現在、多くの企業でマーケティングの一つとして取り入れられている動画広告は、市場もかなり大きくなってきています。今後も市場規模はどんどん拡大していき、2023年には3485億円規模にまで達すると予測されているのです。
動画広告市場が広がっていった理由は様々なものがありますが、中でも注目すべきはSNSです。動画広告というとYoutubeなどの動画投稿サイトにアップされることがほとんどでしたが、現在ではSNSに動画広告を掲載し、拡散を狙った働きがみられます。
今回はSNSの中でも日本を含め海外で広く利用されている「Instagram」で、動画広告を取り入れた方が良い理由を3つご紹介していきます。
これから動画広告をSNSで掲載する場合、どのコンテンツを利用するべきか悩んでいる方は今回の記事をご参考ください。
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Instagram向け広告動画の事例
現在世界的に主流となっているSNSは、FacebookやXなどが挙げられます。
そのため動画広告においてもFacebookやXが採用されることは少なくありません。
しかし、Instagramでの動画広告にも注目が集まってきており、導入を開始する企業も増えています。
Instagramでも広告主となる企業を増やそうと、以前から60秒間における動画広告をリリースしたり、動画再生回数を表示させたりするなど、動画広告を取り入れやすい環境を作っています。
そんなInstagramにおいてどのような動画広告があるのでしょうか?
Instagramで動画広告を取り入れた方が良い理由の前に、いくつか事例をチェックしてみましょう。
Lowe’s
海外のホームセンターであるLowe’sは、Instagramを中心に他のSNSや動画投稿サイトを活用してDIYに関する動画広告を発信しています。
様々な動画広告がある中で、「フリップサイド」と呼ばれるフォーマットを取り入れているのも特徴的と言えます。
フリップサイドとは、画面の半分は通常の動画位置、しかしもう半分は上下逆さまになった状態で動画が流れるというもので、それぞれ同じように見えて異なる動画を流すことができます。
Lowe’sでは、最初は同じ内容ですがDIY商品を使った場合と使わなかった場合に分かれていき、結果が異なるという動画広告を作っています。
この動画広告はスマートフォンを逆さにすると上下逆さまになっていた方の動画広告を見られるので、一人が再生する数を増やすこともでき、動画広告として十分な機能を果たしていると言えるでしょう。
バナナ・リパブリック
アメリカの衣料品小売メーカーであるバナナ・リパブリックでは、まだInstagramにそこまで動画広告が流れていない時期に導入していました。
どのような動画広告を取り入れていたかというと、例えばタイムラプス動画を使ってデザインがスケッチされていく様子を描いています。
このデザインは最終的に本当のデザインとなってモデルが着用している写真と並べられているのです。
簡単にどのような流れでデザインが作られ、本当の衣類デザインになっていくのかという過程を見ることができます。
また、このデザインはある時期のコレクションであり、マーケティングにもつながっているのです。
タコベル
メキシカン料理のファストフードを取り扱うチェーン店のタコベルでは、3種類の動画広告を投稿し、話題となりました。
動画広告の中でも視聴されることが多いレシピ動画は、作っているところを上から撮影して最終的に美味しそうで見た目にも美しい料理が作られることが多いです。
しかし、タコベルの動画広告は上から撮影して料理を作るというところは人気のレシピ動画と一緒なのですが、作っている途中で色々と失敗している様子が撮影されています。
これは、1ドルで時間も手間もかけずに美味しい料理が食べられるというメッセージが込められており、さらに人気のレシピ動画をパロディーにしたことから、ついそのまま指を止めて見てしまうという面白いだけでなく、マーケティングとしてよく作られている動画広告です。
このように、Instagramには既にたくさんの動画広告が投稿されています。
事例を参考に効果的な動画広告を制作してみてはいかがでしょうか?
