
2020年頃から新型コロナウイルスの感染拡大したことをきっかけに、自宅で過ごす時間が増えました。
こうした状況の中で、YouTubeなど動画サービスやSNSを利用する頻度が高まっています。
動画視聴の時間が増えていることから、今後も動画広告市場はさらなる拡大を見せると予測できます。
そのため、様々な業種で動画広告の導入を検討する企業も増えているのです。
今回は、動画広告の種類やメリット・デメリット、効果を生むためのポイントなどを解説していきます。
動画広告の導入をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
- 動画広告とは
- 動画広告のメリット
- より多くの情報をユーザーに伝えられる
- ストーリー性を持たせやすい
- 広告の効果を検証しやすい
- 動画広告のデメリット
- 制作コストがかかる
- 動画によってはネガティブな印象を与える可能性がある
- 効果がクオリティに左右される
- 動画広告と静止画広告の比較
- 動画広告の種類
- インストリーム広告
- アウトストリーム広告:インバナー広告
- アウトストリーム広告:インリード広告
- 動画広告の配信媒体
- 動画広告の効果
- 動画広告の効果測定方法
- 動画広告の課金形式
- 再生回数に応じた課金
- 表示回数に応じた課金
- CV数に応じた課金
- 動画広告の成功事例
- アウディ社の事例
- VIVIEN社の事例
- 株式会社ダスキンの事例
- Tuft & Needleの事例
- リノベ不動産の事例
- 日産自動車株式会社の事例
- Moontonの事例
- Whisper India, P&G社の事例
- 動画広告で効果を生み出すポイント
- YouTube動画広告を成功させるポイント
- 3大SNS動画広告を成功させるポイント
- まとめ
動画広告とは
動画広告とは、その名のとおり動画を用いた広告を指します。
テレビCMや屋外や電車内で流れる広告も動画広告と言えますが、最近では主にWeb上で流れる広告を指すケースが多いです。
代表的なものとしては、YouTubeなど動画配信サービスを視聴する際に冒頭や合間に差し込まれる15~30秒程度の広告が挙げられます。
動画広告は、日本の広告市場でも特に伸びている分野の1つであり、CCI/ D2C/電通/電通デジタルが共同で発表した「2021年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」では、前年比132.8%の成長率を記録し、初めて5,000億円を突破したとの調査結果も出ていました。
動画広告がインターネット広告媒体費全体の約23%を占めていることからも、市場規模の大きさを窺い知ることができます。
日本では今後さらに動画広告の需要が高まり、市場もまだまだ拡大すると期待されています。
動画広告のメリット
動画広告では、テキストやバナー広告に比べて情報伝達量が多い、ストーリー性のある広告を作ることできる、効果を検証しやすいといったメリットがあります。
以下ではそれぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
より多くの情報をユーザーに伝えられる
動画広告では、音や映像などを視覚だけでなく聴覚にも訴えかけることができます。
人は視覚と聴覚だけで、感覚の実に9割以上を占めると言われています。
そのため、音や映像を効果的に使うことができれば、テキストやバナー広告では伝えることが難しい情報もユーザーに届けることが可能です。
また、音と映像を組み合わせてクリエイティブな動画を作ることで印象にも残りやすくなり、購買意欲やブランド認知度の向上効果が期待できます。
ストーリー性を持たせやすい
ストーリー性のある動画広告の場合、何となく続きが気になり最後まで見てしまったという経験を持つ方も多いでしょう。
人間は、動いている映像につい反応してしまいがちです。
先の展開が気になるようなものであれば、興味はなくても見入ってしまうものです。
