上がっています。
費用レンジは100～300万円以内です。100万円以上の予算を確保できれば、モデリングに専門技術や知識は求められる3Dアニメーションの動画を制作することが可能です。
アニメーション動画の制作費用を安く抑えるコツ
ここでは、アニメーション動画を制作する際に、少しでも費用を安く抑えるためのコツをご紹介します。
時間は30秒以内に
アニメーション動画の制作費用を抑えたいなら、動画の尺を短くするのがポイントです。安くしたいなら30秒以内、長くても60秒以内にすると良いでしょう。アニメーション動画は、時間が長くなればなるほど、必要な工程が増えるため、かかる費用も高くなります。
せっかく動画を作るならと、詰め込みたい情報やメッセージはたくさんあるかもしれません。しかし、できるだけ安く抑えたいなら、盛り込む情報を絞り込み、30秒以内に抑えるようにしましょう。
ちなみに、30秒のアニメーション動画の場合、盛り込むことのできるメッセージは1つ、多くても2つが限界です。短い時間にたくさんのメッセージを詰め込んでも、何が言いたいのかがはっきりせず、視聴者にも伝わりにくいです。どうしても伝えたいメッセージが2つ以上ある場合は、60秒動画を検討しましょう。
また、事前に制作会社に費用を安く抑えたい旨を相談し、短くても効果的な動画を制作できるよう依頼することも大切です。
関わる制作スタッフを把握
アニメーション動画を制作する際は、関わる制作スタッフを把握しておくと、費用を計算しやすくなります。一般的なアニメーション動画の制作スタッフは以下の通りです。
・イラストレーター
・アニメーター
・ディレクター
・ナレーター
・デザイナー
イラストレーターは、クライアントの要望に合わせてイラストをデザインするほか、絵コンテの内容に合わせて全体の絵やキャラクターも担当します。
アニメーターは、イラストレーターがデザインした絵に動きを付ける担当です。アニメーションの動きがナチュラルに仕上がるかどうかは、アニメーターの技術力によるところも大きいです。
他にも制作の責任者で全体の指揮を取るディレクターや、ナレーションを行うナレーター、文字デザインやレイアウトを設計するデザイナーなど、一つのアニメーション動画を作るにも、多くのスタッフが関わっています。業界で有名なスタッフが関わるほど費用も高くなるため、できるだけ費用を安く抑えたい場合には、制作会社に相談することをおすすめします。
使用する素材を用意する
アニメーション動画制作では、映像を作る際のイラスト素材を自分で用意するかによっても費用が大きく変わります。イラスト販売サイトで購入したり、イラストレーターにデザインを依頼したりすると、かかる費用は高くなるため、注意が必要です。
自社キャラクターのデータや、Webやパンフレットを制作した際の素材があるのなら、それらを提供することでコストを低く抑えられます。動画のオリジナリティを出す効果も期待できるので、自社のロゴやマスコットキャラクターなど、使える素材がある場合は活用するのがおすすめです。
また、最近は著作権フリーの写真やイラスト、音楽素材も多々あります。中には商用利用不可のものもあるため、利用には注意が必要ですが、適切に利用すればクオリティの高い素材を低コストで使うことが可能です。素材によっては自社素材と組み合わせることもできるので、ぜひチェックしてみてください。
アニメーション動画を制作する際の注意点
ここでは、アニメーション動画を制作する際に注意したいポイントをご紹介します。クオリティの高いアニメーション動画を作りたい方は、ぜひ参考にしてください。
制作したいアニメーションのイメージを具体化する
アニメーション動画のクオリティは、スキルやノウハウによって大きく左右されます。そのため、質の高い動画を制作したいなら、動画制作会社に依頼するのがおすすめです。
動画制作会社は、クライアントからヒアリングしたイメージをもとにアニメーション動画を制作します。そのため、どのように活用したいのか、どんな動画を作りたいのかが明確でないと、制作会社も模索しながら進めることになり、非効率です。
時間がかかるだけでなく、クオリティが下がる要因にもなるため、事前に制作したいアニメーションのイメージを具体化しておきましょう。
制作会社の制作実績や作品を確認する
動画といってもその種類は幅広く、制作会社によって得意不得意は分かれます。具体化したイメージ通りのアニメーション動画を作りたいなら、制作会社がこれまで手掛けた作品や実績を確認し、自分のイメージするものと近い制作会社を選ぶことが大切です。
ただし、ここで注意したいのは、普段テレビなどで見ているCMやアニメーションのクオリティを基準に考えることです。テレビで見るレベルのアニメーションは、クオリティが高い分、費用も高額です。イメージしていたのと違うとがっかりしないためにも、予算に合った作品や事例をチェックしておきましょう。
制作体制をチェックする
低コストで高クオリティのアニメーション動画を制作したいなら、制作体制をチェックしておくことも大切です。アニメーション動画の場合、イラストレーターやアニメーターなど専門のスタッフが必要なこともあり、制作会社によっては作業を外注しているところもあります。
外注の全てが駄目なわけではないものの、制作費用が高くなったり、思うように意思疎通ができなかったりといったデメリットが存在します。動画制作そのものに影響を及ぼすこともあるため、できれば自社で全て内製している制作会社が好ましいです。
動画制作・映像制作ならGJCへお任せください
GJCは、業界トップクラスのコストパフォーマンスで、高品質な動画制作を実現する動画制作・映像制作会社です。編集チーム内で得意分野、専門分野の担当が分かれているため、質の高いアニメーション動画をはじめ、3DCGやホログラムなど特殊な編集にも対応した動画制作が可能です。
GJCでは、お問い合わせや相談、お見積もりに無料で対応しています。正式な契約前に企画構成を無料でお渡しすることもできるので、制作会社選びに悩まれている方は、ぜひGJCまでお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ先は以下の通りです。
まとめ
今回は、アニメーション動画の制作にかかる費用相場について、種類別に詳しく解説しました。アニメーション動画と一口にいってもその種類や費用は様々です。アニメーション動画を制作する際は、予算や目的に合った種類を選びましょう。
また、アニメーション動画の質にこだわるなら、制作会社選びも重要です。これまでの制作実績や事例を確認し、イメージするアニメーション動画を作ることのできるノウハウを持つ制作会社を選ぶことが大切です。