細かくターゲティングして高品質なリーチ
Instagramの動画広告事例をご紹介してきましたが、なぜInstagramに取り入れるべきなのか、理由をご紹介していきます。
まず、一つ目に挙げられるのは細かくターゲティングができ、高品質なリーチをかけられるという点です。
InstagramはFacebookと同じ広告システムを導入しています。
Facebookの動画広告を既に活用されている方ならお分かりいただけるかと思いますが、Facebookの動画広告ではかなり細かくターゲティングを設定することが可能です。
例えば、地域や年齢、性別、言語、学歴や家族構成、仕事、ライフスタイルなどの個人属性、趣味や個人的な関心事、購入行動、つながりなどがあります。
これらの項目を細かく設定していくことで、より効果的なターゲティングを取り入れた動画広告が可能となります。
商品やサービスが必要となるだろう人だけに向けて動画広告を配信することができるので、成果にもつながりやすいです。
また、そもそもInstagram自体がターゲットを絞るのに有利とされています。
例えばFacebookやXは世界中で何千万・何億人ものユーザーが見ていることになります。
そこからターゲティングを行なっても狙ったユーザーに絞りきることは非常に難しいです。
しかし、Instagramというのは圧倒的に10~30代のユーザーが多く、さらに男性よりも女性が多く利用しているSNSです。
ターゲティングで狙うユーザーが10~30代の女性であった場合、Instagramの動画広告はかなり高いマーケティング効果を発揮することでしょう。
特にアパレルやコスメ関連、オシャレなライフスタイルに合った商品・サービスであれば動画広告で大きな成果も期待できます。
ハッシュタグを活用
FacebookやXなどでも取り入れられているハッシュタグですが、Instagramではハッシュタグの活用率が非常に高いです。
FacebookやXに比べて1つの投稿に対し付けられるハッシュタグの数はかなり多くみられます。
このハッシュタグというのは投稿内の文章や単語に「#(シャープ記号)」を付けたもので、ハッシュタグによって検索される際にその文章や単語ごとに検索された投稿をまとめて確認することができます。
つまり、動画広告にもハッシュタグを活用することで、その単語に対して興味のあるユーザーに動画広告を見てもらえる可能性が高まるというわけです。
例えばコスメブランドがハッシュタグを取り入れるなら、「#メイク」「#アイブロウ」「#スキンケア」「#簡単メイク」などのように使われます。
タイムラインとストーリーの使い分け
Instagramでは、タイムラインとストーリーの2箇所に動画広告を掲載することが可能です。
表示されればどこでも同じと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、それぞれの特徴を理解することで効果的なプロモーションが行えます。
そもそも、タイムラインとストーリーの違いをご存じですか?タイムラインとは、投稿内容を見るためのメインページです。
タイムラインを流し見している時に、目に付いた動画広告を見てもらえる可能性があります。
一方、ストーリーとは、タイムライン内ではなく上部に表示されます。
もう少しストーリーについて説明すると、ストーリー広告は投稿から24時間経過すると自動で画像や動画が消える設定にできます。
なので、常に表示している情報ではなく、期間限定で有力な情報を提供したい時や、限定商品の告知などに見てもらいたい時に役立つでしょう。
掲載したい広告内容に応じて使い分けることで、広告効果をアップすることができます。
効率的よく使い分けるポイント
一般ユーザーの場合、タイムラインにアップされる通常投稿は日記感覚で、旅の思い出やトレンドアイテム、フォトジェニックスポットの写真などポートフォリオのような使い方をしています。
24時間で消えるストーリーは「いいね」の数を目的にしたものではなく、日常のひとコマのようなカジュアルな印象の投稿が多いです。
この傾向から人に見てもらいたい投稿、「いいね」の数などは考えず気楽に投稿する場合と使い分けています。
ビジネスアカウントでも、通常投稿に適した内容とストーリーだから有効な内容に分けることが可能です。
通常投稿の場合
通常投稿ではハッシュタグが使用できるので、ブランドの特色を活かした投稿が最適です。
例えば、アパレルショップのアカウントなら毎日ファッションコーディネートを乗せ、オシャレが好きなターゲットにアプローチできます。