そのため、商品やサービスをアピールしたい場合、ただ文字や映像を羅列するのではなく、ストーリー性を持たせた方がよりユーザーに強い印象を残せます。
広告の効果を検証しやすい
動画広告では、広告の表示回数やクリック数、再生数や再生時間など、どのくらいのユーザーが動画を視聴したのか、データをリアルタイムでチェックできます。
そのため、期待したような効果が出ていない場合には、早い段階で商品やサービスの改善につなげることが可能です。
「どの程度の時間で視聴者が離脱しているか」「想定しているターゲットが視聴しているか」など、詳細な情報をチェックすることは、次の施策を考える上で非常に有効です。
動画広告のデメリット
より高い広告効果を期待できる、効果の検証がしやすいなどのメリットがある一方で、デメリットも存在します。
以下では、動画広告のデメリットについて詳しく解説していきます。
制作コストがかかる
動画広告は、テキストやバナー広告に比べて制作するのに時間がかかります。
どのような内容の広告にするのか、企画を練るのに加えて、撮影や編集にも多くの時間を要します。
自社に制作できる人材がいれば良いですが、いない場合には専門業者に依頼しなければならないため、さらに制作費用も高額になりやすいです。
テキストやバナー広告など、静止画広告に比べると高い広告効果が期待できますが、その分制作コストも高くなる点はデメリットと言えるでしょう。
動画によってはネガティブな印象を与える可能性がある
動画広告は、静止画広告よりも視聴者の印象に残りやすいです。
良いイメージであれば広告効果も期待でき問題ありませんが、反対に作り手側の意図が思ったように伝わらずネガティブな印象を視聴者に与えてしまう可能性があります。
実際に、過去に内容が不快だとして休止に追い込まれた事例も存在します。
もしもそのような事態になれば、広告費が無駄になるだけでなく、商品や企業のイメージダウンにつながる恐れがあります。
効果がクオリティに左右される
テキストやバナー広告に比べて、より多くの情報をユーザーに伝えることのできる動画広告ですが、実際のところ効果が出るかどうかは動画のクオリティに左右されやすいのが実情です。
いくら情報量が多くても何が言いたいのかわからないような動画では、見ている視聴者は飽きてしまいます。
そうなると、期待する効果が得られる可能性は限りなく低いです。
特にYouTubeでは、配信されている広告の多くは5秒経てばスキップできます。
動画広告を作るのであれば、5秒でユーザーの気を引くクオリティでなければ効果は期待できません。
動画広告と静止画広告の比較
動画広告と静止画広告にはどのような違いがあるのか見ていきましょう。
静止画 | 動画 | |
コンバージョン率 | 低い | 高い |
情報量 | 少ない | 多い |
情報の伝わり方 | 瞬時に伝えられる | 印象・記憶に残りやすい |
コスト | 低コスト | 静止画より高額 |
静止画広告は、1枚の画像にしか伝えたい情報が載せられないので情報量が少ないというデメリットがあります。
しかし、伝えたい情報がすべて詰まっており、瞬時に伝えられる点がメリットです。
動画広告は、静止画とは反対に情報量が多いです。
1分の動画にはWEBサイト3,600ページ分もの情報が詰まっていると言われているので、文字を読むよりも手軽に情報を伝えられます。
また、視覚だけではなく聴覚からも伝達されるので印象や記憶に残りやすい広告が作成できます。
コンバージョン率とは、広告をクリックしてサイトに足を運んだユーザーが商品の購入やお問い合わせなど、広告主にとって成果といえる行動をとった数のことを言います。
Yahoo! JAPANの調査によれば、コンバージョン率の高さは静止画よりも動画の方が獲得率が高い結果が出ています。
より成果を上げたいと考えているなら、動画広告の制作を検討してみましょう。
動画広告の種類
動画広告は、「インストリーム広告」と「アウトストリーム広告」の2種類に分けられます。
続いては、それぞれの特徴について解説していきます。
インストリーム広告
インストリーム広告は、YouTubeといった動画サイトで、動画と動画の合間に流れる広告を指します。