ハイブランドでは1日に何度も広告を投稿するのではなく、1日1回投稿するこだわりを持つ企業が多いです。
投稿回数に制限を設けることにより、次はどんな画像や動画が投稿されるのかフォロワーも気になり、毎日見たいと思わせる効果に期待できます。
通常投稿は自動で消えることはないので、何度も見てもらいたい動画広告を投稿する場合に最適です。
スト―リーの場合
タイムラインの場合、今すぐ見てもらいたい内容が他の投稿で埋もれてしまい、なかなか目につかないことがあります。
しかし、ストーリーならタイムラインと独立しており、能動的に見なければならないので、自然とエンゲージメントをアップさせることが可能です。
24時間で広告が消える特性を活かすなら、ユーザーにとって今すぐ知りたいと思わせる動画広告を掲載するのが望ましいです。
例えば、商品のセールなら対象商品やセール期間を動画にまとめたもの、イベントの告知ならPR動画などがあります。
通常投稿とは違いアイコン表示となるためアイコンの見せ方を工夫したり、後で消える投稿でも高品質な動画を作成したり工夫が問われます。
告知内容が話題となれば、情報収集したいフォロワーが増える可能性があるでしょう。
キャンバスフォーマットで直帰率やコンバージョンレートを改善
2017年9月にストーリー広告に関するアップデートがあり、キャンバスと呼ばれるフォーマットが追加されました。
元々はFacebookのモバイル向けのニュースフィールドで提供されている広告形式で、直帰率やコンバージョンレートを改善する効果に期待できます。
そもそもキャンバスフォーマットとは、広告をクリックするとビューワーが立ち上がり、商品ページに誘導できる形式です。
簡単に説明すると、Instagram専用のLPとなります。
ネガティブな要素をなくし効率よく誘導
一般的な広告はクリックすると自社のLPや公式サイトに移動しますが、他サイトに移動すると同時にInstagramから離れるので、動画や写真を楽しんでいるユーザーにとってはネガティブにとらえられてしまい、アクセスしてすぐに離脱されてしまう恐れがあるのです。
しかし、キャンバスはInstagramを起動しながら独自のビューアーでLPを表示されるので、スライドやタップなど簡単な操作でインタラクティブなコンテンツを見ることができます。
誘導した目的のページリンク先をボタン表示でき、さらにコンテンツの最後にも表示できるので、コンテンツを全部見て気に入った人を自然に誘導することができます。
見終わったらビューアーを閉じればいいだけなので、引き続きInstagram内のコンテンツを見てもらいやすく、直帰率やコンバージョンレートのアップにも期待できるわけです。
自由度が高く手軽に導入できる
キャンバスではテキストや写真・動画だけではなく、カルセール形式で画像や動画の掲載、画面を傾けると左右が見えるフルスクリーン表示など、自由度の高い広告を掲載できます。
クリエイティブな表現を出すことで離脱率を下げる対策にもなるでしょう。
LPはデザインやコーディング、サーバー・ドメイン管理など制作の工数が多く、費用もかかってしまいます。
しかし、キャンバスはデザインをつくり、フォーマットを登録するだけで簡単にLPのようなページを作成できるので、手軽に導入できるメリットも大きいでしょう。
キャンバスフォーマットの効果を引き出すポイント
キャンバスフォーマットを導入したからといって、必ず結果が出るとは限りません。
この形式を使う上で、意識して動画制作や導入するポイントがあります。
使うことが目的になっていないか
動画広告に限らず広告の目的には得手不得手があり、場合によってはキャンバスフォーマットでも良い結果にならない可能性があります。
このフォーマットを使うことが目的にならないように、課題を明確として解決策として有効かどうかで判断しましょう。
また、施策の段階で効果検証をすることも大切です。
親和性を持たせる
キャンバスフォーマットは自然な流れで目的のページに誘導できるので、コンテンツのデザインは目的ページと合わせることで親和性が高まり、誘導率のアップに期待できます。
動画もInstagram向けに親和性を意識して作成すると良いでしょう。
Instagramは世界中にユーザーがおり、毎日トレンドが発信されているので商品やブランドのプロモーションの場として最適です。
今回ご紹介したように、細かくターゲティングができ、動画広告を掲載する場所やフォーマットを自由に選べるので、効果的な動画マーケティングが行えます。
まだInstagramで動画広告を導入していないのであれば、この機会にInstagram向けの動画広告を作って活用してみてはいかがでしょうか?