動画を途中でスキップできる「スキッパブル型」と動画を最後まで視聴しないと本編を再生できない「ノンスキッパブル型」の2種類があります。
音声もデフォルトでONになるので静止画と比較しても商品やサービスの魅力を伝えやすいです。
また、インストリーム広告と言っても、「プレロール広告」「ミッドロール広告」「ポストロール広告」の3種類があり、それぞれに違いがあります。
・プレロール広告
本編の最初に挿入される広告で、認知獲得が目的です。
・ミッドロール広告
本編の途中に挿入される広告で、広告を完全視聴させる目的があります。
・ポストロール広告
本編の最後に挿入される広告で、コンバージョンの獲得を目的に作成されます。
ただし、強制的に動画広告が挿入されてしまうので、マイナスのイメージを持ってしまうユーザーもいます。
そのため、動画を届けたいユーザー層をしっかりとターゲティングし、関心を持ってくれそうなユーザーのみにアプローチすることが大切です。
YouTubeは子どもから高齢者まで幅広いユーザーがいますが、細かいターゲティングが可能です。
・ユーザーの興味や関心
・年齢
・家族構成
・住んでいる地域 など
また、スキップされないよう伝えたいメッセージは先に出し、興味関心を惹く動画作成が基本です。
アウトストリーム広告:インバナー広告
Webページ上にある広告掲載枠に配信される動画広告を指します。
そのため、普段動画コンテンツを使用しないユーザーにも商品やサービスをアピールできます。
ただし、音声はクリックしない限り流れません。
ディスプレイ広告と同じように、ターゲティングが可能です。
ユーザーが興味関心を抱く内容を表示できるのでコンバージョン率の向上につながります。
目を惹く動画を作成し、ユーザーの心を掴みましょう。
アウトストリーム広告:インリード広告
Webサイト上にある記事やSNSのフィードなど、コンテンツの間に表示される広告がインリード広告です。
ページをスクロールした時に、広告が表示されると自動的に動画広告が再生されます。
ストーリー性のあるクリエイティブとの相性が良いので、ユーザーの興味を惹ければ最後まで視聴してもらえます。
画面に表示されたらスタートするので、ユーザーの目に留まりやすい点がメリットです。
ただし、インリード広告の初期設定では、音声がOFFの状態になっています。
音声なしでもユーザーにわかってもらえるよう、理解しやすい内容にすることが大切です。
動画広告の配信媒体
作成した動画広告を配信できる媒体をご紹介していきます。
◎YouTube
動画配信サイトの中でも最も利用者が多いコンテンツです。
子どもから高齢者まで、幅広い年齢層のユーザーが利用しています。
広告メニューが豊富である点もYouTubeの特徴と言えます。
・TrueViewインストリーム広告
・True Viewディスカバリー広告
・バンパー広告
・アウトストリーム広告
・マウスヘッド広告
◎Instagram
Instagramは、日本国内だけでもアクティブアカウント数が3,300万人を超えています。(2019年3月時点)
若い女性ユーザーも多いので、ユーザーに合わせた動画広告の配信が可能です。
ビジュアルをメインにした情報検索も盛んに行われています。
おしゃれな動画を制作すれば、視聴してもらえる機会も多くなるはずです。
広告配信できる場所は以下のとおりです。
・Instagramフィード
・Instagramストーリーズ
・発見タブ
・リール
◎LINE
2020年10月時点で日本国内での月間利用者数が8,800万人を超えるLINEは、圧倒的なリーチ力が魅力なので、それを活かした広告配信が可能です。
幅広い年齢層のユーザーがいるので、多くの人に商品やサービスを知ってもらえます。
・Smart Channel
・タイムライン
・ウォレット
・LINE NEWS
・LINEマンガ
・LINEポイント
・LINE BLOG
・LINEショッピング
・LINEクーポン
・LINEチラシ
動画広告が配信できる場所も非常に豊富です。
それぞれの配信場所によってユーザー層にも違いがあるので、商品やサービス内容に合った広告を配信できます。
動画広告の効果
動画広告を利用すると、「認知拡大」の効果が期待できます。
どんなに良い商品やサービスでも、存在がわからなければ購入や利用はできません。
動画広告を配信すれば、多くの人に認知してもらいやすくなります。
株式会社電通と株式会社ディーツーコミュニケーションズが実施した調査でも、他の広告と比較した結果、動画広告の認知率が高いと報告されています。
「自社の商品をより多くの人に知ってもらいたい」「魅力あるサービスをたくさんの人に利用してもらいたい」と考えているなら、動画広告の制作を検討してみてください。
また、「ブランディング」にも動画広告は有効です。
文字や写真だけでは伝えられない魅力を動画で伝えられれば、商品やサービスの好感度も上昇します。
「〇〇といえばこの商品」といった意識が根付けば、多くの広告費や販促費を投入せずとも顧客の獲得が可能となります。
動画広告の効果測定方法
動画広告の効果を測る方法を解説していきます。
・認知
認知を目的として動画広告を配信したのであれば、「動画表示数」や「動画再生数」をチェックしましょう。
CPMやCPVを確認し、認知拡大を目指してください。
・理解促進
動画広告で、商品やサービスに対する理解促進を促すなら、動画をより長く観てもらう必要があります。
「動画の再生回数」だけではなく、「動画の完全再生数」が指標です。
CPVやCPCVをチェックして理解促進を測ってみましょう。
・コンバージョンアップ
動画広告によって商品の購入やサービスの利用、サイトへの訪問を伸ばしたいなら、「広告のクリック数」が重要です。
CPCとKPIをチェックして、効果があったのか確認してください。
動画広告の課金形式
動画広告には、大きく分けて3つの課金形式があります。
それぞれの特徴を解説していきましょう。
再生回数に応じた課金
動画広告が一定時間再生されることで課金される形式で「CPV」と呼ばれています。
再生秒数は配信する媒体によって違いがあるので、あらかじめ確認し秒数に合わせた動画制作が大切です。
表示回数に応じた課金
動画広告が表示された回数に応じて課金される形式で「CPM」と呼ばれています。
「Cost Per Mille」の略語で、1,000回表示されるごとに課金される仕組みです。
CPMの単価は、動画広告のジャンルやメディアによって違いがあります。
CV数に応じた課金
動画広告を経由してリンクがクリックされた数に応じた課金形式が「CPC」です。
「Cost Per Click」の略語で、集客数がわかりやすいので広告の費用対効果を調べる際にも利用されています。
1クリックにかかる広告費は競合広告主とのオークションで決定します。
動画広告の成功事例
ブランドや商品・サービスの認知や新規顧客の開拓など様々な目的で動画を活用している企業は多く存在します。
ここで、動画広告を成功させた8社の事例をご紹介します。
アウディ社の事例
ドイツの高級車メーカー・アウディ社は、ある手法で視聴率100%を達成しました。
その手法とは、5秒で完結する動画を制作したことです。
YouTubeのインストリーム広告は、再生開始から5秒すると広告のスキップが可能なので、5秒以上の動画は最後まで視聴してもらえない可能性が出てしまいます。
実際、YouTubeのインストリーム広告はスキップする確率が高いため、視聴率100%の達成は簡単なことではありません。
しかし、5秒間で完結する広告であれば、スキップされず最後まで見てもらえます。
アウディ社がこの手法でPRしたものは、新型R8でした。
R8は高いパフォーマンスを誇るスポーツカーで、停止状態から時速100kmに到達するまでわずか3.5秒という驚異的な走破性を持ちます。
動画は冒頭の3.5秒はR8のスピード感を体感できる映像、残り1.5秒は商品名と社名を表示する構成となっています。
最後に「もうスキップ可能です」とユニークなテロップが表示させることで、視聴者の関心を集めることに成功しました。
YouTubeのインストリーム広告の課金システムでは、30秒以下の動画の場合は最後まで視聴されることで料金が発生します。
最後まで視聴される5秒間の動画にしたことで、余計な広告費を抑えながら費用対効果の向上につながった成功事例です。
VIVIEN社の事例
韓国の下着メーカー・VIVIEN社は、ターゲット層となる20代から30代女性の興味関心を惹く動画広告を制作しています。
恋愛ドラマ仕立ての動画広告によりターゲット層の世代から支持を集め、ブランドイメージを浸透させることに成功しました。
VIVIEN社には、ブランドイメージを若年層向けに変える課題がありました。
その課題を乗り越えるため施策として、若いカップルを主人公にした恋愛ドラマ風の動画広告を4本制作します。
広告内では商品やブランドの内容がほとんど盛り込まれていませんが、その分ストーリーに没入でき、若年層の女性に惹かれやすい動画に仕上がっています。
この広告を打ち出した結果、再生数は350万回にも上がりました。
また、ターゲット層の年代のリーチ数は87%に到達し、コンバージョン率は1.7倍にもなっています。
さらに、コンバージョン1件あたりの費用を50%程の削減する効果も出ました。
株式会社ダスキンの事例
株式会社ダスキンは、介護支援サービスの「ダスキンライフケア」のプロモーションを目的に動画広告を制作しました。
サービスは40代から60代の女性をターゲットとしており、その世代にも伝わりやすいようにストーリー性のあるアニメ広告に仕上げています。
介護施設などに対するプロモーションはBtoBの成果は得られるものの、サービスを利用する側の認知度を高めるのが難しいという課題がありました。
特に認知症の介護は過酷な実情があるため、実写にするとリアルすぎて逆効果になる可能性がありました。
そこで株式会社ダスキンはアニメーションを活用し、リアルさを薄めながらサービスの内容をわかりやすく伝える動画にしたのです。
アニメ仕立てのプロモーション動画により一般人の反響を得ることができ、問い合わせやサービスの利用増加につながっています。
Tuft & Needleの事例
アメリカのマットレス・寝具ブランドのTuft & Needleは、「誰にとっても快適なマットレス」をコンセプトに、商品の購入を促進させる動画広告を制作しました。
マットレスは、見た目だけで商品の使い心地を見分けることが難しい製品です。
そのため、自社製品と他社製品の違いを視聴者にどう伝えていくのかが、Tuft & Needleの大きな課題でした。
製品の違いを伝えるために、動画広告ではプールに空気マットを浮かべてくつろぐ男性とベッドで眠る男性をシンクロさせる内容にしました。
そうして、Tuft & Needleのマットレスがいかに快適なのかをアピールする動画に仕上がっています。
Tuft & Needleは、YouTube広告のターゲティングを上手く活用しています。
「最高のマットレス」などのキーワードで検索している人や自社サイトにアクセスしているユーザーなど、製品や自社に興味・関心を持つユーザーをターゲットとして設定しています。
的確にターゲティングができていたため、その層に見てもらいやすい動画を作ることができ、品質の違いを視聴者に浸透させることができました。
動画広告の活用によって、設立からわずか5年間という短期間で約100億円もの売り上げを達成し、さらに利用者数も100万人以上に伸びています。
リノベ不動産の事例
リノベ不動産は、マイホームの購入を検討する潜在顧客に向けて自社のリノベーション住宅をアピールするために動画広告を制作しました。
動画広告を活用した理由は、視覚的にアピールでき、購入後のイメージが沸きやすいというメリットがあるからです。
リノベーション住宅は新築物件と比べて一般的な認知度は低い現状であり、マイホーム購入者の目になかなか留まらないという課題がありました。
中古住宅の購入からリンベーションまで一貫対応を強みにしているリノベ不動産は、理想的な住まいを手に入れられることを全面に押し出す動画を作ったのです。
そのような動画広告により、マイホームが欲しい層に自社のリノベーション住宅を認知してもらうことに成功しています。
動画広告はこれまでの実績も踏まえ、あえて潜在顧客にターゲットを絞り、その層が具体的なイメージを持てる内容にしています。
その結果、問い合わせ件数の月間平均は85%のアップとなりました。
それに加えて、問い合わせ取得単価も50%削減したという実績も残しています。
日産自動車株式会社の事例
日産自動車株式会社は、新型車のプロモーションを目的にターゲットごとにいくつか分けて動画広告を打ち出しました。
ターゲットごとに分けた理由は、日産の車に興味を持っていない人を新規顧客として獲得することを狙っていたからです。
元々興味を持っていない人から興味関心を高めることが、日産の課題でした。
そこで日産はターゲット層を細かく設定し、各層に向けて適切にアピールできるようにメッセージ性を持たせることに重視します。
新しい装備魅力、昼夜との違いなど1,700以上の動画を作り、ターゲット層に合わせて発信していく手法を取り入れました。
そのような動画広告を発信した結果、USP(Unique Selling Proposition:自社独自の強み)認知度は17ポイントにアップしています。
同時に、購入意欲やブランドへの好感度も高まる結果となりました。
これまで日産の車は男性向けのブランドイメージが強かったものの、動画広告の影響で女性からの興味関心も高まっています。
Moontonの事例
モバイル向けマルチプレイオンラインゲームを取り扱うMoontonは、動画広告に人気インフルエンサーを起用しました。
主にインフルエンサーのフォロワーを対象に動画広告を発信したことで、世界各地の新規顧客の獲得に成功しています。
Moontonは、世界各地で新規プレイヤーを獲得することが大きな課題となっていました。
インフルエンサーの活用により、新規プレイヤーが増えるのではないかと期待して企画をスタートさせたのです。
ターゲット層はあえて幅広く設定し、インフルエンサーのフォロワーとターゲット層に共通点を持たせることを重視しています。
また、動画はインフルエンサーがゲームの登場キャラクターをコミカルに演じ、潜在顧客に対して作品の魅力を伝える内容になっています。
インフルエンサーが登場する動画広告を発信したことで、コンバージョン率は35%に上昇し、アプリのインストール数も増加という成功を収めました。
インフルエンサーを起用した広告とそれ以外の広告を比較して、インストール単価は14%の減少の結果も残しています。
Whisper India, P&G社の事例
インドのWhisper India, P&G社は、国内の女性差別をなくすために動画を活用しています。
インドでは、古くから女性特有の生理に対する偏見があり、生理中の女性には様々な制限が設けられています。
生理用品を取り扱うWhisper India, P&G社はその習慣を良くないものと考え、意識を変えることがインド社会における課題としました。
インドには、「ピクルスの壺に生理中の女性が触れるとピクルスが腐る」という迷信があります。
その迷信に対抗するために、「TOUCH THE PICKLE(ピクルスに触ろう)」というキャンペーン動画を制作しています。
インドの古い習慣に対して、疑問を抱く人は少なく、290万人の女性がWhisper India, P&G社の動画に賛同し、女性蔑視を議論するきっかけとなりました。
同時に同社の支持率は91%まで上昇し、ブランディングにおいても嬉しい効果が発揮されました。
さらに、キャンペーン動画は、世界最大級の広告賞で知られるカンヌ・ライオンズのグラス部門でグランプリを獲得しています。
グラス部門は、差別や偏見に関する問題を提唱して社会貢献を果たした広告が集められる部門です。
この部門でグランプリになったということは、それだけ社会からの反響は大きかったことがわかります。
動画広告で効果を生み出すポイント
動画広告で効果を生み出すためには、いくつかポイントがあります。
最後に、YouTube動画と3大SNSで動画広告を配信する場合に押さえておきたいポイントについて、詳しくご紹介します。
YouTube動画広告を成功させるポイント
YouTubeでは、アスペクト比(縦横比)16:9を推奨しているので、動画広告も16:9がおすすめです。
スマホユーザーをターゲットにするのであれば、1:1(スクエア形式)も良いでしょう。
推奨されている尺は、バンパー広告が6秒、インストリーム広告が15秒です。
冒頭2秒は印象に残りやすいため、他の動画広告では取り入れられていない工夫を凝らすことで視聴者に興味を持ってもらいやすくなります。
視聴者の記憶に残る動画広告を制作するために、楽しさや面白さ、斬新さを感じられる情報を取り入れてみましょう。
漫画やイラストを取り入れて視覚的に楽しめる動画にしたり、インパクトが大きいキャッチコピーを入れたりするのもおすすめです。
また、クリエイティブな印象のある動画は、YouTubeの視聴ユーザーから興味を持ってもらいやすい傾向にあります。
面白おかしい内容や意外性のあるストーリーは広告感が薄れ、最後まで視聴してもらえることも多いです。
最後までしっかり見てもらい、同時に必要な情報を伝えられるように音声を付けることも大事です。
映像の雰囲気を演出してくれるBGMだけではなく、わかりやすく情報を伝えるためのナレーションを入れるとより効果的です。
3大SNS動画広告を成功させるポイント
Twitter、Facebook、Instagramの3大SNSの動画広告を成功させるポイントは、媒体ごとに異なります。
それでは、各SNSでの成功ポイントをみていきましょう。
◎Twitter
Twitter広告はアスペクト比の選択肢が豊富ですが、フィード上では1:1が推奨されています。
タイムラインをスクロールした時に広告が流されてしまい、長い尺の動画はほとんど見てもらえない可能性があります。
そのため、6秒から15秒の短い尺に収めた動画がおすすめです。
短時間の動画でも内容が伝わるように要点を絞り、早送り編集を駆使するなどの工夫をすると良いでしょう。
サムネイルで商品・サービスを訴求するだけではなく、テンポの良さを意識して動画制作することも大事です。
◎Facebook
Facebook広告の推奨アスペクト比は、フィード上は1:1、ストーリーズは9:16がおすすめです。
掲載する場所に合わせて、アスペクト比を使い分けていきましょう。
推奨されている尺は15秒以下となっているので、冒頭5秒で商品・サービスの概要を伝えられると訴求効果が高まります。
無音で視聴されるケースが多いため、テロップやテキストで情報を伝える工夫も求められます。
Facebookは他のSNSと比べてユーザーの年齢層が高めです。
そのため、落ち着いた雰囲気や上品な印象のある動画広告が効果的と言われています。
また、ターゲット層に合わせてスピード感を変えていくことも重要です。
◎Instagram
Instagram広告もFacebookと同様にフィード上は1:1、ストーリーズは9:16のアスペクト比が推奨されています。
最大120秒の動画を掲載できますが、あまりに長い尺だと離脱の原因となるので注意してください。
重要な情報を伝える前に離脱されないように、15秒以内に必要な情報を伝えられるように工夫しましょう。
Instagram広告では、リアルな体験談や第三者の評価がわかる内容の広告に対して反応が良い傾向にあります。
その点を意識して広告動画を制作することをおすすめします。
まとめ
動画広告は、短い時間でたくさんの情報を伝えることができ、視覚的なアプローチにより強く印象に残すことが可能です。
上手く活用することで、ブランドイメージや商品・サービスの認知、興味関心の向上、購買につなげるなど、企業にとって嬉しい効果を発揮してくれます。
これから動画広告を導入するのであれば、メリットやデメリット、動画広告の種類、課金方法、成功させるポイントなどを知った上で、計画を立てていきましょう。
視聴者に魅力的な動画広告を作るためには専門的な知識や編集スキルも求められます。
社内制作ではなく外注を検討されている際は、動画広告の制作実績が豊富なGJCまでお気軽にご相談ください。